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安倍ノミクスの成果
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52563429.html
2014年02月21日 在野のアナリスト
最近の東京株式市場は値動きの激しい展開がつづきます。しかし、木曜日までの傾きはそれほど大きくなく、流石に今日は週計りの取引を一旦手仕舞う動きとなり、大きく傾きましたが、それほど売りも買いも強くない印象です。むしろアノマリーや、値動きに合わせて順張りするアルゴリズム取引の所為により、上げ始めたら上げ、下げ始めたら下げ、の動きが強い展開になっています。
流石にここに来て、国内でも安倍ノミクスに懐疑的な見方が広がっています。賃金は男女とも減。これを低賃金の仕事に就く人が増えた、と政府は分析していますが、賃金の安い仕事が増えていることが、そもそも問題です。景気がよくて人材が必要なら、少なくとも人件費を上げているはずですが、そうなっていないのですから。これも、昨年来の安倍政権のウソ、になります。
さらに円安にしても、企業は製品価格に転嫁しておらず、これではJカーブ効果などおきるはずもない。生産数量が増えないので、設備投資も増えない、人も雇わない。安倍ノミクス1年の成果は、円安と株高だけとなりました。しかも円安にしたため、貿易赤字が拡大しており、経常赤字にまでなっている。むしろマイナスであり、誰もがこの結果にdisappointment(失望)する形になりました。結局、日本の成長率は野田政権当時より、ちょっといいぐらいなのですから。
今日の株価の上昇には、一部でG20草案が洩れたせいでは? との指摘があります。草案では「経済成長に向けて各国がコミット」との文言が盛り込まれる見通しです。かなり強い意志を示す、ということで、各国は何らかの対応を迫られることになります。以前から米政府から情報が流れているのでは? と噂されるスジが大きく買っているので、この辺りが噂の根っこになるのでしょう。
問題は日本の対応です。安倍ノミクスは失敗策でした。公共工事と金融緩和、この2本しか柱がなく、一方の金融緩和は「いずれ正常化にむけた動き」が、声明に盛り込まれることからも、ここで追加緩和できるか? との懸念が生じます。公共工事のB/Cは、日本では非常に低いことが知られており、また効果も限定的です。つまり今のままではコミットを果たせない。それどころか、安倍ノミクスで財政が痛みますから、今後はさらに余裕がなくなります。そのコミットを果たすために、一番ハードルの高いのが日本、ということになってしまうのでしょう。
TPPも、自由貿易により相互に依存しあい、戦争抑止につながる、win・winになる、といった論調もありますが、まったく異なります。自由貿易にすると、必ず不均衡が生じ、相手に生命線を握られると隷属的な関係にならざるを得ない。工業品なら、時間をかければふたたび内製できますが、農産品だと貿易を止められたら終わり、すぐにパニックが起きます。つまり逆、自由貿易が不均衡解消にむけ、軍事行動による解消を目指しやすい、ということでもあるのです。
関税があれば、不均衡を一定程度フラットにする効果があります。TPPが始まれば、すべて資本力により力関係が決定する形であり、日本では米国の足元にも及ばないでしょう。つまりTPPも、成長には決して寄与しない。安倍ノミクスがこの1年、目指してきたことはすべて誤りなのです。それが分かると、今後の株価が上値を目指さない、ということも理解できると思います。そして株価が下落すると、安倍ノミクスの成果はほとんど水泡に帰す、ということにもなります。その日は、着実に迫ってきている、後はそのタイミングを計るだけであり、この数日の激しい値動きは、それを意識しながらの動き、ということになるのでしょうね。
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