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ウクライナ危機の背景にある同国の経済問題
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20140303-00033179/
2014年3月3日 15時40分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
ロシア軍がウクライナへの軍事介入も辞さない姿勢をみせていることに対して、西側諸国が厳しく批判しています。
G7諸国は、次のように言います。
「(ロシアの軍事介入は)主権と領土保全の明確な侵害だ」
我が国の安倍総理は、次のように言います。
「平和的解決を期待する。ウクライナの主権と領土の一体性を強く求めている」
そして、菅官房長官は次のように。
「法の支配とウクライナの領土の一体性を尊重し、最大限の自制を発揮して責任ある行動をとるべきだ」
如何でしょうか?
私も平和的に解決することが何よりも優先されるべきだと思います。その一点に尽きると言ってもいい。
だとしたら、ロシアが軍事介入をするのは非難されて当たり前なのか?
確かに、軍事介入をすれば非難されても仕方がないでしょう。但し、それではロシアが悪で、欧米が善かと言えば‥そう単純ではなさそうです。
というのも、ヤヌコビッチ氏がどれだけ私腹を肥やしていたかは別として、前政権が実力で交替させられたのは、バックに欧米の支援があったからなのです。つまり、元々ウクライナを巡るロシアと欧米の対立が存在していたので、何時このような事態が起きてもおかしくなかったのです。
だから、一方的にロシアを批判して、それで終わりというのは納得が行かないのです。ただ、日本は、米国にいつも同調するG7の一員だから、欧米の意見と違うことを言う訳にはいかない、と。
ところで、ウクライナにはロシア寄りの人々と欧州寄りの人々がいる訳ですが、いずれにしてもウクライナの人々の生活水準が一定のレベルに達していたなら、こんな事態になる可能性は少なかったと言えるでしょう。
何故ウクライナの人々は、騒ぎを起こすのか?
腐敗や不正があったから?
それもあるでしょうが、そもそも彼らが貧乏だからなのです。貧乏だから、何とか活路を見出したい、だからこれまでの仕組みを一気に変えてしまいたい、と考える。そうすれば豊かな暮らしへの道が拓けてくるかもしれないし、そうしなければ絶対に貧困から抜け出すことができない、と。
ウクライナの1人当たりのGDPは概ね3800ドル程度。極端に少ないという訳ではないかもしれませんが、中国よりは少なく、タイよりも少ない。フィリピンよりは多いが、世界全体では100位に入らないレベルなのです。もちろん、ロシアと比べれば遥かに少なく、豊かなEU諸国と比べたら何と貧しいことか、と。
では、どうやって活路を見出すべきなのか?
そこで、ロシアとの関係を重視すべきという立場と、EUとの関係を重視すべきという立場が出てきたのです。もちろん、それ以外の方法もないではないのでしょうが、ロシア及びEUがそれぞれの利権を拡張するためにウクライナにアプローチするので、それら2つの選択肢に絞られてしまうのです。
では、ウクライナは、どのような方向を目指すべきなのか?
それはまさにウクライナの国民が決める事柄です。他国がとやかく言うべきことではない。但し、他国がウクライナに対して様々な支援を餌に関係の強化を求めるのも自由。
結局、どちらに付くのが得になるかでウクライナの人々の意見が割れているのです。もちろん、意見が割れたと言っても暴力沙汰にまで発展しなければなんということもないのですが‥様々な利権が絡むものだからバックにいる国々が対立を煽るような行動に出ることもしかねない、と。
まあ、そのような構図が分かっていれば、そう単純にロシアだけを非難すればいいということにならないでしょう。
いずれにしても、ロシアによるウクライナへの資金援助に対抗して、今度はG7が「ウクライナに対して強力な金融支援を提供することに結束してコミットしている」なんて言いだしているのです。
私は、待ってください、と言いたい。それは余りにも露骨過ぎる。それだと、欧米の本音が丸見えではないですか。もし、暫定政権が欧州寄りの姿勢を示さなければ、これほどの特別扱いをする筈がないと思うのです。
仮にIMFが支援をするにしても、政情が安定して、冷静に話し合いをできるようになるまで待つべきなのです。
もちろん、欧州や米国が独自に支援するというのなら、それに対して敢て反対する必要もないのですが‥
欧米がロシアを批判するのは、ロシアの行為がウクライナの主権と領土を侵害するからではなく、欧米の利益を侵害するからというように思えて仕方がないのです。
以上
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