http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/248.html
Tweet |
買うか借りるか。どちらが得かは答えが出ない
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140307/ecn1403071749007-n1.htm
2014.03.09 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
マンション業界にはいくつかの「神学論争」がある。いくらやっても結論が出ない比較。例えば「新築vs中古」、あるいは「賃貸vs分譲(購入)」のようなこと。
例えば、同じマンションの同じ部屋を、所有者が「売るなら○千万円、貸すなら月×万円」といって市場に出すことはまずない。また、住宅ローンを使えば金利は変動し、インフレやデフレがあると家賃も変わる。こういう比較には確定的な結論が出ない。だから神学論争なのだ。
新築分譲マンションの広告でよくあるフレーズは「今の家賃よりも○○○」や「家賃と比べてみると×××」。今払っている家賃と比較して、ローンの方が安くなるから「お得」と誘いかける手法。あるいは「家賃は、払っても何も残らないけど、ローンならマイホームが持てる」とささやきかける。
しかし、これには大きなワナが潜んでいる。住宅ローンを組めば、最後まで払い終える義務が生じる。法律用語でいう債務だ。
途中で払えなくなったらどうなるのか。
せっかく買ったマンションは競売に掛けられる。それだけではない。競売の結果、ローン残高以上で落札されなければ、その差額の負債を背負うことになる。なくなったマイホームのローンを払い続けなければならない。これから逃れるには自己破産か個人再生しかない。そうなれば、クレジットカードが作れないなどさまざまな制約が課される。
家賃は、払えなくなれば払えるところに引っ越せばいい。また、別に住みたいところができても同じ。転勤はもちろん、子供が遠くの学校に通うことになっても気軽に転居できる。
「家賃よりも負担が軽くなる」ローンは、たいてい35年返済。返し終わったときには、築35年のマンションが残っているだけ。築35年の物件がどういうものか、ぜひ現物を見ていただきたい。もちろん、建築技術がそれなりに進歩したが、基本はさほど変わっていない。
そもそも、35年返済は、かなり非現実的なシステムだ。35年間も安定的に収入を得られる人は、勤労者の何%いるのだろう。公務員と一部の大企業社員に限られるのではないか。
マンションには「利回り」という指標がある。購入価格に対して、賃貸運用した場合の年間収入割合を示すもの。新築分譲マンションは3%から4%くらいがひとつの基準。だいたいその時の市場金利よりもある程度高くなっていれば健全な状態で、そうでないと、不動産に投資する意味がなくなる。
この数字を基準に考えれば、35年の低利ローンを組んだ場合の月々返済額が、家賃より安くなるのは当たり前なのだ。むしろ、かなり安くないと、そのマンション自体が割高ということになる。
多くの人が「家賃より安くなるのなら」と、気軽な気分で35年ローンを組んでマンションを買う。実は35年のリスクと引き換えに、わずかな支出を節約しているだけかもしれない。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。