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GDP2次速報と景気ウォッチャー調査
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52565202.html
2014年03月10日 在野のアナリスト
今日発表された10−12月期2次速報は、ちょっと衝撃です。年率換算の成長率が1次速報の1.0ptから0.7ptに下方修正され、その主因が設備投資だったためです。円安によるJカーブ効果が出ていないことは、1月の経常収支で1.6兆円という最大の赤字を記録したことでも明らかですが、企業の生産活動は拡大する気配がない。設備投資は1.3ptから0.8ptに下方修正されていますが、この程度の数字だと、古い設備の置き換えとして十分に説明できてしまいます。
さらに問題なのは、企業の賃上げの動きです。国内生産が活発になっているなら、特に問題はありませんし、むしろ好感すべきですが、企業負担にしかならない今回の決断は、法人税減税をめざした経団連の意向により、余力のない企業まで賃上げせざるを得なくなっている。今後、円高になった途端、企業経営が苦しくなることが必定です。それを2次速報は示しているのです。
内閣府は、1-3月期は消費税増税前の駆け込み需要があるので、消費が堅調との見方を示します。しかし住宅建設は10月をすぎてガクッと落ちており、また寄与度の大きい自動車販売などは、納期の関係ですでに打ち止めになっています。冷蔵庫などは堅調、という話もありますが、エコポイント制度と同様、消費の山と谷ができてしまうので、これとて景気ではマイナスです。夏で景気はピークをつけた、という話が現実味をおびてきたことに、統計上もなっています。
上記の傾向は、すでに2月景気ウォッチャー調査にも現れており、現状判断DIは1.7pt低下の53.0、先行きDIは9.0pt低下の40.0でした。景気は明らかに下向き、駆け込み需要の反動減というばかりでなく、景気の谷にむかって今は転げ落ちている状況です。安倍政権では補正予算で公共工事バラマキは続いており、劇的に上昇することはない。このままだと4-6月期の前に、マイナス成長に陥る恐れすら生じているのでしょう。引渡しの終わった住宅、自動車などの高額消費が、どの程度1-3月期の期待と乖離するかで、そうしたことも判明してくると思われます。
震災復興に関して、安倍首相は「ハードからソフトへ」という言い方をしますが、安倍ノミクスは「ソフトからハードへ」の転換期にきています。このソフト、ハードはマインド面から実績へ、ということであり、ただの期待だったものが、現実にどうなったか、を見極めるタイミングに来ているのです。しかし、経済指標をみても期待とはほど遠く、実績は伴っていない。それでも各社の世論調査をみても、経済政策の評価はいい、というのが日本の現状なのです。
今から断言できることは、来年度の日本の経済は、かなり混迷の度合いが深い、ということぐらいでしょう。今後、でてくる経済指標で悪いものが増えても、メディアがほとんど報じず、無視する形でまだマインドに働きかける気か? そうやって、いつまでも国民を目晦ましをしていると、PM2.5で視界不良の中国同様、日本の先行きも暗い、と感じる国民が一気に増えることにもなりかねません。防潮堤の見直しという話もありますが、今は何が蟻の穴になって、政治、メディアのスクラムという堤が崩されるのか? その行方次第で、日本のマインド転換が訪れることになるのかもしれませんね。
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