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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140303-00010000-teikokubiz-nb&ref=rank
帝国データバンク 2014/3/3 10:45
「東日本大震災関連倒産」は、「阪神大震災関連倒産」の約3.8倍
東日本大震災に伴い発生した福島第一原子力発電所事故から3年が経つ。福島県の帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域を合わせると、約8万人(経済産業省)がいまだ震災前の生活に戻れていない。当然、企業活動にも大きな影響を与えている。震災で物理的被害がなく、放射能汚染懸念から警戒区域内でなくとも、原発方面に所在していた飲食店や旅館・ホテルからは客足が遠のき、売上が大幅に減少した企業は少なくない。
帝国データバンクでは、東日本大震災により直接的な被害(物理的損傷等)、または間接的な被害を受けたことが取材で判明した企業倒産を「東日本大震災関連倒産」と定義。また、「東日本大震災関連倒産」のうち、福島第一原子力発電所事故の影響を受けた企業倒産を「原発関連倒産」(※)とし、震災直後から集計。今回調査の対象期間は2011年3月から2014年2月の3年間となる。
(※)警戒区域内企業の倒産から、放射能汚染の風評被害、原子力行政の変化により売上が大幅に減少した企業まで。
2011年3月から2014年2月までの「東日本大震災関連倒産」は1485件、負債総額は1兆4627億4100万円となった。阪神大震災の影響を受けて倒産した「阪神大震災関連倒産」は、震災発生から3年間で394件。同じ3年間で比較すると、「東日本大震災関連倒産」は「阪神大震災関連倒産」の約3.8倍発生している。また、発生から3年間での「東日本大震災関連倒産」の負債総額は、負債100億円以上の大型倒産が相次いだことから、同期間における「阪神大震災関連倒産」の約13.0倍となっている。
東日本大震災の被害の大きさは、発生3年間の関連倒産が阪神大震災発生時の3.8倍という数字により裏付けられた。しかも、阪神大震災時、発生3年目は前年比で59.2%減少したものの、東日本大震災後3年目は29.2%の減少に留まっている。これは、震災後に営業を再開し立て直しを図っていたにも関わらず再建を断念したケースが多かったためと考えられる。
「原発関連倒産」のうち、最多は風評被害等で122件
2011年3月から2014年2月までの「原発関連倒産」は142件判明し、「東日本大震災関連倒産」全体の9.6%となった。震災発生後1年間では47件(構成比7.2%)であったが、2012年3月から2013年2月の1年間では、「東日本大震災関連倒産」全体が前年比減少となっているにもかかわらず、「原発関連倒産」は増加し、57件(同11.7%)判明している。
風評被害の立証は極めて困難だ。原子力損害賠償紛争解決センターにより和解仲介手続きを利用するケースもあるが、「請求額の10分1程度の和解金を得ただけで最終的に倒産した例」があるなど現実は厳しい。原発近県の旅館・ホテルを見れば、実際の放射線量に関わらず敬遠されたことで、売上を大幅に減少させ倒産に至った旅館・ホテル経営業者が多いことがわかる。
もっとも、風評被害など消費マインドの低下を倒産理由としてあげている企業の内訳をみれば、そもそも財務的に脆弱であったり、ほかにも倒産要因が存在する企業が多い。それゆえに、原発事故が起こってから3年が経過する今でも、「原発関連倒産」が発生しているのである。また、原発の再稼働問題に絡み、電力会社向けの案件が中止・延期となったことなどを理由とする倒産も12件判明した。再稼働問題はいまだ解決する気配がなく、原発関連事業で利益を得ていた企業にとっては厳しい状況が続くであろう。そうした状況を加味すれば、「原発関連倒産」は今後も散発するとみられる。
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