http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/803.html
Tweet |
現在一部の企業で値上げがなされる理由。
今一部の有力企業が値上げをしている。日経新聞やその解説者などは、これから、政府や日銀のいうように、消費者物価の上昇が始まるだろう、あるいは、政府の予想するインフレに近づきつつあるなどの論評を載せている。
しかし今回の値上げは全く違う企業行動だと思う。企業は駆け込み需要をねらって価格を上げているのではない。
また消費が底堅いと踏んで価格を上げているのでもない。
企業は、消費税引き上げ後の状況を考えて値上げをしているのだ。
この20年間日本の企業が学んだことは、デフレ下では、消費が減退しているため価格を低く設定し、販売数量を増やして利益を上げようとしてもうまくいかないことである。
価格を引き下げても、販売数量が増えないため、結局思うような利益が上げられないことを企業は勉強したのである。
そのため販売数量が減少しても、経営がなんとか成り立つように、価格を引き上げているのだ。企業は、価格を引き上げ、消費税引き上げによる販売数量の減少に対し、少しでも長く頑張れるように、付加価値を確保しようとしているのである。
そのための値上げである。
その結果、
今回の消費税引き上げは、この1年間は、おそらく、物価があまり下がらず、販売数量が減少することによる、売上額の減少による経済縮小になるであろう。
名目GDPの成長率が、価格が下がらずに、売上減から減少するという意味である。
しかし問題は、企業の頑張りが、消費者の消費額を直撃し、消費が総崩れになることである。消費者は頑張れないのである。
企業の頑張りと頑張れない消費者が、がっぷり4つに組むと、消費者の一人負けの総崩れになる。
おそらく、4月の増税後、多くの評論家や、メディヤは、当面の価格が下がらないため、消費税増税の落ち込みが少ないような報道を続け、デフレが緩和しているかのような印象の報道を続けるだろう。
しかし実態は、消費税増税後、自分の所得で十分な生活資材を買えない消費者が増え続け、生活保護所帯が増える。
価格が一定ながらも、販売数量が減少し、付加価値を得られないで、名目GDPが低減するデフレ状態が続くのである。
デフレは、価格が低減することではない。資金が市場から流出し、それにより、消費額が減少することである。それが循環的に続くものである。
価格が維持されれば、販売数量の低下が大きくなり、
逆に価格が低減すれば、販売数量の落ち込みは少なくなる。しかしいずれにしても消費額は下がる。
その縮小循環が消費税増税のデフレスパイラルである。
頑張れる企業:なぜならどれだけの補助金、公共投資がなされ、さらに金融緩和、低金利、で企業に資しているであろうか。それでもなお多くの企業は縮小循環から逃れられないでいる。
頑張れない消費者、1990年初頭のバブル崩壊により大借金を被り、資金を失った消費者、土地の値下がりで担保力を失った消費者、預金金利の低下で箪笥預金並の金利しかもらえない消費者。
ここにきて、年金の低減、生活保護費の削減、子供手当の削減など消費者の負担が増すばかりである。
日本政府は、性懲りもなく、消費額の削減と生産量の増大というデフレを促進するスタンスを今なお取り続けているのだ。
デフレを価格の低下と捕らえている専門家では、消費の減退から資金が市場から流出するという真のデフレの現象が理解できないであろう。
一言主。http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。