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中国に食い物にされる日本企業〜アイデア盗用、理不尽な要求を強制、料金踏み倒し
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140216-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 2月16日(日)7時12分配信
ビジネスの決め手はコネとワイロ――これまで中国でのビジネス現場で囁かれてきた暗黙のルールだが、これを裏付け、日本企業を食い物にしている現実を明かすのは、『猛毒中国ビジネス 中国人OLは見た!』(張 益羽/講談社)だ。
同書は、日本の某中堅広告代理店で上海万博プロジェクトの最前線に立った中国人女性(著者)が遭遇したショッキングな体験を綴ったもので、日本企業の中国進出の30年は、ただ中国人に「喰われる」ばかりだったのではないか、という。
彼女の体験を基に、中国でのビジネスを見ると、「灰色収入」という名のワイロやキックバックの金額で決まる入札など、アンフェアな光景が広がっていた……。
●コンペを繰り返した揚げ句、アイデア盗用
まずは、プロジェクトのコンペの段階では無限コンペ地獄が待っている。世界中の広告代理店が優秀なチームを編成し、クリエイティブな企画案を提案したコンペだが、プレゼンの回数が多すぎる。
「プレゼンも無事終了。結果の連絡を待っていたら、2週間後、『2次プレゼンを行います。企画案をブラッシュアップし、また来てください』という知らせをもらいました。
1週間後ほぼ徹夜状態で、要求に従って企画書を再度つくり直し、上海に飛びました。(略)2次プレゼンでは、1次プレゼンの審査員とはまったく違うメンバーが出てきて、プレゼンを聞いていました。さすがにこれで決定するだろうと思っていましたが、10日後、意外にも3次プレゼンの知らせが届きました」
プレゼン費用と出張費はすべて持ち出しで経費が膨らみ、さらに3次プレゼンに参加すると、中国側から「案の方向性を修正してほしいのでもう少し上海に滞在してください」との依頼で、滞在を延長することになった。
すると、今度は軟禁生活が待っていた。
「朝8時半から会議室で待機です。しかし、会議の開始時刻も終了時刻も知らされません。中心人物であるトップは、そのスケジュールが流動的らしく、いつも急に会議室に入ってきて、会議をスタートします。(略)21時くらいにやっと解放されますが、ホテルに戻ってからは修正作業です。そして夜中でも電話がかかってきます。『今、トップから新しい構想が出たので、すぐ会いたい』と言われると、何時であってもすぐ行かなければなりません」
まったく出口の見えない毎日で、精神状態も限界に達したスタッフは日本に逃げ帰ることになった。結果は、コンペに出ていなかった中国企業が受注した。しかも、各国企業のプレゼン内容がパクられていたことが判明。つまり、プレゼンとは名ばかりで、無償でアイデア出しに参加させられていただけなのだ。
中国の、特に政府や行政機関が関わるコンペではプレゼンを重ね、なかなか結果を出さないことが多いが、その背景には内部の関係者の利権争いがあり、中国企業でも翻弄されているほどだという。
さらに国際的なプロジェクトとなれば、外国企業をコンペに参加させることで公平さを国内外にアピールするという狙いがある。それだけに余計に結論が出なくなり、最終的にはコネの強い中国企業による外国企業の魅力的なプランの盗用という結果になるのだ。
●理不尽な条項に不払い・踏み倒し
もし、プレゼンに成功しても、次に待っているのは過酷な交渉、契約の現場だ。
契約交渉も丸一日かかり、先方は「こんな大企業と契約できるのは、大変光栄なことだよ」と反論ができないほど高圧的な態度で、強気に要求を突きつけてくるのだ。
契約の場では暗黙のルールがある。それは「お金を出したほうが強い。お金を出した側は、絶対的な権利を持っている」という中国の普遍的なルールで、このため、契約には理不尽な「覇権条項」を入れてくる。「覇権条項」とは、例えば次のようなものだ。
「業務がすべて完成してから、甲(発注側中国企業)は検査し、甲が問題ないと認めてから、支払い手続きに入る」
「当該プロジェクトのすべての権利は、甲が所有し、甲は、自らの需要や要求によって、変更や修正する権利を有す。乙(受注側外国企業)はこれについて異存がない」
こういった契約では、中国企業が一方的に「これは我々が求めているものではない」と判断すれば、1円も支払いをせずに強引な契約解除も可能になってしまうのだ。
●猛毒化する中国
また、もめた場合の裁判地だけは譲ってはならないと著者は指南する。裁判地が中国国内では、日本企業が勝つ可能性はほぼゼロ、公平な裁判を受けるためには裁判地はせめて第三国にすべきといわれている。
「よく選ばれる第三国はシンガポールです。理由は距離的に近く、英語が主要言語になっているうえ、政治や経済の関係性からみても、中国からの圧力が少ない国だからです。ただ、シンガポールで裁判を行う場合、裁判費用が相当かかりますので、企業に体力がない限り、この1回の裁判でかなり消耗してしまいます。実際はすでに半分負けているようなものです。それでも、なるべく中国国内を裁判地にせず、せめて香港を裁判地にしたほうがいいでしょう」
契約地獄の次は請求地獄だ。納品後に不払い・踏み倒しが待っている。中国国営企業でも、請求してから支払うまで最短で2〜3カ月かかるという。
「中国企業、特に国営企業の中には、会社ぐるみで不払いを奨励しているところもあると聞いたことがあります。そういう会社では、買掛金を踏み倒すと財務担当者の成績が上がります。つまり、『支払わない』ということが能力として評価されるのです」
中国では拝金主義が優先し、手元にできるだけお金を抱え込もうとする。コネと交渉で、債権を回収するしかない。著者によれば、中国は日本のような信頼社会でもなければ、欧米のような契約社会でもない。「中国はコネ+交渉の社会」なのだという。
これまで日本人が中国市場に抱いていた「儲かる」というビジネス幻想を払拭させるに十分な内容だ。
といっても、中国を笑うことはできない。日本のビジネスの現場でも、コネやワイロ(お金かどうかや、その多寡はともかく)によって仕事が円滑に進むことも多いという現実は、ビジネスパーソンならば知っている話だ。ただ、中国の場合は圧倒的なスピードの資本主義化が進んでいるために、必要悪がグロテスクなまでに猛毒化してしまったということなのかもしれない。
編集部
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