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65歳を過ぎたら、たった100万円「60歳、生命保険不要論」は正しい
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38366
2014年02月18日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
完全保存版 いらない生命保険、怖い医療保険、ムダな介護保険【第2部】
日本人にとって生命保険は生活必需品となっているかのようだ。
生命保険の加入率でみると、男性では80・9%、女性は81・9%、60代の加入率はもっと高く、男性83・3%、女性83%であり、8割以上の人が加入している('13年、生命保険文化センター調べ)。これは世界にも類を見ないほどの高い水準といえるだろう。
しかし、定年を過ぎた人にとって、生命保険は本当に必要だろうか?
経済評論家の荻原博子氏が述べる。
「60歳を過ぎてからの多額の生命保険の保障は、私は不要だと思っています。
自分に必要な保障の金額を考えるには、まず自身の家庭を振り返ることから始めましょう。自分がいま死んだらどうなるかということです。
実際、60代の男性の方ならすでに子供たちが社会人となって、ひとりで稼いでいる人が大半でしょうから、自分が死んでも、妻の面倒は見てもらえると考えます。
たとえ、子供たちが残された妻の世話をするには少々きついかなと考えたときでも、妻には遺族年金が入ってくる、預貯金がそれなりにある、しかも最後は自宅も売れる、と考えていけば、わざわざ自身が生命保険に入る必要などまったくありません。
そもそも、死んだ後のことを考えるゆとりもないほど、長生きをするリスクのほうが、現代でははるかに大きくなってきます。
そんなときに必要なのは、保険よりも現金です」
60歳になったら、保険よりもお金をためることにひたすら重点を置き、保険を解約して、解約返戻金などを貯蓄に回すのもひとつの手である。
そもそも、定年後には生命保険が要らないと思う中高年は次第に増えてきているという。
では、60歳で一般的な生命保険をやめたとして、どのように、その不安を解消していくとよいのだろう。
それに触れる前に、生命保険について簡単におさらいしておく。
主なものには「終身」「定期」「養老」の3種類がある。「終身保険」は一生涯保障が続く保険で、途中解約した場合、解約返戻金が受け取れる。
これに対して、保障期間が決まっているのが「定期保険」。更新型と全期型があり、更新型は契約を更新するたびに保険料が跳ねあがってゆく。
もうひとつの「養老保険」は、定期保険と同様に、一定期間の保障ながら貯蓄性が高いのが特徴。だからこそ、3種類の保険の中で最も保険料が高い。
その他にも様々な商品があるが、最もポピュラーなのが定期保険特約付き終身保険だろう。主契約である終身保険に、特約として定期保険がつき、さらに日額1万円などの入院特約がついたタイプの保険である。
仮に定期保険2900万円、終身保険100万円のプランに加入している人が65歳までに亡くなったときは、遺族に3000万円が支払われる。だが、払込期間が満了し、保障期間が終わった後の65歳以降では、100万円しか支払われない(右図参照)。
■お宝保険≠セけ残す
統計上、死ぬ確率が急激に上昇していくのは、定期保険で保障される期間が過ぎた65歳以降だ。死ぬ確率が高くなってからの保障がたった100万円しか支払われないのでは、定年後に持っていても意味がないのである。
たとえば、60歳で定年の人が、65歳まで保障される定期保険特約付き終身保険に入っている場合、定年を機会に、終身保険だけ残して、定期保険特約の部分を解約するというのはひとつの手かもしれない。
掛け捨てで多額の死亡保障をキープするよりも、そのぶんの保険料を自分の健康維持のコストや、病気などに備えた貯蓄に回しておく。60歳から65歳までに、掛け捨て分として、100万円以上がムダになるのだ。これはまったく無意味と言える。
中には、高額な保障がなくなることが不安で、さらにまた別の生命保険に入ろうと考える人がいるかもしれない。
だが、待ってほしい。家族も自立し、自分の死後、困る人もいないのに、数万円のおカネを毎月ムダにするよりは、そのおカネで「死なないための努力」を自分に課したほうが、はるかに建設的ではないか。
現在は生命保険がおトクな商品ではなくなってきているという意味からも、入り続ける必要はない。
家計の見直し相談センター代表の藤川太氏が言う。
「'90年代前半までの生命保険は利率が高かったため、そのぶん保険料が割り引かれておトクでした。たとえば、'93年4月1日までに契約した生命保険なら、年率5・5%を保証していました。今の保険の利率はその5分の1になっています。
昔、契約した貯蓄型の保険は、ヴィンテージもののお宝保険≠ニ考えておけばよく、それを手放してはいけませんが、それ以外は不要です」
『生命保険のウラ側』の著者で保険相談室代表の後田亨氏が、生命保険についての考え方をこう語る。
「保険に加入する側としては、将来のリスクが高まるために、保険を用いて手厚い保障を受け、老後に備えたくなるわけです。しかし、この考えは基本的に間違っています。
生命保険は、病気をしにくい若い人たちが、一定期間だけ備えることで安くて大きな保障が買えるという商品なんです。死ぬ確率が高まってきた人たちがそれにすがると、生命保険会社のビジネスチャンスとして食い物にされてしまうことも考えられます」
様々な種類の保険を勧められて振り回されるくらいなら、定年とともにやめてしまったほうがよい。
「週刊現代」2014年2月15日号より
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