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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N2ALOJ6JTSE901.html
3月12日(ブルームバーグ):
安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の下での物価上昇と、雇用・賃金環境が依然として厳しい中での消費増税の影響で、国民生活の窮度を示す指数は4−6月期に約33年ぶりの水準に悪化する見通しだ。
ブルームバーグ経済指標予測調査によると、完全失業率と消費者物価指数(CPI)の上昇率を足し合わせた「悲惨(ミザリー)指数」は消費税率が現行5%から8%へ引き上げられる4月1日からの3カ月間に7%程度へ上昇し、1970年代のオイルショックによる不況から回復し始めた1981年6月以来となる見通しだ。
経済成長と2%の物価目標達成を目指す日本銀行の「量的・質的金融緩和」は、円相場を過去1年間に6.8%前後まで下落させている。実質賃金も過去最低水準に落ち込んでいる。母方の祖父が岸信介元首相で父親が安倍晋太郎元外相という政治家一家で育った安倍首相は、民主党の海江田万里代表から円安による物価高 で家計の負担が増えていると批判を受けている。
三菱UFJ投信の石金淳シニアストラテジストは、「インフレは本当に辛い。インフレを良く言う人は、非常に裕福な家に育って、インフレの辛さを分からないのかもしれない」と述べた。
円相場は対ドルで昨年に18%下落し、1979年以来の大幅な下落率となった。円安は、輸入コスト上昇を通じて、物価を押し上げている。総務省が発表した1月の全国CPI総合は前年比1.4%上昇 。昨年12月は同1.6%上昇と約5年ぶりの高水準に達した。
長期金利の指標となる新発10年国債利回り は0.62%前後。3日に付けた昨年5月7日以来の低水準0.57%からは少し戻しているが依然として世界最低水準のままだ。ブルームバーグ予測調査によると同利回りは年末まで0.9%を下回り推移すると見込まれている。
国民負担率は過去最高
少子高齢化の進展を背景に、社会保障や租税の負担が膨らみ、国民への負荷は増大している状況だ。財務省が前月発表した2014年度の国民負担率(国民所得に占める租税と社会保障負担の割合)は41.6%と、過去最高を更新する見込み。
SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、「少なくとも賃金水準が上がらないと現役世代への負担は増える。年金生活者もマクロ経済スライドが導入されているので、物価上昇分がカットされ、実質の年金受取額が毎年減っていくことになる」と語った。
賃上げは、今後、労働市場に波及するものの、生活費の上昇率には及ばないと見込まれている。厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査で1月の現金給与総額(インフレ調整後の実質賃金指数)は7カ月連続で減少した。ブルームバーグ調査では、今年の賃金上昇率は1%以下にとどまる見通しだ。
賃上げ
安倍首相は昨年12月のインタビューで、デフレ脱却のため、企業が物価の上昇を上回るペースで賃上げを進めるよう要請した。
ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは、「1人当たり賃金の上昇幅はなかなかCPIには追いつかないので、1人当たり賃金を考えると物価上昇分は実質所得の目減りになってしてしまう」と分析。もっとも「デフレ脱却によって雇用の回復も促進されるとするとマクロ全体でみればポジティブな動きではないか」とも語った。
経済協力開発機構(OECD)によると、生活費の格差を考慮し、為替相場で調整した場合、日本の労働者は12年に1人当たり平均3万4138ドルの所得を得た計算になる。これは、米国の5万5048ドルを下回り、29カ国中で11番目に低い水準。
9日付の日本経済新聞は、パナソニック、日立製作所、富士通など電機大手が月額2000円と6年ぶりにベースアップを実施する方向と報道。過去最高の賃金改善を視野に最終調整に入ったと伝えた。10日付の同紙は、NTTはドコモなど主要8社を対象に、7年ぶりにベアに相当する賃金改善を実施する方針と報じた。同社は、株式の約3分の1を政府が保有しており、22万7000人の従業員を抱える。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 石川茉莉子 mishikawa9@bloomberg.net;東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net崎浜秀磨, 青木 勝
更新日時: 2014/03/12 10:43 JST
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