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米国のSUVがTPP交渉でも焦点になりそうだ(ロイター)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140221/ecn1402210732006-n1.htm
2014.02.21 「お金」は知っている
22日からシンガポールで環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)閣僚会合が始まる。交渉前進の鍵は「日本のコメ対米国の自動車」という構図にあるのだが、国内メディアの勉強不足は目に余る。
典型が2月16日付の日本経済新聞朝刊第3面の「日米『聖域』妥協点探る」というトップ記事である。この記事は米国の「自動車」関税率が2・5%、「トラック」関税率が25%だというが、不正確だ。
米国はクルマを「オートモービル(automobile)」と「ライト・トラック(light truck)」に分け、それぞれ2・5%、25%の関税率を適用している。日経はこのライト・トラックを「トラック」と思い込んだ。
トラックはライト(軽量)とヘビー(重量)に区分けされるが、ライト・トラックはピックアップ・トラックのような荷台つきの小型トラックを指すばかりではない。4輪駆動などスポーツ用多目的車(SUV)を含める。SUVこそはビッグスリーの主力収益源である。米車の出荷額は1997年以来、ライト・トラックがオートモービルを凌駕(りょうが)している。
SUVの各社別モデルで言えば、ジープ・グランドチェロキー、フォード・エクスペディションが米車では代表的だが、日本のトヨタ・ランドクルーザー、英国ランドローバー・レンジローバー、独ベンツGLクラスなどの強力なライバルがいる。
米国がライト・トラックに高関税をかけたのは1963年と50年以上も前である。当時、米国は民主党のL・ジョンソン政権で、フランスと西ドイツ(現ドイツ)が輸入米国産チキンに高関税をかけたのに対抗して、ブランデーなどとともにライト・トラックに25%関税で報復した。
64年に妥協が成立したが、同政権は民主党支持基盤の一大勢力である全米自動車労組(UAW)に配慮してライト・トラック関税だけはそのまま残し、現在に至る。つまり、ライト・トラック関税は極めて政治的な動機によって堅持されてきた。
米国議会では今秋の中間選挙を控えている。オバマ民主党政権がライト・トラック関税で譲歩するわけにいかない情勢は、50年前よりももっと厳しい。現に、米民主党の上院院内総務は大統領にTPPなどの一括通商交渉権限を与える法案の審議に応じようとしない。通商問題については、議会が一つ一つの項目について可否の権限を持っている。多岐にわたるTPPなどの通商交渉の場合、議会が合意案を一括審議、承認するようにしないと、米政府は他国との交渉がはかどらなくなる。
米オバマ政権はTPPで日本の農産物関税除去などで攻勢をかけているように見えるが、自身も窮地に立っている。日経のように米国に甘いメディアは、日本の農産物保護だけをやり玉に挙げ、「開国せよ」と書きたて、自国に不利な世論誘導をしかけてきた。米国の聖域を厳しく見るのが公平というものだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)
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