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金投資と金相場ニュースBlog 〜黄金の蹉跌〜
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アメリカから資本が流出しています。
12月の海外投資家による対米証券投資は1196億ドルの売り越しでした。売り越し額は前月の130億ドルから大幅に拡大しています。
財務省証券については、179億ドルの買い越しですが、前月1億2700万ドルの大幅売り越しだった反動でしょう。財務省証券以外のほぼすべての証券(株式、社債、政府機関債等)が売り越しです。
最大の米国債保有国である中国が1兆2689億ドルと、前月から478億ドル減少さています。中国はドル債の購入を減らして外貨の分散を図っていますが、最近そのペースが加速しているようです。
自国のインフレ対策、内需経済へのシフト、人民元のハードカレンシー化などのために中国では人民元高(ドル安)を容認するようになってきました。そのため、介入によるドル買いが減少しています。そのため、ドル債購入は必然的に減ります。日本と異なり期間の短い債券がほとんどなので逃げ足が早いです。
なお、通貨高でも、付加価値の高い財を生産するドイツは輸出量が増加しています。ドイツだけでなく、ユーロ圏の輸出は好調です。また、古びた設備の先進国と異なり最新鋭の設備を持ち、かつ、人件費がまだまだ格段に安い中国は人民元高にもかかわらず輸出量は拡大の一途をたどっています。
一方、アベノミクスによる捨て身の円安政策でも結局、日本では輸出量は増えませんでした。黒田は当初の予想どおりに当たり前のように敗北しました。
もっともアベノミクスによる円安は、国内経済に打撃を与えているだけですが、国際金融資本にとっては、円がキャリー・トレードの資金調達通貨になるので、都合がよいものです。低い金利でありながら、円安のトレンドが確実であれば、ローリスクでいくらでも円を借りてそれを売って利回りの高いリスクの高い商品に投機できるからです。
しかし、そんな都合のいい話はありません。ここにきてアメリカ経済が弱いことがバレてきました。景気拡大が加速するどころか、リセッション入りしそうです(実質的には既にリセセションしているとみることもできます)。
そのためリスクオフになり、円キャリーの巻き戻しが起こって円高になっています。
アメリカの債券市場と株式市場と住宅市場はバブルで膨れ上がっている巨大な市場です。
にもかかわらず、海外からのマネーのフローが止まっています。頼みの綱のアベノミクスによる円キャリーも巻き戻しつつあります。
しかも、投機マネーを供給し続けてきたQE3は経済成長を促すことができず失敗に終わり、今はその副作用の資産バブル破裂のハードランディングを避けるために、撤退戦を余儀なくされています。
アメリカはなんとか、巨大な米国債市場と株式市場と住宅市場を支えるためにマネーを米国に呼びこむ必要があります。
そこで、新興国危機をでっちあげてきました。
高度成長には弊害があります。そのため新興国は安定かつ持続的な成長に政策を転換しています。
にもかかわらず、それを成長鈍化とやたらと強調して新興国危機を煽っているのです。
もちろん、ウクライナ、アルゼンチン、トルコなどではアメリカの諜報機関やユダヤ金融の通貨アタックなどが暗躍していると推測できます。
しかし、新興国の成長は力強く、危機を煽っても市場も過剰反応しなくなってきました。
それでも、ある程度は利回りを求めて新興国に投資していたアメリカのマネーがレパトリをおこしています。それが、今の国内の巨大な3つの市場のバブルが弾けるのを防ぐ一時しのぎにはなっています。
しかし、それはアメリカの所得収支を鈍化させることになり、長期的には経常赤字をさらに悪化させます。経常赤字が悪化すればさらに実質成長率が落ちます。デフレ圧力もあり、名目成長率が伸びません。これから本格化するベビーブーマーの引退に伴う社会保障費の増加率以下の成長にとどまり、アメリカは破綻に向かいます。
レパトリはいつまでも続かないのでそれが一巡すれば、新興国の通貨安は落ち着きます。通貨安が落ちつけば経常赤字も減少します。アメリカの経常赤字は構造的ですが、新興国の経常赤字は一時的なものですし特に問題はありません。先進国中銀の金融緩和は、ジャブジャブのマネーを量産を続けていますが、先進国内では投資先がなく行き場がありません。そのマネーが結局、市場原理で、高い利潤を求めて新興国に流入してくるからです。
不動産市場は指標の悪化がここに来て加速しているので、そろそろ崩壊寸前です。金利上昇による金利ローン上昇もありますが、やはり価格が高くなりすぎたことが原因だと思います。個人所得が伸びていないのに住宅価格が上がりすぎています。壮年層は奨学金のローンで借金まみれです。さらに、所得とのバランスからみて過去最高水準の高値にある家を買うためにローンを組める余裕のある人は減っています。資本家が投機目的で何軒も家を買って価格を釣り上げているだけです。金持ちも体はひとつですから別荘などいらず、本来なら家など一つで十分なはずです。車もそうでしょう。金持ちがセカンドカーを買っているだけです。そういう実需のない個人消費は国全体の総消費を増加させません。トリクルダウン効果は実証的に否定されています。
サブプライムローンのときに過剰に建てまくったため、空き家がまだまだあります。あきらかに供給過多です。
ここ最近の住宅指数の悪化は天候のせいにされていますが、ある試算によると天候による影響はどんなに大きく見積もっても2%程度とのことです。
以前ものべましたが、パターン的にはまず不動産市場が崩れて、その後株式市場が崩れます。
マネーの流入が細ってきている以上、債券市場と株式市場と不動産市場の3つのバブルすべては維持できません。
一番重要なのはもちろん債券市場です。そのため、債券市場を支えるために株式市場と不動産市場は犠牲になると思います。
最終局面では3つのバブル全てがはじけて、ボスキャラのドルバブルの本丸が落ちると思います。
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