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人事もグローバル化 日系企業から「日本人部長」が消える日
http://gendai.net/articles/view/life/148617
2014年3月11日 日刊ゲンダイ
円安、法人税減税でも国内企業の海外進出は止まらない。安倍首相が聞けばガックリするだろうが、国際協力銀行によれば、８２．５％の企業が今後３年程度で「海外事業を強化・拡大する」と回答。「国内を強化・拡大する」と答えた企業は、わずか２９．２％しかなかった。いくらアベノミクスだと騒いでも、国内企業は冷静に先を見据えているのだ。グローバル戦略を意気込んだ後、次に控えるのが「人事戦略」だ。世界中で人材を採用するとなれば、評価を統一しなくてはいけない。
■グローバル戦略の行き着く先
大手電機メーカーの人事担当者がこう断言する。
「これまでの日本企業は、現地法人の支社のトップは日本の駐在員で、日本人支配、日本人至上主義でやってきました。しかし、こういうやり方では、本当に現地に根付いた商売が出来ない。そこで最近浮上してきたのが、人事・評価制度を外国人と共通化する案です」
世界規模でジョブグレード（等級）を共通化する。個人の評価はすべてパソコンの中におさめ、人事異動もこの人材データベースを基に行う。点数が高いタイ人が名古屋支店に異動で来て、上司になるような時代なのだ。
最近、大手ＩＴ企業も評価方法をグローバル仕立てにしたばかりだ。
「ゼネラル・エレクトリック（ＧＥ）で使っている、『ナインブロック』という手法を導入しました。簡単に言うと、入社すぐにリーダーになる素養のある人材を発掘し、エリート教育を施すのです。世界約１００カ国に支社があり、約３０万人が働くＧＥならではの人事評価システムです」（ＩＴ人事担当者）
■海外の主流派は入社すぐエリート養成
ナインブロックとは、成績に応じて人材を９つのブロックに区分けする。例えば、２０代から管理職ポストに就かせ、４０歳前後で支社長になれるように養成するのだ。
一方、ランクの低い社員は悲惨だ。ＧＥは毎年下位１０％の社員を入れ替えるとされ、厳しい評価手法としても知られる。
現に他社からの引き抜きも含めてそんな事態は始まっていて、武田薬品の社長は４７歳のフランス人。同社の取締役８人のうち２人は外国人だ。逆に日本マクドナルドのように親会社から新社長を迎えるケースもある。
もちろん、この動きは経営陣に限ったことではなく、「これからは部課長ポストにまで飛び火する」（コンビニチェーン人事）という。
「今後は、部長、課長は外国人が独占する可能性が高い。しかも、３０代、４０代の若者です。グローバルな交渉力は外国人にほとんどの人が太刀打ちできないからです」（コンビニ人事）
１０年の時点で外国人管理職は、三菱重工が３３人、トヨタ１５人、富士通１４人、東レ１０人など。この数がどんどん増える。
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