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G20声明の数値目標
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52563772.html
2014年02月24日 在野のアナリスト
ソチ五輪も終わり、やっとメディアの大騒ぎにも終止符がうたれます。今回は特に興ざめさせる報じ方が多かったように感じます。選手を各局に引っ張り回すぐらいなら、代表会見でも十分に感じますし、何よりインタビュアの質の低さは、選手がかわいそうになるぐらいでした。
しかしその間、ウクライナでは政変がおきています。ウクライナ経由でガスパイプが通っており、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が逃亡した現在、その行方が注視されます。ただ今回、ガスパイプを止めると、欧州経由の資金は一気に制裁として逃げ出すでしょうから、ロシアもこの点では攻めあぐねるでしょう。今、欧州の金融機関はほぼECBに手綱をにぎられている状況です。ロシアも一時期の資源国としての強さもなく、資金の引き上げは大きな打撃となります。かつてのKGBのように、仮に親EU政権ができたら、テロなどに手を貸すのか? しばらく目が離せないのでしょう。
G20がオーストリアで開催され、GDPを5年間で2%以上底上げし、2兆$以上増加させる、との声明がだされました。しかし具体案はなく、各国も11月の会合までに取りまとめ、という形に市場からは拍子抜け、との声も聞こえます。難しいように聞こえますが、実は不動産バブルがおきると、このぐらいはすぐ達成できます。問題は、非常に近視眼的な、5年間という期間におけるその程度の経済成長にすがる、という現状の厳しさを露呈した、ということにあります。
中国のシャドーバンキングも世界経済のリスクに数えられましたが、投資により持ち上げられた経済は、いずれ大きなマイナスを伴います。FRBのテーパリングも、今は日銀も追加緩和が期待されますが、それもいずれ終わりを迎えます。流れている資金が減少するそのとき、どうやって景気の落ちこみを防ぐか、は各国に持ち帰りです。グローバルに資金は流れているのに、先進国の各国の個別提案に委ねる。これではG20として集まる意義は、ほとんどありません。大量の資金を動かす、そのマネーの動きを緩やかにすれば、多少は急変動を防げますが、それは投資家の多い米国が嫌がる。今の世界における本当のリスクは、資金の流れが異常に速いことなのに、です。
今日の日経平均は乱高下しました。100円安ではじまり、200円上がって300円下がって、結局は昨日の終値近辺にもどしました。こんなに動いても現物株の売買代金はやっと2兆円。先物だけで値動きをだし、日計りの利ざやを稼ごうと動いています。これも資金の流れの速さを示すものですが、現物株に投資すると分散しなければならず、引き上げるときも手間がかかる。なので、日計りの取引を活発化させ、如何なる事態にもイベントドリブンで抜けようと考えているのです。
今、世界は何が起こるかわからない、そんな不透明な雲の中に突入しつつあります。米国のリーマンショックのときはFRBが、欧州金融危機ではECBがアンカーとなり、支えてきましたが、中国をはじめとする新興国では、そのアンカー役が見当たらない。経済規模に比べて、動く資金が明らかに大きすぎるため、です。IMFや世銀とて、この事態に対応できるかは不明です。だから長めの投資家は、今は様子見を決めこみますし、短期スジが跋扈する形が横行しているのです。
相変わらず、安倍政権周辺からは安倍ノミクスで経済成長、と威勢のいい言葉がきこえてきますが、昨年はほとんど成長していないのに、若干規模を縮小させた今年、それ以上に成長するはずがありません。あるとすれば、海外景気が何らかの理由で好調になったときだけ、ですが、そんな見通しもありません。そのときに打ち出されたG20の数値目標、資金移動は早いのに、政策担当者の歩みは遅々として、形ばかりに拘っている。そんな印象を強めるだけなのでしょうね。
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