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第4部 公的な制度と何が違うのか 経験者が断言!「介護保険は安いもので十分」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38374
2014年02月22日(土) 週刊現代 現代ビジネス
完全保存版 いらない生命保険、怖い医療保険、ムダな介護保険
「実は母が昨年、骨粗鬆症による圧迫骨折で入院し、先日退院したばかりなんです。いま、我が家には介護ベッドが入っていますよ」
そう話すのは、ファイナンシャルプランナーの池上秀司氏だ。
「いまはものすごく便利なベッドがいろいろあるんですよ。うちは公的な介護保険で選べるなかでは一番いいベッドを入れましたが、レンタル代の自己負担は、月1300円。マットが月200円です。転落防止の手すりなどもとても安い」
こうして公的な介護保険を利用することで、月々の支払いは約2000円に抑えられているという。
「部屋の中に置く椅子式のポータブルトイレも入れましたが、これはレンタルではなく買い取り。定価は2万円台ですが、一度はその金額を払っても、公的な介護保険で9割が戻ってきます。お風呂の段差を解消するオーダーメイドのスノコも作ろうとしているのですが、これも約7万円の費用の1割しか自己負担にはならない。これから我が家に必要になってくるのは、入浴介助など人的なサービスだと思いますが、それも原則、自己負担は1割です。
私は父も、脳梗塞の後遺症があるなか胃ろうを選び、自宅で看られる限界まで看て送りましたが、私自身の実感では、民間の介護保険がどうしても必要だ、とまでは思いませんでしたね」
もちろん、選択肢は多いほうがよい。だが民間の介護保険の場合、50代後半からの男性で、年間60万円程度の保障を受けようとすれば、月2万~3万円台と掛け金が高額になる商品も多い。「だったら貯金して備えたほうがいいのでは」とも思えてくる。
実際のところ、どのくらいのコストでどのような保障を考えていけばいいのか。「焦って結論を出す前に」と池上氏は提案する。
「保険うんぬんの前に、まずはどれくらいの費用で、どういう公的な介護サービスが受けられるかを知っておくと、不安はだいぶ解消されると思います」
実際、公的な介護保険をフル活用すれば、ハード面での負担は抑えられ、低価格で介護環境を整えることができる。痒いところに手の届く商品も存在し、たとえば賃貸住宅に住んでいる人のために、床や壁を傷つけずに増設できる手すりのユニットが、実質月々数百円からレンタルできる。
「実際にケアプランを構築するのはケアマネージャーで、人によって技量もちがう。いいケアマネに出会うには、普段からかかりつけ医に話を聞いたりして、人脈を作っておくことではないでしょうか」(池上氏)
大切なのは、必ずしも高額な保険に入ることではなく、むしろ老後に備えて情報を集め、頼れる人を見つけておくことかもしれない。
一方で来年から高所得者の介護保険の自己負担率が1割から2割に増えるなど、社会保障制度の改革も進むなか、将来を不安に思う人もいるだろう。もし民間の介護保険を選ぶなら、何に注意するべきか。ファイナンシャルプランナーの横川由理氏はこう話す。
「50代後半から60代の方は、バブル期に保険で得をした方が多いんです。養老保険に加入していたら、おカネが2倍に増えたとか。ですから、介護保険でも掛け捨てはもったいなくて、貯蓄型がいいと考える方が多いようです。でも、いまは低金利時代なのを忘れてはいけません」
平均寿命の延びで、定年後、20年、30年生きるのも当たり前になっている。
「貯蓄型というのは長期固定金利の商品です。だからインフレに対応できない。政府と日銀は物価を年率2%で上昇させると言っています。思惑通りにはなかなかいかないでしょうが、仮に毎年2%で30年上がると、現在100万円の商品・サービスは180万円出さないと手に入らなくなります。一方で貯蓄型の保険の運用利率は年0・7%程度ですから少しずつ利息がつくとは言ってもインフレに追いつけない可能性が高い。
75歳から介護保険に入るなら別ですが、50代~60代であれば掛け捨てタイプを選ぶとよいと思います」
■加入者が少ないと高くつく
公的な介護保険がフル活用できる満65歳までのつなぎと考えることもできる。
「注意してほしいのは、介護認定されてから、民間の介護保険に入ることはできない、ということです。介護が必要になってから慌てて親に入ってもらおうとしても難しいですから、そうなる前に検討しておくのがよいでしょう」(横川氏)
では具体的にどんな介護保険が検討の対象になってくるのか。前出の池上氏はこう話す。
「こういうものもある、と知っておいて損はないのが、小規模短期保険です。
たとえば、セント・プラスという保険会社の商品。ここは自らもお母さんの介護を経験した元アイドルの大沢逸美さんがパンフレットに登場していますが、大手の民間の保険会社というより共済に近い、低価格で介護の実情にあった保険を開発しています。
『しっかり上乗せ』という商品は、公的な介護保険の点数を上回って使いたい場合、年60万円、月5万円までを保障するもの。
ケアマネージャーの方は、急に何か必要になったら困るからと、介護保険を点数いっぱいには使わず、9割くらいで止めておくことが多い。容体が急に悪くなって、訪問介護を呼ばないといけないといった場合に備えてのことです。
しかし、この保険を使えば、点数を目一杯、使い果たした場合でもサポートがある。しかも、月々の掛け金は1000円台と安いのです」
利用する場面が限定されるとはいえ、年間の保障金額60万円は、掛け金が高額な商品にも引けを取らない。公的な介護保険にプラスアルファするつもりで、安心を確保することもできるだろう。
「他には、普通の医療保険だけど特約で介護保障をつけますという商品も出てきています。たとえば、三井住友海上あいおい生命の『&LIFE 新医療保険A』です。要介護2以上になると、一時金として60万円+介護年金60万円、その後も毎年60万円もらえるものがある。いろいろな不安に備えておきたいという人には選択肢になるでしょう」(池上氏)
ちなみに50代後半の男性がこの保険に入る場合、月々の掛け金で見ると、介護の特約分でプラスされるのは8000円程度だ。
介護保険は、高齢化が進む中、急速に商品開発が進む、新しいジャンルの保険と言っても過言ではない。
その保障の仕組みも、被保険者本人の要介護度に応じて保険金が支払われるような仕組みのものだけでなく、親が介護状態になった場合に、その介護費用をサポートするような一時金の支払いなどを特約に設定している保険商品も登場しており、ひとくちに「介護保険」と言っても、その世間的なイメージはまだ定まっていない。普及率もまだまだ低いため、加入者が少なく、そのため掛け金も高めになっているのが現状とも見ることができる。
親を説得し、自ら介護保険に入ってもらっておくにしても、親世帯にその余裕がない、という場合もあるだろう。その場合も、掛け金の支払いを親と子が折半できる商品もあるので、あきらめる必要はない。
いずれにしても、漠然とした不安にあおられて、高い掛け金の商品を契約してしまう前に、まずは公的な介護保険でどこまでできるのか、基礎知識を持つことが大切だろう。
下記は専門家の意見をもとに本誌が作成した、保険選びのコツをまとめた表だ。年を追うごとに保険料は高くなっていく。保険を通して人生の資金計画を見直すのは、早いほうがいい。
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「週刊現代」2014年2月15日号より
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