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株式日記と経済展望
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成長の鈍化に伴って、債務だけが急速に膨張している。世界経済の
直面する最大の問題は、膨張する債務と低下する成長の齟齬なのだ。
2014年3月12日 水曜日
◆経済の停滞は、政策の不在が原因なのか? - 辻 元 3月11日
http://blogos.com/article/82116/
昨年10−12月期の成長率が年率換算0.7%とアベノミクスの失速が明らかになってきた。そこで、アベノミクスの第三の矢(規制緩和)に注目が集まっている。しかし、政府が何かをして、経済成長が加速するものなのだろうか? よくいわれる、官僚支配や、規制が、本当に経済停滞の原因となっているのだろうか? ここでは、この根本的な問題を考えてみたい。
先進国経済の停滞の原因
先進国経済の停滞の原因は、主に次の二つ
(1)エネルギー、食糧などの一次産品の価格高騰。
(2)フロンティアの喪失
だと思われる。
(1)に関して言えば、原油価格は1バレル100ドルを超えているし、FAOのfood price indexは210近辺で、の2倍以上である。 日本の貿易赤字の原因も、ほとんどエネルギー価格の高騰で説明される。
しかもCNNが伝えるようにピークオイル(原油生産が最大になり、それ以降、生産減退が始まるタイミング)も3−4年以内には起きそうだ:
これは石油メジャーTOTALのCEOが述べているように、生産コスト増にも関わらず、原油価格が安過ぎるからである。 平たく言えば、CEOは、「これはピークオイルではない、ピークキャパシティだ」即ち、「石油やガスは地中にいくらでもあるが、採掘するのにお金が掛かり過ぎるので採掘できません。もっと欲しいなら、もっとお金を下さい」と言っているわけである。 だが、これこそ、ピークオイルの本質だろう。
食糧価格についても、FAOのfood price indexは、2000年の91.1 から2013年には209.8と2倍以上に上昇している。
こういったエネルギーの減耗、エネルギーや食糧の価格高騰は、世界の争乱を引き起こしている。
(2)に関しては、もはや地球上に新たな市場、新たな開発地域は、ほとんど残っていないことは明らかだろう。イギリスはかつて、インドを始めとする植民地からの独占的な収奪で、大英帝国を作り上げ、繁栄を極めたが、現在のグローバル化の時代においては、新興国は一方的、独占的な収奪の対象ではなく、ライバルでもある点で決定的に異なっている。 先進国と新興国が、本当にウィンウィンの関係を実現するのには、資源制約がなく、フロンティアが無限に広がっていることが必要なのだ。
実際、先進国の原油消費は減少しており、
日本の場合、ピークから約2割減少している。アメリカでも既に、車の総走行距離は95年レベルにまで減少している。
このように(1)と(2)は一体のもの、即ち、地球の有限性が成長の限界となりつつあるわけで、このまま、世界の自動車が右肩上がりに増加してゆくといった、成長予測は、既に成り立たない。簡単に言えば、エネルギー生産、食糧生産といった、経済成長の原料供給が、もう需要を満たせなくなってきているというのが、問題の真相であり、この問題は、政府の政策くらいで、解決するはずがない問題なのだ。
実際、先進各国の経済停滞は、(1)、(2)でほとんど説明がつくだろうと思われる。それが高齢化の進行の速い日本では、特に厳しく感じられているだけのように、私には思える。
最大の問題に立ち向かおう
このように成長が無限に続くというのは、全くあり得ない話で、経済成長が日常的に存在したのは、ここ200年ほどの特異な現象である。それまでは、経済成長などなかったわけで、これから経済成長がなくなるのは、当たり前の生活に戻るということに過ぎない。
それでも、なぜ、これが大きな問題になるのか、というと、経済成長が止まると、債務危機が起きるからである。お金を借りれば利子を付けて返す、ということが当然のように可能なのは、経済成長がないと不可能だからだ。
現在、Global Debt Exceeds $100 Trillion as Governments Binge, BIS Saysといったニュースを見れば分かるように、成長の鈍化に伴って、債務だけが急速に膨張している。
世界経済の直面する最大の問題は、膨張する債務と低下する成長の齟齬なのだ。
これは困ったことなのだが、だから成長するんだ、と掛け声をかけたところで、経済成長は、地球の有限性に阻まれているわけだから、経済のシステムを弄ったところで、絶対に問題は解決しない。
端的に言えば、現在の資本主義、自由経済は維持できない。今最大の問題は、現在の経済システムに代わる、成長を前提としない経済システムを考えることではないだろうか。
しかし、さしあたって必要なのは、経常収支の赤字を何とか減少させることだろう。 日本はシリアやエジプトといった国より遥かに豊かなので、すぐには生活が行き詰まることがないのは幸いだが、財政が破綻すれば、危機にさらされる。 財政再建に取り組み、少ないエネルギーで生活し、消費を切り詰めることが必要ではないだろうか。 政府のやるべきことは、無理に成長を追い求めることではないはずだ。
(私のコメント)
19世紀からの近代工業文明は、石油と言う安価で使いやすいエネルギー源がもたらされたことによるものであり、その石油が安価でなくなり今や1バレル100ドル以上が定着してしまった。使えるエネルギーが一定なのに需要の増大に追いつけない。値上げすればエネルギーは得られますが、利益がそれだけ減ってしまう。
そのような状況で利益を出そうとすれば人件費を削って出すようになる。しかし人件費を削れば所得が減って消費が落ち込む。しかし公務員だけは人件費は伸び続けて、公務員は平均730万円の年収なのに、民間は470万円だ。公務員はエネルギー価格の上昇に制約されず税収に制約される。
しかし民間経済はエネルギー価格の上昇に制約されるから、利益幅はそれだけ減って行く。利益が出ないから所得税も減って赤字財政になる。だから公民も民間に合わせて人件費のカットをすべきなのですが、公務員も国会議員もお手盛りで収入を上げて行く。ついには消費税が導入されてますます経済を停滞させていきますが、元はエネルギー価格の上昇が原因なのだ。
エネルギー価格が上がれば、利益を出すためには人件費の安い新興国に生産拠点を移すことが合理的な判断になります。日本などの先進国もコストカットのために人件費が減らされて正社員から派遣社員に切り替えられていく。電気の使用量はますます増えて行く一方だから原子力発電に一時は期待が集まりましたが、事故が起きれば大災害になる。
日本はこのようなエネルギーショックと原発災害のショックに見舞われましたが、熱効率は日本が断トツのトップなのですが、石油の値上がりの速さに追いつかない。自動車にしてもリッター30キロ走ると宣伝しても実際には20キロ程度しか走らない。石油に代わる画期的なエネルギー源は無く、原子力も期待されましたが福島原発災害にみるように原発も安全対策を含めれば高くつく。
だからグローバル企業は新興国の人件費の安い国に移転してコストダウンをしましたが、中国などのように経済発展すれば石油を大量消費するようになりインフレと賃金アップで限界に来てしまった。このような状況で経済成長を促すことができるのだろうか? 日本は一足早くデフレ経済に突入しましたが、豊かなのは公務員や電力のような独占企業だけが豊かになり、民間経済は疲弊している。
根本的には石油に代わるエネルギー源を見つける事ですが、天然ガスもシェールガスも採掘や輸送にコストがかかる。日本の貿易赤字もエネルギー輸入の増大によるものであり、原子力発電は依然ストップしたままだ。再稼働させなければアベノミクスによる経済の発展は難しくなり、消費税増税だけが確実に実行される。しかもGDPの伸びは0,7%まで落ち込んでいる。
問題なのは、債務が確実に増えて行くのに経済成長は停滞すれば不良債権は確実に増えて行く。バブルの崩壊現象は低成長社会に突入すれば当然起きる現象であり、公務員は国債を言う債務を増大させて所得を増やしている。毎年40兆円近くの人件費が公務員の給与になる。それが積みあがって1000兆円の国債残高になっている。
アベノミクスで円安株高は実現しましたが、肝心の経済成長が0,7%と急低下している。天然ガスをバカ高値で買っていれば経済成長にブレーキになるのは当然だ。だからアベノミクスを実行するには原発を再稼働させて天然ガスの輸入を減らさなければ実現できない。経済成長が実現できなければ債務を増やしても不良債権になるだけだから、マネーサプライを増やしても銀行からの融資は伸びない。
「株式日記」では藻によるバイオ燃料の生産に期待をかけていますが、石油が1バレル100ドル以上なら採算に合う時が来るだろう。海底からのメタンハイドレードの採掘も期待されますが、日本が天然ガス大国になるチャンスでもある。大東亜戦争は足元に大慶油田があるにもかかわらず石油を求めて戦争に踏み切りましたが、日本は採掘技術には金を掛けたがらない。だからメタンハイドレードの開発も進まない。
アベノミクスでの公共事業はインフラ整備ばかりで、新エネルギー政策が欠けているから失速するのだ。原発の再稼働もそうだし、バイオ燃料への投資がなかなか進まない。オオマサガスも何度か紹介しましたが、天然ガスに混ぜれば倍に増やせる。火力発電所も高効率発電に切り替えればと思うのですが、公共事業のカネが橋や道路に使われて火力発電所の最新化に使われていない。利権がからまっているから投資がそちらに回せないのだ。
◆コンバインドサイクル発電
http://www.fepc.or.jp/enterprise/hatsuden/fire/combined_cycle/
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式です。最初に圧縮空気の中で燃料を燃やしてガスを発生させ、その圧力でガスタービンを回して発電を行います。ガスタービンを回し終えた排ガスは、まだ十分な余熱があるため、この余熱を使って水を沸騰させ、蒸気タービンによる発電を行います。
この発電方法を使うと同じ量の燃料で、通常の火力発電より多くの電力をつくることができます。同じ量の電気をつくるのに、CO2の排出量が少ないすぐれた発電方法です。
CO2排出量の削減は、地球温暖化防止の上から世界的な課題になっていますので、汽力発電に比べて環境面で有利なコンバインドサイクル発電は、積極的な開発が進められています。
構造は一般的な火力発電よりも複雑ですが、小型の発電機をたくさん組み合わせて大きな電力を得ることができ、発電機の起動・停止も簡単で、電力需要に敏速に対応できるというメリットがあります。
発電効率をより高めた改良型コンバインドサイクル発電(ACC=Advanced Combined Cycle発電)も徐々に普及しています。ACC発電では約50%の熱効率(同じ量の燃料で生み出せるエネルギー)を達成していますが、これは1950年代の火力発電の、約2倍?3倍もの熱効率です。
この50年で、火力発電所は「1の燃料」から「約2倍?3倍」もの電力を生み出せるように進化しました。
(私のコメント)
アベノミクスには送配電の分離まで出来ていませんが、発電事業が分離されていれば民間は安い電力を使う事が出来てプラスだし、銀行にだぶついている資金も発電エネルギー事業に投資されるだろう。3倍の高率で発電が出来るのだからエネルギーコストは三分の一になるという事だ。この事によって経済の高度成長も持続が可能になるはずだ。
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