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青写真なき住宅政策 空き家増加で負のスパイラル:空き家塩漬けで新築増加による景気拡大を期待:所有権から税制まで関わる難題
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/690.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 2 月 17 日 20:44:15: Mo7ApAlflbQ6s
 


青写真なき住宅政策 空き家増加で負のスパイラル[日経新聞]
不動産コンサルタント・長嶋修
2014/2/15 7:00

 国土交通省によると、2013年の住宅着工戸数は98万25戸と前年比11.0%増。内訳を見れば、最も伸びたのが「持家」、つまり注文住宅で、前年比13.9%増の35万4772戸、次に「貸家」同11.8%増の35万6263戸、「分譲住宅(分譲マンション・建て売り一戸建て)」同6.9%増の26万3931戸と続く。低金利や株価の回復、消費増税アナウンスも手伝い、リーマン・ショック以降4年連続で増加基調だ。


■14年度の着工戸数も堅調か

 注文住宅や貸家は、すでに土地を所有しているケースが多く、取引価格における消費増税の影響が大きいことから、一定の駆け込み需要が見られたようだ。また貸家は一般的に相続税評価額を下げることができるため、政府による相続税強化の方針を受けてということもあるだろう。
 一方で分譲マンションや建て売り一戸建ての場合、取引価格のうち土地分には消費税はかからず、増税後の負担も相対的に少ないことから駆け込み需要はそれほどインパクトのあるものではなかった。増税に伴う経過措置終了後(13年10月以降)も着工の落ち込みは見られない。それよりも、アベノミクスや20年の東京五輪開催、資材価格や人件費高騰による不動産価格の先高観が後押しした側面が大きいだろう。
 では14年はどうか。建設経済研究所は14年度の着工見通しについて前年度比6.5%減の89万8000戸としている。マイナスとはなるものの、消費増税後の落ち込みはそれほど大きな影響はなく、想定の範囲内で堅調に推移するだろうということだ。

さらに長期的に見てみよう。ご存じの通り我が国の人口・世帯数は長期的な減少局面に突入している。


■空き家対策で助成金も

 地方はもちろん東京23区内でも空き家問題とその対策が叫ばれる時代である。東京都足立区では老朽化が原因で倒壊の恐れがある建物が1700件以上、そのうち50軒超が「特に危険」と診断されたことを受け、「足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例」を制定、木造で50万円、非木造で100万円を上限に助成を行い、解体を促している。

 少し古いが、野村総合研究所が2009年度に行ったシミュレーションでは、03年度(117万戸)ペースで新築住宅を造り続けた場合、40年度の空き家率は43%、その半分の59万戸程度であっても空き家率は35%、40万戸程度にペースを落としても40年の空き家率は26%に達するとしている。
 現在の住宅着工数は、人口減少や住宅の滅失数(取り壊し)をはるかに上回るペースなのだ。なぜこのようなことになっているのか。
 西欧では多くの国で、10年間の「住宅需要」「住宅建設見込み」を推計している。各国の世帯数当たりの指標をみると、低いのがスウェーデンの5.6%、英国7.2%、イタリア8.3%。多くが10%台で見込んでいる。
 我が国がこれを設定する場合、英国と同じ7.2%なら年間着工は35万9000戸、イタリアと同じなら41万7000戸、10%にするなら49万9000戸ということになる。我が国にはこうした目安がない。住宅総量を管理する概念や方策を持たないのだ。新築住宅建設はバブル崩壊以降景気対策の道具と化している側面がある。

■整合性がない政策

 こうした事態に多くの業界人、識者は気づいているが、いまだ具体策がとられる様子はない。国交省は中古住宅やリフォーム市場の育成に舵(かじ)を切っているものの、一方では新築住宅建設の促進も行われている。税制優遇などで新築住宅建設を促進しながら、一方ではやはり税金を投入して空き家対策を行っているのが現在の住宅市場の構図で、全体として全く整合性がとれていない。
 このままでは、全国ですでに800万戸近くある空き家が無限に増加するおそれがある。このことは、マイホーム購入で立地の選択を誤ると住宅の価値が大きく落ちる、空き家の増加で快適性が損なわれる、犯罪率が増加するなどの負のスパイラルに巻き込まれる可能性があることを意味し、それは都市部であっても例外ではない。

長嶋修(ながしま・おさむ) 1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所(http://sakurajimusyo.com/)」を設立、現会長。「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。国土交通省・経済産業省などの委員を歴任し、2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度を整えるため、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(http://www.jshi.org/)を設立し、初代理事長に就任。『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)『「マイホームの常識」にだまされるな!』(朝日新聞出版)など、著書多数。

http://www.nikkei.com/money/features/73.aspx?g=DGXNMSFK1003V_10022014000000&n_cid=DSTPCS008

 

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コメント
 
01. 2014年2月17日 21:10:34 : nJF6kGWndY
>国交省は中古住宅やリフォーム市場の育成に舵(かじ)を切っているものの、一方では新築住宅建設の促進も行われている。税制優遇などで新築住宅建設を促進しながら、一方ではやはり税金を投入して空き家対策を行っている

本来は、世帯の小型化や貧困化、高齢化に合わせて、駅近の集合住宅の建設を促進し、

政策効果が低い戸建への助成は止めるべきなのだが

こうやって長期的には非効率な投資に金と資源を浪費し、一部の階層だけに利益を与えて、見かけのGDPを水増しするのは、まさに旧来の自民党体質

一時的で一律なバラマキ補助金より遥かに悪い



02. 2014年2月18日 11:43:50 : NrnWIa4XYo
「次元を超えた金融緩和」と言うのに基礎年金を減らせば、今の日本の国際競争力低下や不況から言って、不動産所有は高リスク。
不動産所有したって、維持にものすごい出費を強いるようなシステム、それに建物総量を規制する気が全くない。安価な公的、半公的住宅などもどんどん増える。 → だから不動産価格はどんどん落ちる。 → それであまり不動産を所有しようとしなくなる。 → 戸建てにしろマンションにしろ賃貸にならなるべく面積を減らさないと出費が苦しい。 → 年金減や不況で不安な上に狭いところに済んでいたら、子供はあきらめるか最低限にするのが普通。 → それで空家(特に戸建ての)が多い一方で狭い所に無理に住んでいる人が多い。 → それで都市いあ一部への人口集中化が進み、更に残りの広い地域が荒れていく。 → それで更に不動産所有を躊躇う人が増え → また同じスパイラル。
そもそもソーラー発電だって広い庭がある家なら、わざわざ家の屋根のつける高コスト事をしなくたって、庭のパーゴラや物置などの屋根に安くつけられるのにそれをできる戸建ての家は少ない。屋根があると建物の扱いになるので建蔽率の問題で制約がある。それでソーラー発電のチャンスも減るからその分、LNGなどを輸入せねばならなくなり経常収支もより赤字になる。あげくに原発はやはり必要と言い出すから、いざ事故の時は持ち家の価値低下リスクは高まるからまた住宅所有は躊躇する人もいる。
いつマトモにするのかね。

03. 2014年2月18日 13:02:41 : NrnWIa4XYo
02です。
訂正箇所あり。
それで都市いあ一部への人口集中化 → それで都市や一部への人口集中化
屋根のつける高コスト事 → 屋根につける高コストな事

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