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日銀の金融政策決定会合について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52563134.html
2014年02月18日 在野のアナリスト
甘利経再担当相が、TPPにおける重要5品目を守れない、旨の発言をしています。米国に完敗した形ですが、尚も譲歩を求める、と意味不明な発言もしているようです。元々、最終的には全品目について関税撤廃、がTPPの目的であり、交渉の余地などないのですから、これは最初から分かっていた結果です。ここに来て、米紙などで日本を批判する記事が多いのも、米国の意向を反映しています。直接言えば内政干渉なので、新聞記事という形で日本批判をくり返している。そんな国と交渉しても、妥協してくれるはずもなく、原理原則を振りかざしてくるだけです。
日銀の金融政策決定会合が行われ、量的、質的緩和は現状維持、ただし貸出増加支援と、成長基盤強化支援の2つの規模を2倍とし、期間も1年延長と発表し、市場は急騰しました。しかし今日は明らかに売り方が、緩和と聞いて慌てて買い戻したもので、夜間は若干の下落で推移しています。そもそもその効果からして疑問符がつくものですから、今日の動きは勇み足ともとれます。
これは0.1%の利率で4年、貸し出しを増やした企業に日銀から融資されます。現在、貸出増加支援は5兆円程度の残高です。ただし国内の優良企業は、豊富なキャッシュを抱えており、この制度に頼る必要はほとんどありません。逆にいえば、これ以上の規模に膨らむためには、融資基準の緩和など、大幅なてこ入れが金融機関にも必要となってくるため、今後は不良債権化する恐れがあります。そもそも、日本の成長産業が7兆円の経済規模になる、ということは非常に考え難い。最近、介護向けのデイサービスなどが乱立している、という話も耳にします。成長産業の位置づけには、こうした介護事業も含まれますが、すでにバブル化しており、後に淘汰などの動きにより、融資が不良債権化する恐れを今から孕んでいる、ともいえるのです。
景気の下振れリスクには対応、という文言を若干強めた印象もあり、市場は期待を先走らせた形跡もありますし、2倍という4月の異次元緩和時のマネタリーベース拡大を意識した、という面もあるでしょう。ただ今回はテクニカル的にも、元々2倍にはできたものです。アナウンス効果はありますが、実効性は乏しい。むしろ負の遺産すら残しかねない、ぎりぎりの施策です。
そもそも、日本経済に楽観的見通しを示す黒田日銀が、このタイミングで緩和を打ち出してくる。この不整合、収まりの悪さが何とも気持ち悪い。本当に日銀の想定通り、CPIが2%、成長率が2.7%程度に自信があるなら、緩和などする必要がないのです。その達成が困難になった、という見通しは示さず、次々と緩和策をうてば、そのうち日銀への信頼が失墜するでしょう。
有識者会議にも参加する某教授が、GPIFの運用先の半分を株式にすべし、と発言しています。残念ながら、この国の経済関連の有識者は、経済政策を需給規模でしか語れない、という癖があるようです。規模ではなく、質を高めない限り、何も解決せず、逆に不正な資金の流れを生むだけ、という反省もないようです。結局、その質の部分とは官僚の差配によって決められる点であり、ここに政治家も、有識者も手をだせない。そんな裏事情ばかりが透ける、今回の決定だったのでしょうね。
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