http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/333.html
Tweet |
日本でもフジ産経グループが「中国経済崩壊論」をさかんにふりまいているが、転載する記事は、崩壊論を含む「中国経済衰退論」への反論と言えるものである。
記事で示されている中国人経済学者の分析と方向性には概ね同意できる。
経済学者林毅夫氏が語っているように、「消費の積極的な役割は無視できないとしても、国家が、消費だけに過度に依頼して経済成長を引っ張っていくことは不可能である。「債務危機が発生した国はいずれも、過度の消費によって問題が起こった。このことはきちんと教訓とすべき」」という認識を踏まえた、「中国はやはり、投資を主体とした経済成長モデルを取っていくべきだという。一方では、技術革新を拠り所として、労働生産性を高め、収入を増加させる必要がある。もう一方では、産業のグレードアップを拠り所として、インフラの整備を絶えず進め、取引コストを引き下げ、質と効果とがどちらも高まる成長を実現させる」という指針を堅持すれば、時に嵐が吹くこともあるだろうが、小康(ややゆとりのある)社会の実現はできると思う。
※ このような考え方は、中国に限った話ではなく、先進国として成熟段階に入っている日本についても言えることでる。
中国にとってもう一つの重要なテーマは、都市と農村の共存共栄をどのような手法で達成するかということだと思っている。
現在のところ、農村に対する税や社会保障の優遇を進めながら、農村“過剰人口”の都市への吸収(全国レベルでの都市化)という政策くらいしか見えないが、産業のグレードアップで実現される都市住民の(実質)収入の増加を農村の供給(生産)レベルでの収入増加に結びつける方策が、都市と農村の共存共栄の持続性のためだけでなく、中国全体の安定的で自立した発展のためにも必要なことだと思う。
===============================================================================================
中国経済情勢分析(1):中国経済は衰退しているか
2014年03月07日10:46
海外の投資銀行やメディアの一部では最近、中国経済の衰退を指摘する声が再び上がっている。この中国経済衰退論をいかに考えるべきか。現在の中国経済はどのような状況にあるのか。5日に行われた両会(全国人民代表大会・全国政協会議)の記者会見で、国家発展改革委員会の徐紹史・主任はこれに対し、「今年の中国経済は好調な滑り出しを見せており、見通しは明るい」とはっきりと応えた。記者はこの問題について、両会の内外で代表や委員、専門家に意見を聞いた。人民日報が伝えた。
【疑問】中国経済は衰退に直面しているか
【回答】経済情勢は予想を上回り、経済活動のファンダメンタルズは変化していない
中国の経済成長率はここ数年、連続的に下降しており、中国経済が衰退に直面しているとの見方がある。
全国政協委員を務める著名な経済学者の林毅夫氏はこれに対して異議を唱えている。林氏によると、国内の経済成長率がスローダウンした主な原因は、世界経済全体の軟化にある。例えば2013年、米国の経済成長率は1.8%にとどまり、欧州にいたっては0.4%のマイナス成長となった。「インドやブラジルは中国と同じ新興経済国だが、こうした国の経済指標の下降幅は中国よりも大きい」と林氏は指摘する。
発展改革委員会の徐紹史主任は、経済を考えるには大局を見る必要があると主張する。「2013年の中国の経済社会は良好な発展情勢を見せた。GDPは7.7%成長し、CPIは2.6%上昇し、1310万人の雇用が実現され、全国の住民の可処分所得は8.1%増加し、いずれも予想を上回っている」。徐主任はさらに、GDPに占める第三次産業の割合が昨年、第二次産業を初めて上回ったことを指摘し、中国の構造調整が重要な進展を遂げているとの見方を示した。
不安視する声が高まる成長率減速の問題について、徐主任は、小康(ややゆとりのある)社会を2020年までに全面的に構築するとの目標は、7%の成長率を維持すれば実現できるとの見解を示した。世界の先進国や主要な発展途上国と比べれば、7.7%の成長率も最も高い部類に属している。「中国には資源や環境などで大きな制約があるため、中国は成長速度だけを追求するわけにはいかない。だが構造調整と改革促進に良好な環境を作り出すためには、経済成長率が最低ラインを下回らないように配慮する必要もある」。
徐主任はさらに、「経済成長の小幅な変動は正常な現象で、経済法則とも合致しており、中国の経済活動のファンダメンタルズに変化はない」と指摘した。
全人代代表を務める広東省社会科学院産業経済研究所の向暁梅・所長は、中国経済衰退論を吹聴することは、一部の国際資本の悪質な態度を示すものだと主張する。向氏によると、巨大な規模の中国経済の「衰退論」をことさら吹聴することには、中国に圧力をかけてチャンスを広げ、利益にあずかろうとの意図がうかがえる。
「我々は、大国の度量と自信をもって、外からの疑問に応じなければならない」と、全人代代表を務める東華大学経済発展・協力研究所の厳誠忠所長は語る。経済発展はそもそも直線的なものではなく、中国経済の減速には、国内の調整や転換の要素と世界経済の低迷という背景が存在していることを見落としてはならない。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年3月7日
http://j.people.com.cn/94476/8558089.html
==================================================================================================
中国経済情勢分析(2):中国の発展に潜在力はあるか
2014年03月07日10:50
海外の投資銀行やメディアの一部では最近、中国経済の衰退を指摘する声が再び上がっている。この中国経済衰退論をいかに考えるべきか。現在の中国経済はどのような状況にあるのか。5日に行われた両会(全国人民代表大会・全国政協会議)の記者会見で、国家発展改革委員会の徐紹史・主任はこれに対し、「今年の中国経済は好調な滑り出しを見せており、見通しは明るい」とはっきりと応えた。記者はこの問題について、両会の内外で代表や委員、専門家に意見を聞いた。人民日報が伝えた。
【疑問】中国の将来の発展にはどのような潜在力があるか
【回答】中国経済にはまだ多くのチャンスがあり、質と効果とがどちらも高まる成長を実現しなければならない
衰退論者が、中国経済が崩壊するとしている理由の一つは、中国経済の成長を長期にわたって引っ張ってきたのは投資だが、投資に頼った成長は持続可能なものではないというものだ。
全国政協委員を務める著名な経済学者の林毅夫氏は、この意見には全面的には賛同できないという。林氏によると、消費の積極的な役割は無視できないとしても、国家が、消費だけに過度に依頼して経済成長を引っ張っていくことは不可能である。「債務危機が発生した国はいずれも、過度の消費によって問題が起こった。このことはきちんと教訓とすべきだ」
林氏によると、中国はやはり、投資を主体とした経済成長モデルを取っていくべきだという。一方では、技術革新を拠り所として、労働生産性を高め、収入を増加させる必要がある。もう一方では、産業のグレードアップを拠り所として、インフラの整備を絶えず進め、取引コストを引き下げ、質と効果とがどちらも高まる成長を実現させる必要がある。
林氏によると、中国には非常に良好な発展条件がある。第一に、世界的に見て、政府の債務比率が比較的低い。審計署の昨年末の発表によると、中央と地方の債務は合計20兆7000億元で、地方政府が投資・融資プラットフォームに提供している担保の9兆6000元もあるが、全体の負債はGDPの39.4%にとどまっている。多くの先進国でこの比率は100%ほどに達し、日本にいたっては200%に及んでいる。債務比率の低さは、積極的な財政政策を取る余地を政府に与えている。さらに民間の貯蓄も非常に大きい。第二に、中国には4兆ドル近い外貨準備がある。こうした有利な条件を活用すれば、将来の数年にわたって7.5%から8%の経済成長率を維持するのに大きな困難はない。
「中国経済は、衰退論を語られる状況にあるどころか、都市化や環境保護、消費方式の転換など多くの発展のチャンスが存在している」と、全人代代表を務める東華大学経済発展・協力研究所の厳誠忠所長は語る。
発展改革委員会の徐紹史主任は、現在の問題を解決するためには、改革を全面的に深化させ、経済の内的な動力と市場を主体とした活力をさらに強化しなければならないと指摘する。工業化・情報化・都市化・農業近代化を同時に推進して巨大な潜在的ニーズを解き放ち、革新を動因として発展の底力を高め、マクロ調整によってさらに良好な環境を作り出す必要がある。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年3月7日
http://j.people.com.cn/94476/8558092.html
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。