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金投資と金相場ニュースBlog 〜黄金の蹉跌〜
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Jカーブ効果
Jカーブ効果とは、通貨の下落によって輸入価格が上昇することで一時的に貿易収支が悪化するものの、その後、輸出および外貨流入が増加することで国際収支が改善されるという仮説です。
2013年の輸出量は前年比で1.5%減少しましたが、この仮説によれば、今後輸出量は増加することになります。
ところが、一向に上昇の兆しが見えません。
20日に発表された1月貿易統計速報によると、貿易収支は2兆7900億円の赤字となり、初めて2兆円台を突破し、1979年の統計開始以来最大の赤字を記録しました。
輸出は、市場予想の12.6%を大きく下回る前年比9.5%増加でした。円安効果分を除けば実質的にマイナスです。
それでもアナウンスメント効果のため失敗を認めるわけにはいかない日銀の黒田総裁は強気です。黒田総裁のバックにいるユダヤ金融も強気です。
ゴールドマン・サックスは、今後Jカーブ効果による輸出増加があるという強気姿勢をくすしていません。
国際協力銀行の渡辺博史総裁は、2月まで赤字が続くようだと経常黒字国という日本根源的な強さ、体質が変わったとマーケットが認定する可能性があり、3月にマーケットが荒れるかもしれないと指摘しています。
また、財務省の山崎達雄国際局長は、円安が輸出を増やすことにはならないとの見解を表明しています。
マーシャル・ラーナー条件とは、通貨安によって貿易収支が改善するためには、輸入と輸出の価格弾性値の合計が1よりも大きくなければならないという条件をいいます。
価格弾力性とは、価格が1%上がったときに売れ行きが何%悪くなるのかを表す指標です。価格弾力性が低いと、為替レートの調整を行っても貿易収支の改善は期待できません。
安倍政権の外交政策の失敗により、価格弾力性の高い自動車の輸出が、これからモータリゼーションが加速する中国市場で伸び率が縮小しています(以前よりは回復している)。
なお、1月の中国の自動車販売は、前年同月比6%増加しており、これが今の原油価格高騰の主因と思われます。
日本は、ここ10年で、価格弾力性の高い電気機器や一般機械の世界シェアを失っています。
輸出品の価格弾力性が低下しているため、円安による輸出の改善の恩恵が受けられていません。
そもそも、通貨高のドイツが高いシェアをもっていること、最近の通貨高でもシェアが落ちない中国や韓国のメーカーをみればわかるように価格競争がすべてはありません。
実際、日本の企業の向上は海外に多く進出しているので為替は言い訳にすぎません。
付加価値やブランド力が重要です。
甘利明経済再生担当相は、Jカーブ効果が発現しない理由について、新興国経済の失速や生産拠点の海外移転などがあると説明しています。
新興国の失速のせいにするのは、全部雪のせいだとするのと同じで日本やアメリカの景気が失速していることをごまかすお決まりの言い訳です。
もっとも、生産拠点の海外移転は大きな原因です。
国内で設備投資を行わず、国内で雇用を生まない企業のために、円安政策をとるのは売国行為です。
そういう企業もドル建ての売上や利益はたいして変わっていません。
円安になっているから、円建てで計算すると帳簿上の利益が増加しているように見えているだけです。
その利益も株主(半分が外人)の配当に使われます。
国内の従業員にはごまかし程度に一時金のボーナスUPをするだけです。
さすがにボロ儲けしている自動車産業は世間体もあるのでベアに応じるようですが。
円安で国民の資産を目減りさせ、円安による輸入インフレで実質所得を低下させ、その上に輸出まで増えていません。ここで株が暴落してお涙程度の資産効果も吹き飛ぶとなれば、アベノミクスはおしまいです。
アベノミクスに便乗してボロ儲けした、金融関係者やネトウヨ商法もこれでとんずらさせるわけにはいきません。日中関係を煽ることで負け組層を癒やすルサンチマンのニーズに答え、個人ではボロ儲けしたネトウヨ商法の連中はまさに国益を損ねた売国奴といえるでしょう。
いまの時代、ネットで発言したことはいつまでも残ります。
これから日本の不況が泥沼化して、社会が不安定になったとき、彼らの総括は避けられないでしょう。
J.BOY 浜田省吾
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