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300億をかけて企業の余剰人員削減を促進させる労働移動支援助成金とは
http://sr-partners.net/archives/51931595.html
2014年02月22日13:05 特定社労士しのづか 「労働問題の視点」
約300億円の予算をかけて労働者を転職させる企業や受け入れる企業に助成金を支給する「労働移動支援助成金」が平成26年3月からスタートする。
昨年11月14日の拙ブログで,皮肉たっぷりにご紹介したところである。
http://sr-partners.net/archives/51919636.html
労働移動支援助成金については、日本再興戦略(平成25年6月14日)において、「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換(失業なき労働移動の実現)」を進めるとされたことを受け、平成26年2月6日に成立した平成25年度補正予算によりその拡充が盛り込まれております。
拡充の具体的な内容は、本年3月1日より施行するべく、今後労働政策審議会における審議を経た上で必要な省令改正を行い正式に確定していく予定ですが、現時点での拡充案については以下のとおりとなっております。
拡充案
http://sr-partners.net/roudouidou.pdf
年間300億円の予算は平成25年度は2億円だというから150倍の増額予算となる。びっくり仰天だ。その代わりに雇用調整助成金が大幅に削減される。
数年前に拡充された雇用調整助成金は一大助成金ブームを巻き起こした。雇用を守る効果があったが,影の部分として,不正受給した企業,また不正に手を貸した社労士も多かった。要はチェックが甘いのである。
さて,このたびの労働移動支援助成金はどうだろうか。
確かに政府の言うプラスの効果はないことはないだろう。成長産業への労働移動を促進すれば,それなりの経済効果はある。しかし,負の部分が大きすぎるのではないだろうか。
これまで中小企業に限定してきたこの助成金。来月からは大企業にも適用される。民間人材紹介会社に委託した費用の3分の2(中小企業は5分の4)が国から助成される。最大一人あたり60万円だ。
また,転職者を受け入れた企業が職業訓練を行う際にも賃金助成などがある。訓練1時間あたり800円が企業に支払われる。
至れりつくせりのようだが,転職させる企業に助成金が残るわけではない。民間の職業紹介会社に支払った費用の3分の2が支払われるにすぎない。
だから,300億円のほとんどが,民間職業紹介会社に流れることになる。同業界が色めきだつはずである。パソナなんとかという企業が開業社労士にメールで顧問先を紹介するよう求める気持ちもわからないわけではない。社労士だけでなく税理士にも紹介の依頼を行っているかもしれない。
転職させる企業にとって,余剰人材の退職勧奨を国が支援してくれるわけであるから,リストラに拍車がかかるであろう。助成金は人材会社に全て持っていかれるにしても,企業にとって人件費の削減に大きく寄与することになる。
こんなことを国が大きな予算をかけてやるべきことだろうか。
もっと,あらゆる職務について職務基準モデルを作成したり,職種別の賃金標準を政労使で決めて同一労働同一賃金を少しでも実現することなどに予算をかけるべきだろう。そうすれば自然と労働移動は起きるのでは。
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