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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140216/ecn1402160726002-n1.htm
2014.02.16 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
優良物件ならまだしも最近は投資の対象になりづらい(写真と本文は関係ありません)
一般の方からのマンション購入に関する相談を承ることが多い。有料相談にこられる方は、だいたいが富裕層と呼んでいい人たちだ。
彼らが私に相談する内容は、ほぼ同じベクトルを持っている。「このマンションを買って損をしないか」「このマンションは10年後にいくらで売れるのか」
10年後のことなど誰も分からないが「今の経済情勢がさほど変わらない」という条件付きなら、ほぼ推定できる。「この物件なら2割減価」「こちらの物件なら4割は落ちるでしょう」というようにお答えしている。
富裕層は、たくさんお金を稼ぐだけあって、資産価値には敏感だ。マイホームを購入するにあたっても、できるだけ損をしないように、あるいは得ができるように考える。それ自体は、何も間違っていない。マイホームを上手に購入すれば、資産形成にも役立つ。現に、マイホームを買い替えながら資産を増やしているケースが今でも多く見られる。
ただ、人口減少の時代に突入した今、そういう幸運な例は徐々に少なくなるだろう。この国は、住む人自体が減っているのに、新築住宅をハイペースで造り続けている。昨年の新設住宅着工数は98万戸超。これでは、いずれ供給過多が顕在化するだろう。そうなれば目に見える形で住宅の取引価格や賃料が下落し始めるはずだ。
住宅の価格は今後「どれくらい値上がりするか」ということよりも、「値下がり幅はどの範囲に収まるか」ということを基本に考えるべきである。
そういった時代なのに、いまだに住宅購入を投資の一種だと考える方もいる。そう考えるのは自由だが、成功率はかなり低いと思う。それこそ、都心の一等地にできたマンションを、市場が低迷している時期に安く買って、今のように多少浮揚しているタイミングで売るとキャピタルゲインが出るかもしれない。しかし、そんな芸当はプロでも難しい。
さらに、新築でマンションを購入し、10年後に売却すれば、賃貸よりもコストがかからずに得をする、という考え方もある。確かにその通りだけれど、それは10年先の下落幅が予想の範囲内に収まっていた場合であって、想定外だと逆に賃貸の方が安く上がる可能性もある。
前にも書いた通り、不動産業界内では「商売ができるのはオリンピックが終わるまでの6年半」という説が囁かれている。10年先はどうなっているかは分からない。
マイホームというのは、基本的に住むために買うのであって、投資でもギャンブルでもない。なるべく資産価値のある物件を買うに越したことはないが、それのみを基準に選ぶのは本末転倒だろう。また、あまり健全だとは思えない。
これからの時代、多くの人にとってマイホーム取得は難しいことではなくなるだろう。選択肢も増えるはずだ。しかし、何を基準に選ぶのか、自分の中にしっかり価値観を持っておかないと、購入後に「こんなはずではなかった」ということになりかねない。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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