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経済のリスクの考え方
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52564539.html
2014年03月03日 在野のアナリスト
ウクライナ情勢による経済的な影響について、福岡県ぐらいの経済規模なので、大した影響がない、という人もいますが、そんなことはありません。国家債務が14兆円とされますが、これだけの規模だとデフォルトした瞬間、金融機関のいくつかは資産から負債にカウントされ、目減りした分の資本を補うため、リスク資産を償却し、優良資産へと切り替えるなどの対応が必要となります。その際、機械的に売られるリスク資産により、まったく関係ないところで急落といった局面を迎えます。その市場が急変に堪えられないと、連鎖破綻という事態になるのでしょう。
今はG7の声明で、デフォルト懸念は回避されていますが、いずれ何らかの形でウクライナはその債務を清算しなければなりません。ギリシャのように、再建計画と借金棒引きで済ますのか、この軍事問題が解決した後も、ウクライナには問題山積であることに違いありません。
中国経済の方が懸念、というのはその通りです。ここで一つ気になるのが、中国の企業向けに売られていた金融商品があり、それが人民元の上昇に伴い利益をえる、といったタイプのものでした。しかし最近の人民元急落で追証が発生している可能性があり、新たな企業債務として意識されだしました。つまりこの商品は、人民元高のヘッジの側面があったものの、ヘッジにヘッジをかけてはいないため、カバーし切れない。未だに中国人民銀行による、人民元の弾力化というだけなのか、よく分からない人民元安ですが、意外なところに影響がでそうです。
日本ではウクライナ情勢で円高、株安となっています。今のところ、不透明感が強いためポジションを落とす、といった流れを先物が助長しているだけですが、今は欧州系が粛々と処分売り、米系が強気、という構図もあるようです。しかし米系のハゲタカファンドとよばれたところが、粛々と資産を処分するなど、日本から逃げ出すかのような動きを続けるなど、米系といえど、安倍政権の賞味期限は意外と早く切れる、ということを意識し始めた傾向もみられます。
安倍首相は、円安で海外に生産拠点を移すなんておかしい、と述べますが、その単純さが最大のリスクです。内閣府の調査で、将来的にも企業は生産拠点を移す方向にある、とされますが、その原因は日本で生産する必要がないからです。TPPとなれば、益々人件費と輸送費のコストが意識されますから、最大消費地の近くで生産する、という流れになるのが自然です。為替の変動の大きさは、それだけでリスクになりうるものであり、円安方向だから…との理屈にはなりません。
ウクライナのリスクも同様ですが、真のカントリーリスクとは、政治の無能に人々が気づくときにおきます。そういう意味で、ウクライナ問題に言及した途端、ロシアに侵攻されたオバマ米大統領もリスクを意識されたことになりますが、それ以上に、経済政策の基本的な考え方に問題があり、またロシアの非難もできない日本の腰砕けぶりに、日本リスクという問題も、外国人投資家は意識することになったでしょう。米紙の安倍政権批判は止むことがありませんが、安倍ノミクスから安倍ノリスクへ、日本の転換は静かにおきつつあるのが、最大のリスクということになるのでしょうね。
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