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ビットコイン「ゴックス社」破綻の謎 取引が停止・コインどこに・被害者は誰か
http://www.asahi.com/articles/DA3S11007195.html?iref=comtop_pickup_01
2014年3月2日05時00分 朝日新聞
取引所破綻をめぐる三つのなぞ
仮想通貨ビットコインを扱う私設取引所「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」の運営会社が経営破綻(はたん)したのは、取引システムの欠陥が原因の一つとみられる。だが、安全性が高いはずのコインや銀行に預けていた現金が「盗まれた」との説明には、多くのなぞが残る。▼経済面=海外からも批判
■取引が停止 システムに欠陥、攻撃許す
マウント・ゴックスは2月28日に民事再生法の適用を申請して破綻した。同日の会見で「不正アクセスでコインが盗まれた可能性が高い」と明かしたが、詳しい説明はない。
きっかけはハッカーによるサイバー攻撃だった。同社の顧客にはITの専門家が多く、彼らの証言やネットに出回る「内部文書」などから、ハッカーにシステムの欠陥を突かれてコインが盗難の危機にさらされていたことが分かってきた。
問題が表面化したのは2月7日、顧客にコインを渡す取引を止めたことだった。
その少し前から、客を装ったハッカーの攻撃が激しくなっていた。コインの引き出しを何度も依頼するやり方で、相次ぐ依頼に応じきれず処理能力が落ちた可能性がある。7日に引き出しを止め、顧客の不安は高まった。コインを売って現金に換える注文が殺到し、混乱に拍車をかけたとみられる。
この時期、海外のほかの取引所も攻撃を受けていた。ハッカーに詳しいソフト開発者(35)は「どの取引所も高度な防衛プログラムを日夜改良し、被害を食い止めている」と話し、マウント・ゴックスの対応の甘さが問題だと指摘する。
■コインどこに 盗難防止策、破られたか
ハッカーがコインを盗む手口は「主に二つの方法がある」と専門家らは言う。
一つは、コインの引き出し依頼を受けて顧客に渡しても、渡した記録が取引所に残らないように細工する方法だ。表面上は顧客の口座からコインが減らないので、何度も引き出すことができてしまう。
取引所は通常、盗難防止策として、ネットから切り離した「金庫」に保管している。その金庫が破られ、ネットを通じて盗まれた可能性もある。これがもう一つの手口だ。「内部文書」は、いつの間にか金庫がネットにつなげられていたことを明かしている。
ただ、いずれの手口も業界では「対応済み」とされ、「なぜ手を打てなかったのか」(米国のIT技術者)と疑問の声が上がる。
さらに不思議なのは、盗まれたコインが見つからないことだ。コインは取引履歴がすべての人にネット上で公開されている。コインを買った人のアドレス(ネット上の住所)がすべて記録されるため、自分のアドレスを検索すれば、それを今どのアドレスの人が持っているのか分かる。
マウント・ゴックスが保管していたコインも、同社が自分のアドレスで検索すれば、「盗んだ」人のアドレスは分かるはずだと専門家らは口をそろえる。こうした「偽造対策」が今回通用しなかったとすれば、取引履歴をたどれないように電子データが書き換えられた可能性がある。専門家たちは「そんなことはできないはずだ」と言っている。
■被害者は誰か 内部犯の声も
マウント・ゴックスは、コイン約85万枚(時価約465億円)だけでなく、同社が銀行口座に預けていた現金も「最大28億円盗まれた可能性が高い」と説明している。
現金は、顧客がコインを買うときのために同社に預けていたものだった。同社はこれを、国内外の複数の銀行口座に入れていたという。ハッカーに暗証番号を盗み取られ、マウント・ゴックスになりすまして現金が引き出された可能性はある。
安全性が高い銀行口座からハッカーが直接現金を盗み出すのは「技術的には考えづらい」と、顧客の一人でIT関連会社の峰松浩樹社長は指摘する。「『紛失』したコインの穴を埋めるために、顧客の現金で別のコインを買ったのではないか」と疑う。
海外では昨年、欧米のコイン保有者が共同の「金庫」をつくって保管していたのに、知らぬ間になくなった事件も起きた。金庫の管理人が盗んだ疑いがかけられている。こうした例もあって、「内部犯行の可能性」との声もくすぶる。
(機動特派員・西崎香、篠健一郎)
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