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金投資と金相場ニュースBlog 〜黄金の蹉跌〜
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人は理由や原因を知りたがるようにアプリオリにつくられています。
理由がわからないと予測がつかず不安ですのでそれを解消しようとするためです。
その不安を解消したいとする欲求をとりあえず満たすことができれば、その理由がたとえまちがっていたとしてもかまいません。自分が納得できればいいのです。
そしてその理由は、シンプルで分かりやすくてひとつのことですべてを説明できるようなものが好まれます。思考経済に資するので脳に負担をかけないからです。
相場の世界でもこれはよくあてはまります。
そのため。このタイトルのようなものへの引きが強いようです。
相場のニュースを追っかけていると、毎日のように、アナリストやマスメディアの記者が相場が動いた理由として後講釈の分析をしているのを目にします。それで飯を食っている人も多いようです。ロイターでもかならず電話でどこかに聞いてそれに答える人がいます。そしてその理由を世界中のメディアがトレースしていきます。それをコピーするほうが楽ですし、大手の通信社がいっていることで他社も同じ理由をコピーするので、その理由が間違っていても責任が軽くなるからです。そうやって相場のコンセンサスみたいな空気が形成されていきます。
しかし、相場の動きとはいわゆる複雑系のものであり、1つ2つの理由で動くものではありません。その理由が一般的には買い材料であっても、売られたりしたりもします。そういった場合の都合のいい後付解釈は織り込み済みとか材料出尽くしとかいったキーワードです。
直近で金が上がっている理由としては、ウクライナ問題や中国経済への不安がコンセンサスとしてあげられています。
もちろん、それも複数の理由のなかの一つといえるかもしれませんが、私の後講釈では、それは本質的な理由ではないように思えます。
アメリカ経済と日本経済へ不安感がましていることが主因だと思います。
とくに、アベノミクスの失敗が周知されるようになってきたことが大きいです。設備投資、個人消費、輸出量が伸びていません。円安による輸入インフレと交易条件悪化に伴う給与所得減のダブルパンチで実質個人所得が下り、スタグフレーションのおそれがでてきています。貯蓄率低下、経常赤字により財政持続性に赤信号が点灯しています。
期待や予想といった不安定な情緒的なもの頼みのアベノミクスですが、消費増税前の駆け込み需要すらおこせず、むしろ企業や消費者のマインドを悪化させるだけになっています。所得が低下して貯蓄率がさがっている現在の条件下では、インフレ期待(輸入インフレや消費増税を含む)があがれば駆け込み需要はおこらず、むしろ将来不安から消費者を節約に走らせます。
そして、アベノミクスの弊害により、これから金利急騰の恐怖に怯えることになります。
実体経済の成長に寄与するどころか大きく足をひっぱるだけに終わったアベノミクスはその副作用の大きさから今後修正を迫られることになる可能性もでてきました。
特に、輸出超過の日本で海外に逃げた輸出企業だけが利益の恩恵を得て、その他の内需企業、消費者など国民の大多数が損をする円安政策は批判が大きくなってくるはずです。そういう輸出企業がマスメディアのメインの広告主ですから、大衆はメディアコントロールされています。しかし、大衆もそこまで馬鹿ではありませんのでいつまでも円安=日本の国益とかいう明らかに間違いのプロパガンダに騙されません。
円安政策転換の警戒感から、円キャリーの巻き戻しがおこりつつあります。縮小を開始したQEの肩代わりになって金融資産バブルのエンジンになってきたアベノミクスによる円売り、円キャリトレードが巻き戻されることによりリスクオフになります。そうなると円安が支えていた日米英の株、債券、不動産の三つのバブルに危険信号が点灯します。
アベノミクスの失敗はそのままアメリカバブル経済の終焉を意味します。
そうなると、アメリカ経済が担保するドルの信用も低下することになります。
ドルの信用の低下。これが、金価格が上昇している主因だと後講釈します。
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