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マルク・カルプレス社長(中央)の説明は真実なのか。利用者の怒りは収まらない=2月28日、東京・霞が関
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140304/ecn1403041745009-n1.htm
2014.03.05
通貨の基礎は信用である。その根幹が崩れた通貨は無価値になる。それは国家の中央銀行が発行する通貨、リアルマネーであっても埒外ではない。国家という信用の裏付けのない無国籍・仮想通貨なら、言うまでもない。
インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引所を運営する「Mt・Gox(マウントゴックス)」(東京都渋谷区)が2月28日に民事再生法の適用を申請し、事実上、倒産した。取引の全面停止に陥ってから、わずか2日後の破綻劇だった。
28日に会見したフランス人のマルク・カルプレス社長は「バグ(=不具合)の悪用により(ビットコインが)盗まれた可能性が高い。ビットコインがなくなってしまい、本当に申し訳ない」などと謝罪した。が、自らも被害者という姿勢は噴飯ものというほかない。
消失したのは顧客分75万ビットコインと自社保有分10万ビットコイン。金額にして「114億円程度」と説明するが、他の取引所の取引価格で計算し直すと480億円前後に及ぶ。顧客からの預かり金も最大28億円程度、消失したというずさんぶりで、かつての疑似通貨「円天」や、ねずみ講まがいの詐欺事件へと発展する可能性も指摘されている。
ビットコインは2009年に誕生し、「中本哲史(なかもと・さとし)」と呼ばれる日本の数学者が発明者とされるが、真相は不明のまま。「同氏の論文を面白がったハッカーが設計した」(IT業界関係者)とも言われる。
64ケタからなる複雑なIDを駆使し、特定の国の信用はないものの、その偽造の難しさが信用の裏付けで、国境を意識せずに自由に売買ができ、ネット通販の決済や送金に使えるのが特徴だ。
送金手数料がなく、ドルや円との交換ができ、売買手数料もリアルマネーに比べ格安に設定されていることから市場規模は急拡大した。
だが、価格が乱高下するなど「投機が蔓延する鉄火場と化しつつある」(市場関係者)との声のほか、今年に入って「バブル崩壊からビットコインに投資する個人が痛い目に遭うのではないか」(同)ともささやかれていた。
ビットコインは中央銀行の決済システムから自由である分、IDが破られるなど信用の根幹が崩れた場合、責任主体がないだけに混乱を収拾する術がない。監視がないことから「麻薬資金などのマネーロンダリングに使われる可能性もある」(同)という。
拡大した背景には、リーマン・ショック以降の既存通貨の揺らぎがある。キプロスの預金封鎖を機に取引量が急速に膨らんだのもそのためだ。
ウォール街のファンドマネジャーの間では、マネーゲーム感覚で売買して小金を稼いでいる者も少なくなかった。ビットコインを原資産とする派生商品(デリバティブ)市場も組成され、ETF(上場投資信託)や投資ファンドを組成する動きもみられた。
「そもそも開発者と言われる中本氏はビットコインで特許を取れば莫大な利益を得るのに、表に登場しないのはおかしい」とは前出のIT業界関係者。
ハッカーから「金庫破り」されたシステムにはもはや信用はなく、通貨としての価値は失われたと言っていい。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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