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軽自動車増税どう乗り越えるか スズキ・田村実副社長を直撃
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140222-00000005-pseven-bus_all
SAPIO 2014年3月号
海外を含めた売上高ではダイハツを上回るものの、国内販売では僅差で2位。軽自動車をめぐる競争はますます激化している。スズキはどんな戦略を進めているのか。国内営業を担当する田村実・代表取締役副社長を直撃した。
──スズキの国内販売は業販店で売られる比率が8割と高い。社内ではどう位置づけているのか。
田村:スズキの原点は業販店との関係にある。私は1972年入社。その年の1月に第1回となる「副代理店大会」を開き、今年1月で43回目となった。今年は浜松や東京など6か所で延べ5000人が参加した。年間72台以上売った副代理店は鈴木修・会長兼社長から壇上で表彰される。出席すること、そして表彰を毎年目標としている副代理店は多い。業販店のおかげでスズキは成り立っている。
──副代理店大会ではみんな鈴木会長と会うのを楽しみにきている。一方で、80代の会長が先頭に立ち、以前のように客一人ひとりにビールを注いで回るのは厳しくなったのではないか。
田村:5年前から会長には着座してもらい、副代理店の方にテーブルに来てもらう形に変えた。われわれ役員が各テーブルを回り、ビールを注いで副代理店の方と記念撮影する。生産や技術の役員には担当の営業マンをつけ、紹介させて打ち解け易くさせている。会長の力には及ばないが、いまの体制でできる限りのことをやっていくしかない。「日頃は会えない役員に意見を言えた」と喜ぶ副代理店もいて、おおむね好評だ。
──一方で2割を占める直販ディーラーの販売力は、他社に比べて弱いのでは。
田村:ディーラーは業販店への卸営業が中心だった。だからエンドユーザーへの意識が薄かったのは確か。お客様が来店したのに立たせたまま対応したり、コーヒーや水すら出さなかったりするのが当たり前だった。それを改革すべく、3年前から全国150拠点の支店長、営業所長の教育をしている。今では他社に近いレベルのサービスができてきている。
ディーラー経由の販売を強化するために、都内をはじめとして大規模店舗を出店するなど投資も加速している。
──業販店とディーラーをどう両立させていくのか。
田村:業販店は地域に密着しているから敷居が低い。「入りやすさ」が特徴だ。その特徴を生かしながら接客教育を充実させたい。軽の保有率は地方が高く、これからも地域に根を張る業販店が大きな力を持っていくのは変わらない。
──新型車「ハスラー」の出足は好調だが、軽自動車のシェアはダイハツ工業が2007年から1位。3位のホンダもNシリーズで攻勢をかけている。
田村:競争が激化しているのは事実だ。軽の市場は拡大しているわけで、縮小する中で戦っているわけではないから競争しがいがある。ただし、どうしても1位をとろうとして無理な販売、とりわけ「自社届け出」をやると車のブランド価値は落ちていく。場合によっては軽市場全体にも影響を与える。
その一番の問題は人が育たなくなること。数字の帳尻を合わせることばかり考え、お客様から注文をもらうことに感動を覚えなくなるからだ。もちろん「軽ナンバーワン」になろうと努力はするが、無理はせず王道を進みたい。
──軽自動車税増税が決まった。逆風をどう乗り越えるか。
田村:地方の人は拙速な増税に怒っている。路線バスもない地域では軽は住民の足であり、インフラに等しい。
軽は「非関税障壁」ではない。海外メーカーも軽を自由に作って日本国内で売れるし、ダイムラーは「SMART」という実績もある。また、海外の自動車税制は日本の軽自動車と同レベルだ。「優遇税制」でもないと強調しておきたい。
「ガラパゴス技術」だという指摘があるが、インドでは少し大きなエンジンを積んだワゴンRなどがヒット車になっている。軽規格があるからこそ高い技術につながったのだ。今後は海外戦略としては世界共通のプラットフォームを作ることなどで競争力を高めていくことになるだろう。私が担当する国内販売では増税が決まったが、会長が会見などで述べている通りいい軽自動車を出して意地でも軽の比率を上げていきたい。
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