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通勤コストを家計導入「年収÷2000=時給」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140224-00011967-president-bus_all
プレジデント 2月24日(月)10時45分配信
■通勤にまつわる経済的ロス、精神的ロス
私は就職後12回転職をし、12回引っ越しをしています。
住居は自分の職場や家族構成の変遷とともに変えられると好都合です。特に郊外に自宅を構える場合は注意が必要です。通勤時間に伴う精神的、経済的ロスが馬鹿にならないからです。ぜひみなさんにも計算していただきたいのですが、自分の年収を1年の実働時間で割ると「時給」を計算することができます。年収1000万円の人ならば、1日8時間×250日(1年の稼働日数)=2000時間働くことで、およそ時給は5000円になります。
つまりその人の1時間は5000円の価値になるわけで、そこで仮に通勤時間が片道1時間かかると、1日に1万円のロス、1カ月で約20万円も損することになります。満員電車の疲れは労働の質も下げます。自分の時間には常にコストがかかることをまずは意識すべきでしょう。
持ち家か賃貸かで悩む人は多いですが、最終的には価格の問題になってきます。投資の利回りとして十分安く買えるなら購入すればいいし、価格が高いなら賃貸にしたほうがいい。無理に高額なローンを組んでも、将来それが資産として価値を保つかは疑問です。少子化で中古住宅は余るのですから、「持ち家なら将来自分のものになる」という不動産屋の言葉を鵜呑みにせず、家族構成や生活スタイル、職場の場所により冷静に考える必要があります。
年齢に応じて郊外の持ち家を売り、市街地の賃貸マンションに移ることも選択肢の一つです。利便性が向上すれば、自分の生活だけでなく、友人や親戚も訪ねてきやすくなります。子どものために広い家を購入しても、将来的には夫婦2人の生活になります。2人暮らしにそれほど広い空間が必要なわけでもなく、持ち家だとリフォームなどの出費もかかる。子どもが巣立つタイミングで上手に家を売り適切なサイズの賃貸に切り替えれば、無駄な出費はかなり省けるのではないでしょうか。
■年収1500万円の家計簿診断
・夫 53歳 銀行マン 1500万円
・妻 51歳 専業主婦 0万円
・長男 フリーター/長女 私立大学生
・貯蓄額 1000万円
※7000万円で新築マンションを購入
●節約すること、稼ぐこと
家計(図)を見ながら具体的にお金についての話を進めます。
まず、年収1500万円の割には貯金額が1000万円とは少なすぎます。
気になるのは、この会社員が将来どのような年金を受け取れるかです。年金が手厚い会社ならいいのですが、仮に厚生年金しかないと、貯金額をもっと増やしておきたい。この人の現在の年収は1500万円。この年収が退職時まで続くのかも懸念材料です。大手の銀行などは50歳、55歳、60歳という節目で肩たたきが始まります。トップに近いポストは限られており、そこからはじかれた人は退職を迫られずとも子会社や関連会社への出向が打診される。ピーク時に1500万から2000万円の年収があっても、一線を退けば6がけから半分くらいの年収になります。そうなったとき、その後も同じペースで貯蓄できるとは限りません。
つまりこの家庭は一見、豊かな家計に見えますが、このままの状態でいくと将来的には案外と余力のない状態に陥る危険性があるのです。しかしまだ53歳ですから打つ手はあります。今後10年先を見据えて家計を洗い直しましょう。方法は2つあります。一つは今以上に「節約すること」、そして「稼ぐこと」です。家計の不足分を運用の利回りで補おうという戦略はこの運用元本では非現実的です。余った資産は投資に回してもいいですが、あくまで不足分は手堅く家計のやりくりで補うべきです。
多くの家庭で削減の余地があるのは、不動産、保険、自動車です。不動産はすでに述べました。自動車もこの家庭での出費の大きな部分を占めていますが、そのほとんどは税金や保険、駐車場代です。本当に自動車が日々の生活に必要かどうか再考すべきでしょう。都心生活ならむしろタクシーのほうが便利で、かつ経済的な場合が多い。
●お金に煩わされない価値観を
同様に保険も見直す価値は大いにあります。この家庭は月々4万5000円も保険料を払っている。おそらく医療保険にも加入していると推察できますが、生命保険が本当に必要なのは、蓄えのない夫婦に子どもがいる場合の、最低限の死亡保障の保険だけです。その他は不要です。医療保険などは5000円の治療費を1万円で買うような「損な賭け」です。通常の健康保険に加入していれば不要です。
最後に、この家庭で目を引くのは、年収ゼロ円の51歳の主婦の存在です。そもそも母親が専業主婦として何かと世話を焼くから、2人の子どももなかなか独立しないのかもしれません。息子たちはさっさと家を追い出して自立させましょう。これが最大の問題点かもしれません。また、すでに働いているサラリーマンの年収を1年で100万円アップさせることは難しくても、年収ゼロの人ならそれも可能です。少々、妻子に厳しく接してこの妻に働いてもらえれば、万が一、大黒柱に何かあっても妻が生きていく手段も確保できるので、将来の保険的効果もあります。全体的にこの家庭に必要なのは、「生活のリサイズ」です。この生活レベルを退職後も維持することは難しく、今から無駄に肥大した出費癖をなおしておいたほうが賢明です。
世間では「老後難民」などという言葉で将来の不安をあおる風潮もありますが、自分の将来が不安な人には、大きな100円ショップをくまなく歩いてみることをお勧めします。下らないものもあれば、100円で採算が取れるのかと驚くような商品もあり、生産性が飛躍的に向上している様子が見て取れます。かつてに比べればエンゲル係数は落ちており、食べるためだけに働くという状況をもはや日本は脱しつつあります。現役時代の生活レベルを老後も維持しようとすればたくさんのお金が必要ですが、生活の不要部分を削りさえすれば、ことさら不安におびえず生活することができるはずです。
そのためには現代的ではないかもしれませんが、現金主義も一つの方法です。月の小遣いが8万円なら2週間おきに4万円ずつおろしていく。吸った息をどれだけ吐いていいのか体が自然にわかるように、いくら使えて、どの程度使うと足りなくなるかが感覚的にわかるようにしましょう。
老後は、お金について煩わされない生活が一番です。日々の生活に汲々としないように、今から生活のぜい肉を落としておくことが大切です。
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楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元
経済評論家・マイベンチマーク代表取締役。1958年、北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。著書に『お金の教室』など多数。
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楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元 構成=三浦愛美 撮影=大野真也
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