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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140228/dms1402281805009-n1.htm
2014.03.01
豪州シドニーで22日から主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、そこで、世界経済の成長率を5年間で2%底上げするという「数値目標」が作られた。
共同声明では「われわれは今後5年間で、われわれ全体のGDPを現行の政策により達成される水準よりも2%以上引き上げることを目指し、野心的だが現実的な政策を策定する」と書かれている。
昨年10月に発表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによれば、2013年の世界の経済成長率は2・9%。今回のG20の提案は18年までに成長率を5%程度まで伸ばすというものだ。
ちょっと無理な目標のように思えるかもしれないが、意外と達成できる範囲の数字だ。IMFの見通しでも、18年の世界経済の成長率は4・1%となっている。4・5%以上を及第点とみなせば、必ずしも高いハードルでない。00年から13年までの世界経済の成長率を見ると、リーマン・ショックがあったにもかかわらず、4・5%を超えているのは6回もある。打率でいえば4割3分だ。この程度の数字なら、中期的な努力目標として掲げるのは悪いことではない。
もっとも、国別の目標があるわけではなく、その達成手段も明らかでない。いってみれば、世界各国に「気合」を入れたのだろう。
その一方で、金融政策を「しかるべきタイミングで正常化すべきである」とし、「緩和的な金融政策への依存度を低下させることは、中期的には金融(システム)の安定性にとって有益」と共同声明で書かれており、あたかも金融システムのために金融緩和政策をやめるべしとしている。
これは、マクロ経済の観点から見れば、問題なしとしない。5年という中期で成長率を上げようとしているときに、マクロ総需要政策の要である金融政策で引き締め策もやむなしとするようでは、まともな成長もおぼつかなくなるからだ。
この点に留意すれば、今回のG20提案は、日本にとってマイナスではない。5年程度の中期目標であれば、1、2年では効果が出ないアベノミクスの第3の矢である成長戦略も、規制緩和であれば効果が出始めるころだ。
IMFの経済見通しでは、13年の日本のインフレ率は0%。これはデータのある世界188カ国中下から6番目の数字だ。要するに、日本にとって金融政策を「正常化」すべき「しかるべきタイミング」は世界の中でもほとんど最後に遅れてやってくるのだ。この意味で、日本は金融緩和の余地が大きい。
十分な金融緩和がないと規制緩和による成長戦略も効果が出てこなくなると思ったほうがいい。どのような成長戦略であっても、設備投資がないと具現化できないが、その設備投資を握るのが金融緩和だからだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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