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3分でわかる「軽減税率」4:消費税には既に「非課税」という社会政策的制度が存在、それなのになぜ「軽減税率」?
http://www.asyura2.com/14/hasan86/msg/137.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 3 月 03 日 02:03:01: Mo7ApAlflbQ6s
 


「非課税」は、住宅賃貸・社会保険医療・福祉関連・学校教育・金融・土地などの取引に適用されている制度である。
「非課税」の対象として列挙した内容を見れば、低所得者対策(社会政策)という触れ込みの「軽減税率」をわざわざ導入しなくても、既に同じ目的の制度が存在しているじゃないかという疑問が湧くはずだ。

“国家詐欺”という話は別にしても、税率(係数)が複数になるため事業者の事務処理が煩雑になる「軽減税率」は、「非課税」があるのだからわざわざ導入する必要はないと言える。
しかし、それでも、公明党や新聞各社は、なにがなんでも「軽減税率」を導入すべきだと息巻いている。
そのワケを知るためには、「非課税」の仕組みを知る必要があるだろう。

私は付加価値税である消費税の本義から「非課税」を“非課税”だと考えているが、消費税制度の公式的な説明に従えば、“非課税”とは言えない。
なぜなら、消費税は、“売上で預かる消費税”と“仕入で負担する消費税”がありその差し引きによって税額が決まると説明されているからである。
「非課税」は、“売上で預かる消費税”は発生しないが、“仕入で負担する消費税”は発生する。それなら、「非課税」は“非課税”とは言えないことになる。
それでも「非課税」が“非課税”と言うのなら、消費税制度の説明を根幹から改めなければならない。なぜなら、最終消費者が消費税を負担するという説明さえ通用しなくなるからである。

この「非課税」が“非課税”ではないような見え方が、昨年6月に起きた「ほけんの窓口」創業者関連の脱税事件の“動機”でもあると思っている。
数億円のマンション建物を購入しても、購入に際して支払ったはずの千万円レベル消費税が控除できない(戻ってこない)現実をなんとかしたいと思ったのである。
「ほけんの窓口」創業者は、住宅貸し付けが「軽減税率」の適用を受ける取引であれば、“国策脱税捜査”(脱税とは言い難い見せしめの事件)を起こしていないはずである。

そして、これこそが、公明党や新聞各社が「軽減税率」の導入を強く求めるワケでもある。


[補足]
金融や土地の取引は、それ自体が付加価値を生産しないことが「非課税」になっている理由である。(利子は他の人が生産した付加価値の受領であり、土地そのものは天賦)
財務省は、金融取引は「消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないもの」と説明しているが、変更されたSNA:国民経済計算との整合性がとれなくなっている。

※ 参照投稿

「今年度のGDPが自動的に8兆円(1.6%)アップ:日本も金融国家の仲間入り?金融取引の「利ざや」を付加価値に算入」
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/390.html


 

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コメント
 
01. 2014年3月03日 03:35:32 : mHY843J0vA
http://www.nli-research.co.jp/report/nlri_report/2013/report140228.html
消費増税の低所得者対策〜軽減税率と給付付き税額控除〜
2014/02/28


斉藤 誠

○ 社会保障・税一体改革の低所得者対策として検討されてきた軽減税率と給付付き税額控除を、3つの側面((1)低所得者対策としての有効性、(2)制度設計上の問題、(3)納税事務負担の問題)で比較し、制度的には給付付き税額控除が望ましいといわれる理由を整理した。

○ しかし、政治的には、増税に対する「国民の理解」を得るために軽減税率が選ばれた。

○ 世界では軽減税率の問題点が数々指摘されているにも関わらず、欧州では古くから軽減税率を導入し続けている国が多い。これには一度導入すると止めることが難しいことが関係している。こうした欧州の反省を踏まえ、軽減税率を敬遠する国も増えてきている。

○ 軽減税率導入に向け、これから品目選定の議論が始まる。品目ごとに軽減税率を適用した場合に要する財源規模を推計した。食料の軽減税率を8%にすると1.2兆円、5%にすると3.1兆円に跳ね上がる。また、食料でも外食と酒類を贅沢品として除けば約9000億円まで抑えることができる。また、この代替財源を消費税だけで確保すると、標準税率を10.6%に上げる必要がある。

○ 逆進性の緩和に効果がある品目を確認した。単純に低所得者と中高所得者の負担率格差を縮小するのであれば、食料、教養娯楽、光熱・水道の順に良いことが分かった。また、財源1単位当たりの効果が大きい品目は光熱・水道、保健医療、食料の順であった。

○ 給付付き税額控除が望ましいとはいえ、軽減税率は動き始めている。品目の選定には財源の制約、分かりやすさ、中立性(特定品目優遇の議論)、逆進性の緩和という観点を考慮に入れ、より良い制度を確立してもらいたい。

○ 巨額の財政赤字を抱える日本にとっては、少ない財源で効果的な低所得者対策ができる給付付き税額控除が必要だ。諸外国ではカナダのように軽減税率と給付付き税額控除を両立している国もある。将来的に2つの制度を共存させることを考慮に入れ、低所得者対策の議論を進めてもらいたい。

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