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パソコン事業からの撤退を決めたソニーの平井一夫社長
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140306/ecn1403061805002-n1.htm
2014.03.07
日本人の特性は「世界初」あるいは、だれもが手がけなかった仕事に情熱を燃やすDNAにある。
最近の超弩級(ちょうどきゅう)の「世界初」業績はiPS細胞の山中伸弥教授であることは論をまたないが、かの「新万能細胞STAP細胞発見」の小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーも世界を驚嘆させた。論文が疑念の的になっており、真価は関係機関の調査結果を待つしかないが、彼女の「世界初」への奮闘ぶりが広く関係者から称賛されていることは心強い。
最もホットな世界初は何と言っても、ソチ冬期五輪出場の羽生結弦、浅田真央の両フィギュアスケーターである。羽生選手は4回転ジャンプに徹して臆することなく、金メダルを手にした。その後の彼のコメントがすばらしい。今後は世界に先駆けて「4回転半」に挑戦するというのだ。浅田選手は失敗時の転倒や減点のリスクのほうが、成功する確率よりも高いが、彼女しかできない「トリプルアクセル」に執念を見せた。
「世界初」という文脈で考えると、日本の産業界の動向が気がかりだ。
代表例がパソコン事業からの撤退とカラーテレビ事業の分社化を発表したソニーである。ソニーは年配者にとっては「世界初」を得意とする日本企業の代表だったし、筆者も海外取材のときには高性能のソニー製テープレコーダーを誇らしげに携行したものである。
1950年代前半、トランジスタ・ラジオの世界初の実用化挑戦に始まり、あとはトリニトロン・カラーテレビ、ウォークマン、パソコン「バイオ」などと世界に唯一無二の技術を誇った。
目先の収益よりも、世界初、あるいは唯一無二の技術を仕上げるという意識が日本のモノ作りを支えてきたし、ソニーに限らずパナソニック、日立製作所、東芝など他の大手電機メーカーにはそんな誇りが社内に満ちあふれていた。
これら大手に共通するのは米国型グローバリズムへの対応にきゅうきゅうとしている現状だ。製造拠点が多国籍化し、株主も国際化し、ウォール街の投資ファンドに企業価値を測られる。株主利益を最優先する米国流経営を受け入れてきた背景である。
ソニーはその典型例で、収益性が悪くなればさっさと切り捨て、ライバル他社に売却する。攻めるやり方といえば、米系証券大手に莫大(ばくだい)な手数料を払ってM&A(企業の合併・買収)という具合である。自前の人材を鍛え上げて独自の技術を生み出す日本固有のビジネス・モデルを自ら壊してきた。
日本型モデルはしかし、全国各地で脈々と受け継がれている。超精密の機械や電子機器部品では、宇宙・航空用やスマホ部品など、日本でしかできない技術には事欠かない。多くはグローバル株主の意向に左右されない非上場の中小企業が担っている。
26日にはさいたま市でフィギュア・スケート世界選手権が開かれる。羽生、浅田選手ら日本の若者の「世界初」の情熱を、企業関係者は真剣に受け止めてほしい。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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