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ソニーの事業売却は日本経済衰退の現れ
2014年02月20日08:49
日本の電子大手ソニーはこのほど「腕を切断してでも生き延びようとする姿勢」を明らかにした。パーソナルコンピューター事業を売却するとともに大規模なリストラを実施し、またテレビ事業を切り離して分社化することを明らかにしたのだ。ソニーにこのような決定を迫ったのは、年度報告の不調さだ。今年3月までの2013年度は約11億ドル(約1124億円)の赤字で、ソニーの格付けは投資に適さない「ジャンクレベル」に引き下げられた。人民日報が伝えた。
多くの人にとって、ソニーはこれまでずっとテレビや高品質の代名詞だった。2年前までは、テレビを買い換えようとする年輩者がいれば、ソニー以外のブランドを薦めていたが、結局買うのはソニーだった。その理由はただ一つ、前に使っていたソニーのテレビが10数年間故障しなかったからだ。
ソニーはかつては世界の技術革新のリーダーだった。ラジオ、テレビからウォークマンまで幅広くカバーし、半導体ラジオ、ウォークマン、3.5インチフロッピーディスクなど、ソニーが生み出した画期的な新技術は12件を数える。だが以前は世界の電子市場で大きな勢力をもち、ピーク時には13万人の社員を抱えていた「ソニー帝国」は、今ではその輝きが色あせてしまった。昨年、赤字の泥沼に沈んだソニーは米国本社ビルを売却している。
ソニーが衰退した原因はソニー自身にある。1990年代後半に新技術や新たな製品をうち出さなかったためだ。年間販売台数870万台という輝かしい記録をうち立てた「VAIO」シリーズのパソコンも、技術改良を行っただけだった。1995年の「ソニーの経営再建」に続いて業績主義に基づく改革を行うと、ソニーはますます短期的な成果を重視するようになり、大量の技術者がソニーから離れていった。コロンビア映画の買収、エリクソンの買収、サムスンとの液晶パネルの合弁生産など、ソニーの功を急いだ一連の戦略は劣勢を根本的に跳ね返すには至らず、かえって主業務のテレビ事業を10年連続の赤字に追いやった。90年代末には、世界のテレビ産業は生産と設計が分離する流れになり、アップルなど一連の営利能力の高い企業が流れに乗って登場し、その一方でソニーをはじめとする日本企業はいわゆる「日本的統合型優位論」に惑わされて、最終的には技術的に孤立するという過ちを犯した。
ソニーだけが特別なのではない。事実を振り返ると、日本の電子産業全体の足元がおぼつかなくなっている。最新の年度報告によれば、ソニーと同じ轍を踏んだパナソニックとシャープは苦境を抜け出し、昨年第1-3四半期の利益はパナソニックが24億ドル(約2452億円)、シャープが17億ドル(約1737億円)に達した。だが子細に観察すると、両社が黒字への転換を果たしたカギは主業務にはない。パナソニックはリストラで固定支出を17億ドル削減したのであり、シャープは中国に液晶技術を移転して2億ドル(約204億円)を得たほか、リストラによる黒字が10億ドル(約1021億円)と大きかった。このことからわかるように、日本の電子産業の経営状態は真の意味で好転したのではない。また今年4月に予定される消費税率引き上げという「一大試練」を受けて、日本の国内市場はさらに萎縮するとみられ、製造業の企業がますます困難に直面するようになることは間違いない。
ソニーが「腕を切断してでも生き延びようとしていること」や日本の電子産業全体の低迷は、日本経済の引き続いての悪化を示しており、最新のデータもこのことを裏付けている。日本経済の昨年第4四半期(10-12月)の国内総生産(GDP)は前年同期比1%の増加にとどまり、予測を大幅に下回った。輸出の柱だった電子産業が昨年は初めて貿易赤字に陥り、1-9月だけで赤字額は80億ドル(約8175億円)に達し、日本貿易収支にとって「重傷」になった。さらに東日本大震災後のエネルギー輸入コストの増大もあって、日本の経常収支は過去最悪の状態になった。だがそれでもなお政府債務残高は積み上がり続けている。こうしたことから考えると、構造的な障害を取り除くことが難しい安倍首相の改革では、やはり劣勢を挽回するのは難しいといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年2月20日
http://j.people.com.cn/94476/8541305.html
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