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年金の完全理解と大改革(4) どのぐらいなくなったのか?  武田邦彦 
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/782.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 2 月 22 日 14:57:00: igsppGRN/E9PQ
 

年金の完全理解と大改革(4) どのぐらいなくなったのか?
http://takedanet.com/2014/02/post_78ab.html
平成26年2月18日 武田邦彦(中部大学)


音声解説


私たちが収めた年金がどのぐらいなくなったのかという計算がいろいろされているが、国民が収めた公的年金の積立額総額は数字が発表されていないが、今、(形式的に)残っているといわれているのが、国民年金関係で10兆円、厚生年金で150兆円とされている。


しかし、これは「残っているはず」のもので、現実には政府の管理する特殊法人や地方自治体に貸し付けて、帰る見込みのないお金が 約90兆円ということが分かっている。数字は信頼できるところがないので、つじつまの合わないところがあるが、すでに60兆円しか残っていないので、税金で300兆円ぐらいを補てんすると言われている。一説に総額800兆円という話まである。


なぜ、年金に責任を持っている厚労省が「国民の立場から見た正しいレポート」を作らないというと、「作れないから」と言ったほうが正確だ。


年金の運用先(貸している会社など)は、たとえば、住宅金融公庫、年金福祉事業団、日本政策投資銀行、国際協力銀行、都市基盤整備公団、日本道路公団、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、社会福祉・医療事業団、電源開発公団、日本鉄道建設公団、日本育英会、緑資源公団、地域振興整備公団などで、これらの公団などには、もともと15兆円の政府出資金と、2.7兆円の補助金が出されている。


つまり、貸している先がほぼ「赤字事業体」で、それを税金や補助金で運営している(評価CC(最低))なので、正常な意味で「投資した資金が返ってくるか」という計算自身ができない。


つまり、次の2つの理由で「貸したお金が返ってこない」か「返ってきても意味がない」。
1)貸している公団などのほとんどが「赤字」なので、もともと返ってくる見込みのないお金であること、
2)仮に返ってきたとしても、それは政府が税金や赤字国債を使って返してくるのだから、国民にとっては「収めた年金」を回収するために「自分が納入する税金」が使われるので、同じだ。


年金の貸し先である「公的機関」は政府などのお金で運営されていて、1年に20兆円ぐらいの税金と補助金だ。1990年から25年間とすると、そこに税金や国債(国民から)のお金がすでに500兆円も投入され、それに年金側が100兆円ぐらい貸しているということになる。


だから、年金を貸して焦げ付くという印象を国民に与えてはいけないと政府が考えれば、どうせ税金と国債で運営されているところだから、税金か国債のお金で年金を返せばよい。そうすると、年金の見かけは良くなるけれど、その分、税金が使われる。


さらに、厚労省が「焦げ付いた金額」を発表できないのは、ほぼ戻らないお金だが、まだ「貸している状態」だから、それが「焦げ付く」と正式に認めることができない。その結果、厚労省のレポートは実質的にウソが書かれるので、専門家によって推定するので差がみられることになる。


もともと、私企業でも儲けるのが大変なのに、公団のようなところが儲かるはずもなく、また儲けると逆に文句を言われる。公団などに勤めている人の多くは真面目な人で、少なくとも自分では誠意をもって仕事をしていると思っているが、なにしろ「効率が悪くてビジネスにならないので公的な機関がやっている」ということなので、収益を得るのはむつかしい。


このブログの3つ目に書いたように「厚生年金のお金を運用することは現実的に不可能である」ということだ。事実、数年前から運営資金の利回り目標が4%程度であるのに対して、焦げ付きを含めなくても、0.5%以下というのが実績である。


そこにアベノミクスと日銀の「インフレターゲット」が進められている。単純に計算しても、150兆円のうちの50兆円が残り、貨幣価値は2.2分の1になるから、20兆円ほどが残る。つまり自分が積み立てた年金は、10分の1ほどになってしまうことがすでにはっきりしている。


政府はごまかして年金に税金を投入する仕組みがあるので、誤魔化すことは間違いないけれど、積み立て型年金は厚生省の年金課長の言ったとおりになったことがわかる。今、年金を受け取っている人は、その年金に「自分が払った年金」と「自分が払った税金」が含まれているが、それは誰にもわからない。



 

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コメント
 
01. 2014年2月22日 16:28:55 : nJF6kGWndY
>アベノミクスと日銀の「インフレターゲット」が進められている。単純に計算しても、150兆円のうちの50兆円が残り、貨幣価値は2.2分の1になるから、20兆円ほどが残る。つまり自分が積み立てた年金は、10分の1ほどになってしまうことがすでにはっきりしている。

別にアベノミクスのせいではない

個人レベルで見れば、投下した労働は貨幣として受取り、その一部を年金基金にせよ銀行にせよ投資(貯蓄)し、老後は、約束された利子を加えたものを受け取ることを期待する

しかしマクロで見れば、実体経済が成長し、非労働人口を養える以上の生産力が無ければ、いずれにせよ、そうした約束は破綻する

そうした破綻は歴史的に見ても珍しくはない

それが日本でも既に始まっており、税金の投入で、現役世代に、より大きな負担を押し付けることで誤魔化しているが、


今後も愚民政治による改革の回避が続けば、民主党時代のようなデフレ政策に戻したとしても

国内生産力が衰退していき、インフレによる実質受取の減少か、デフレによる破綻と支払カットという明確な形で現実化していくのは変わらない

長期的に見れば、大衆や底辺層にとって最悪の事態は、よりデフレ政策で起こるのは欧州を見てみれば明かだ


02. 2014年2月22日 18:36:38 : mcEHatQcYg
ギリシャやその他ヨーロッパ一般庶民は仕事も無く、大変な暮らしをしていると思うが、なかなか実態が伝わらないと言うか、出てくるのは数字ばかりで、本当の実態が判らない。

金持ちや、そこそこ稼げる仕事のある人は、どうでも良いのだが、なかなか伝わらない、庶民はどの様に暮らしているのか?

以外に地域でまとまって、半自給自足の様な、助けあって地域を維持しながら、生活をしているのではないかと考えるが。
近い将来の日本の生活の参考に成るのではと思うのだが。

記事を読んでいると、貨幣経済に頼って生きていると自殺か餓死しか無いように思えてくる。

現実には、内戦やら紛争等で追い出されて難民暮らしをしている人達も大勢いるよね、対岸の火事だとか、遠い世界の出来事とは思えないです。


03. 2014年2月22日 19:52:27 : nJF6kGWndY
>以外に地域でまとまって、半自給自足の様な、助けあって地域を維持しながら、生活をしているのではないか

雇用から排除され、地域にも頼れない人々は、社会保障が崩壊すれば、国から出ていくしかない

行く先は比較的雇用が多いドイツや英国、南米などだが、そこで豊かで安定した生活ができるとは限らないのは移民の常だな

http://anago.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1378818572/
【ポルトガル】高学歴・専門職の人材が大量流出 大規模な国外移住の波 FT

ポルトガルの首都リスボンにあるサンタマリア病院で働く34歳の看護師、バンダ・ディアスさんは24時間の勤務
を終えたところだ。20年の勤務経験がある44歳の看護師、アルツール・コラレスさんは2つの勤務先で週80時間
働いている。どちらも数年間昇給がなく、国外移住を望んでいる。

ディアスさんは12年前に看護師になってから昇給がなく、「キャリアで完全に行き詰まりを感じている」と話す。
コラレスさんは1つの勤務先で稼げるはずだった給与を確保するために2つの勤務先で働く必要があるという。
2人のような多くの専門職は、ポルトガルで最も能力の高い労働者による国外移住の波を増幅させている。同国
では、より良い就職の機会を国外に求める大卒者に加え、キャリアに行き詰まりを感じた30〜40代の熟練労働者
も国外に移住している。

国外移住はこの数年で急増しており、ポルトガルで最も移住が多かった1960年代と同程度の水準に達している。
当局者によると、毎年10万人以上が移住しているという。社会学者のジョアン・ペイショット氏は「人口1000万
人規模の国では、これはかなり大規模な国外移住の波だ」と話す。

■大卒者への打撃大きく
今回違う点は、60年代に国外流出したのが主に農業に従事する教育水準の低い労働者だったのに対し、最近の国外
流出者は学位があり、多くの場合高度な技能を持った専門職であるという点だ。ペイショット氏によると「我が国
で最も優秀で才能のある人材の一部が流出している。現在国外移住しているのは、教育水準が高く、都市部に住む
若者だ」という。
780億ユーロ規模の金融支援の条件として緊縮政策に苦心しているポルトガルでは、全体の失業率が16.4%に上り、
25歳未満の若年失業率に至っては37%を超えている。特に大卒の若者への打撃が大きく、若者全体の失業率を若干
上回っている。
ポルトガルでは、大卒者が過去最大に上る。30〜34歳の人口に占める大卒者の割合はこの10年間で24%に倍増、
博士号取得者の割合も欧州で上位に入っているという。
リスボンにあるノヴァ・スクール・オブ・ビジネス・アンド・エコノミクスの副学部長、ダニエル・トラサ氏は
「ポルトガルは人材育成に多額の投資をしてきたが、その人材が流出しつつある。国の改革を実行して数年以内
に人材が戻るようにすることにまず注力すべきだ」と指摘する。

■給料倍のロンドンが人気の移住先
調査によると、特にポルトガルの看護師やIT技術者、金融専門職にとって、ロンドンが最も魅力的な移住先の
1つになっているという。
ポルトガルの看護師は平均給与が月1300ユーロ程度だが、英国では2倍以上稼ぐことができ、中には年4万ユーロ
前後の給与を提示されるベテランの病院職員もいる。一部の湾岸諸国では、能力の高いポルトガル人看護師は月
7000ユーロ程度の非課税給与を提示される。しかも住居費は雇用者負担だ。
コラレスさんは、ポルトガルで2つの勤務先でのフルタイム勤務により得られる給与を1つの勤務先で稼げると
考えているが、問題はお金だけではないと言う。「ポルトガルの医療制度はじわじわと崩壊しつつあり、そこで
働く専門職は意欲を失っている」と話す。
多くの専門職は、子どもの世代に雇用の見通しが改善するかどうかについても不安を抱えている。
コラレスさんも大学に入学予定の長女に国外移住を勧めていると言い、「中期的にポルトガルには将来性が見ら
れない」と話す。
http://blog.livedoor.jp/kaigainoomaera/archives/30645576.html
http://kyouki.hatenablog.com/entry/2013/08/15/074011
ギリシャ失業率、最悪の27.6% 若年層は65%

http://sekaiteki.doorblog.jp/archives/27858068.html
【海外】スペインとギリシャの若年失業率が2014年には70%まで上がるかもしれないと話題に・・・


04. 2014年2月23日 18:59:03 : mcEHatQcYg
>>03さん
02です、丁寧な説明と、リンクありがとうございます。
昨年までのギリシャなどの悲惨な状況は、色々なブログなどで見聞きしていたので、現在どうなっているのか?気がかりでした。

やっぱり若い人たちが声を挙げて行かざるを得ないのだなと思いました。
大半の老人たちと、責任の地位に在る人達は逃げ切りしか考えていないと思う。

我が日本も、福一の現状も有るし、自然の脅威も有るし。
心は、明日は我が身と受けて気持ちの準備はしておこうと思います


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