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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140219/ecn1402190726003-n1.htm
2014.02.19 森岡英樹の金融スクープ
企業倒産が15カ月連続で減少している。東京商工リサーチが発表した1月の全国企業倒産件数は、前年同月比7・5%減の864件と、1月としてはバブル経済で倒産件数が大きく抑制されていた1991年以来、23年ぶりに900件を下回る歴史的低水準となった。
アベノミクス効果による円安・株高で企業環境が好転、復興需要と公共事業の増加から建設業の倒産が減少する一方、資産効果と消費増税前の駆け込み需要から個人消費が伸び、小売業等の業況も回復に転じていることが寄与した格好だ。
しかし、依然として倒産件数のうち7割は負債1億円未満の小規模・零細企業が占めており、「地方の中小・零細企業の経営は苦しい状態が続いている」(地銀幹部)ことに変わりはない。そこに4月から消費増税が重なる。地方の商工業者等の倒産増が懸念されている。
「東京はミニバブルのようですが、地方はアベノミクスの恩恵はないですね。人口は減少するばかりで、廃業するところも少なくありません」
近畿圏のある商工会幹部はため息交じりにこう語る。中小企業金融円滑化法が終了した後も、金融庁や中小企業庁の手厚い指導もあり、中小企業の倒産は抑制されているが、「依然として転廃業が必要とみられる中小企業は全国で5〜6万社ある」(大手信用情報機関)とみられている。
これら経営不振にあえぐ中小企業の多くは、金融機関から借り入れ条件の緩和を受けながらも、過剰な債務から脱しきれないジレンマを抱えている。
そうした過剰債務に喘ぐ中小企業の再生を後押しする施策が今月から動き出そうとしている。
「特定調停制度を活用した事業再生支援スキーム」だ。日本弁護士連合会が最高裁判所や中小企業庁と約1年をかけて協議し、昨年末に合意に達した制度で、1月中旬に全国銀行協会などの金融団体に通知した。
このスキームは、中小企業から支援要請を受けた弁護士や公認会計士、税理士等の専門家が経営改善計画を策定し、事前に金融機関と調整の上、簡易裁判所に特定調停を申し立てるもの。
3カ月を目途とする比較的短い期間で終結できるほか、最大の利点は、一定の要件で金融機関の債権放棄に対して損金計上(無税償却)を認めると同時に、借り手側である中小企業に対しても債務免除益の課税負担の軽減を認めることにある。
さらに、信用保証協会に対しても、同スキームによる債権放棄の場合には、代位弁済の求償権の放棄に応じられるようになる。いわば司法、金融機関、税務当局が一体となって中小企業が抱える根雪のような過剰債務を一掃しようという施策と言っていい。
金融庁も金融機関に対し、「事業再生支援先の裾野拡大を図る観点から、弁護士等の専門家から同スキームを活用した事業再生支援について相談があった場合は、積極的に連携・協力に務めてほしい」(金融庁幹部)と働き掛けている。
4月の消費増税を前に、経営不振にあえぐ中小企業の重荷を一掃できるのか。特定調停制度を活用した事業再生支援スキームが生かされるかどうかは、金融機関の取り組みいかんにかかっている。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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