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金投資と金相場ニュースBlog 〜黄金の蹉跌〜
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クリミア無血開城
クリミアの重要拠点を掌握したロシアのプーチン大統領は、先ほど記者会見で、「現段階で。ロシア軍を投入する可能性は消えた」と勝利宣言をしたようです。
プーチン大統領、軍事介入せず クリミア併合も否定
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140304/erp14030421270014-n1.htm
プーチンは血を流さずクリミアを掌握しました。
軍事介入するたびに、自国の貧しい若者、他国の民間人を含めて何万もの犠牲を出すアメリカとは違いスマートな解決でした。
シリアのときもプーチンはカメリカの軍事介入を阻止しました。もしアメリカが介入していたら多数の血が流れていたと思います。
また、アメリカの経済制裁の威嚇に対してもカウンターを浴びせています。
ロシア大統領補佐官は、米国が制裁を科せば、外貨準備からドルを外し、米銀に対する融資返済を拒否すると述べています。また、投資家は米国債をすべて売ったほうがいいとかタレブのような過激なこともいっています。これはプーチンを代弁しているとみていいでしょう。
米国が制裁なら米銀融資の返済拒否─ロシア大統領補佐官=報道
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYEA2307Z20140304?rpc=188
ロシアは経常黒字国です。その外貨準備は中国、日本に続くものがあります。また、中国や日本、アラブに次いでスイスと並ぶ米国債保有国でアメリカの債権者でもあります。
補佐官は「東や南には貿易・経済面で非常に良好な関係を維持している国がある。われわれは、米国への金融依存をゼロに減らし、制裁から大きな利益を得る道を探す」と述べていますが、東の盟友とは、当然、中国、南の盟友はインド、イランをいっていると思われます。
プーチンが構想するユーラシア連合では、ドルに変わる基軸通貨が導入されることになると思います。
アメリカはドルの基軸通貨特権がなくなればおしまいです。
アメリカは日本と同じで人口動態的に成長がピークアウトしています。今のダウやナスダックを構成するハイテク企業、IT企業、バイオ企業などは売上が伸びておらずもうほとんど伸びしろがありません。実業と乖離した情報の独占、レントシーキングによる富の収奪虚業企業ばかりです。IT化、グローバル化の趨勢的な流れのなかで情報の独占、知的財産の法的保護は無力です。10年後、多くの企業が淘汰されていると予想します。
また、減退が早くコスト的に問題があるシェール関連企業はほとんど5年ももたないでしょう。たとえシェールの採掘コストが技術革新で可能になったとしても、そもそもLNGは逆立ちしてもガスパイプライン輸送にコストで勝てませんから、アメリカがガス輸出国として復活することはないでしょう。立地の関係で、ロシアの脅威にはなりえません。原油はシェールオイルがたとえ大成功しても半分は輸入せざえるをえないでしょう。
アメリカは自動車社会です。国土が広いこと、そして公共交通機関が発達してないため、1人あたりの石油消費量は、アメリカが9.6リットル/日に対し、日本では5.6リットル/日、韓国では7.3リットル/日、中国では1.2リットル/日です。そしてほとんど金持ちがのるものを除けばほとんど電気自動車が普及していません。
原油価格が上昇すればその他の消費が減ります。
そのため、原油価格が上昇すればアメリカの成長率は落ちます。原油価格とGDP)成長率の間には、「非線形」の関係が認められる事が様々な研究によって知られているそうです。
「石油離れ」が進むアメリカ経済
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130321/245373/
イギリスのシンクタンクによると、石油に大きく依存しているアメリカ、イギリス、日本といった国では、1バレル90ドルを超える原油価格では、景気後退が常態化する可能性が高いそうです。
世界経済のマイナス成長とその影響
http://agora-web.jp/archives/1506922.html
一方、ロシアの原油価格の財政均衡点は105ドルといわれています。
今回のウクライナ危機で原油価格は高騰していますのでこの点でもプーチンの勝利でしょう。
アメリカが経済制裁をちらつかせて混乱を長引かせば、原油高になって自滅です。
また自国の低成長をごまかしている株価のバブルもはじけてしまいます。
中国などは中間層がこれから成長するので個人消費が伸びますが、アメリカは逆に中間層が没落して個人消費は構造的に低下します。中国はあと10年は政府投資で景気を支える余力がありますが、アメリカはもうその財政余力がありません。
アメリカを支えているのは基軸通貨の発行特権だけです。労せず他国の労働や資源をすきなように買いあさって消費する特権です。
プーチンの最終目標はそれを打ち砕いて、アメリカが独占する利益を新興国やフロンティア国に再配分することだと推測します。
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