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コラム:海外勢の関心低下するアベノミクス、日米株価にギャップも 2014年 02月 14日 13:52 JST 田巻 一彦[東京 14日] -今年に入って海外勢の日本株に対する買い姿勢が消極化している。昨年は日本株を15兆円買い越したが、今年は前週まで1兆1000億円の売り越しに転じた。海外勢の一部にはアベノミクスへの関心が低下していると明確に指摘する声もある。 世界経済の中で米経済の明るさを意識する市場関係者が増えており、ヘッジファンドは米株買いに向かいつつあるとの見方も出ており、日銀の追加緩和などの大きな環境変化がなければ、日米の株価トレンドにギャップが生じる可能性が高まるだろう。 <海外勢が今年に入って日本株を1兆1293億円売り越し> 財務省が14日に発表した2月2日─8日の対外対内証券投資によると、対内株式投資は764億円の処分超だった。海外勢は3週連続で売り越しており、1月5日から2月8日までネットで1兆1293億円の売り越しとなっている。 昨年の買い越し額が15兆円に膨れ上がったのと比べると、海外勢の日本株売買の落差に驚かされる。 ただ、ヘッジファンドと取引している内外金融機関関係者の話を総合すると、彼らが日本株処分のポジションに切り替わったわけではないようだ。大規模な処分売りの決断はしていない一方、昨年のように日本株を買い上げる方針もないとみられている。 その本音を探ると、日本株やアベノミクスに対する「関心度合いの大幅な低下」や「飽き」にたどり着く。 <大胆な規制緩和出ず、第3の矢に失望する海外勢> アベノミクスの第1の矢で日銀が「異次元緩和」を実行し、これに外為市場が反応して大幅に円安が進行。円安を好感して日経平均が暴騰に近い値上がり現象を起こし、個人や企業のマインドが好転した。 第2の矢で大規模な財政出動も展開し、海外勢の目にもはっきりと映る国内総生産(GDP)のかさ上げを実現し、「日本は変わった」とのメッセージを内外に発信した。 ここまでは大成功だったわけだが、第3の矢の成長戦略作成の段階になって、海外勢の期待は大幅に低下したようだ。「いつまでたっても、大胆な規制緩和が出てこない」(外資系証券の関係者)というのが大方の海外勢の印象だろう。 それでも期待して待っていた向きも存在していた。だが、そうしたアベノミクス・シンパの姿も昨年末には消え、いつの間にか「日本経済とアベノミクスに対する関心は、海外勢の中でほとんどなくなっている」(別の外資系証券関係者)という状況になってしまったようだ。 <米株に関心示すファンド勢> ある市場関係者は、米欧のヘッジファンドの関心が米経済の好調さに注がれ、底を打ち始めた欧州経済という要素も加わって、米欧株式への投資に比重がかかりつつあると指摘する。 寒波の影響を受け、足元の経済データが弱めに推移している米経済だが、債務上限問題が解決し、財政面からの懸念が大幅に後退している中で、シェール革命の恩恵でエネルギーコストが低下し、ビッグデータ活用の面などでイノベーティブな投資が活発化。個人消費と設備投資の両輪が回り出し、理想的な成長パターンを実現する可能性が出てきている。 ヘッジファンド勢の中には、そうした経済情勢を材料に、米株ウエートを上げようとしているところがあるようだ。 <13年度に経常赤字転落のリスク> 一方、日本経済には不安な要素も目に付き始めた。海外勢も注目する経常収支は、2013年が3兆3061億円と過去最少となった。また、4月─12月の累計では、黒字額が1兆7217億円にとどまっている。 今年1─3月の経常収支は、赤字が連続するとみるエコノミストが多く、13年度の経常収支が赤字に転落する可能性を指摘する声も出始めた。 今年1月上中旬の貿易収支は2兆0150億円の赤字となっている。前年同期の赤字は1兆1763億円。1月全体では1兆4798億円の赤字だった。同じ時期の所得収支が1兆2310億円の黒字だったが、経常収支は3484億円の赤字に転落した。前年の流れから類推すると、今年1月の経常収支はかなりの規模の赤字を記録しそうだ。 2月と3月も赤字が連続するとのエコノミストの予想が的中するなら、年度ベースで初の経常赤字転落は、決してありえない「悪夢」とは言えないだろう。 <低下する日本経済への期待感> 海外勢がこの経常赤字転落を見た時に、何を考えるのか──。教科書的には、日本国債売りを仕掛けるということになるのだろうが、欧米のヘッジファンドは過去に何度も売り仕掛けし、そのたびに手痛い敗北を喫してきた。その記憶が鮮烈なだけに、直ちに日本国債を売り浴びせることはしないだろう。 ただ、経常赤字の背景にあるのは、輸出産業の稼ぐ力の減退と、成熟した債権国への転換を円滑にリードできない日本政府のぜい弱さだろう。その点を海外勢が認識すれば、少なくとも昨年のように日本株は買ってこないと予想する。 とすれば、上昇が見込まれる米株と海外勢が買ってこない日本株との間に、大きなギャップが生じるリスクが存在するのではないか。 政府は6月をめどに新しい成長戦略を取りまとめる方針だが、それまでの間に日米の株価ギャップが拡大していると、日本に対する冷めた視線がさらに強まり、打ち出される政策への反応が鈍ることも予想される。 今のところ、日銀も現行の異次元緩和を維持するメッセージを繰り返しており、その点も海外勢には相当、織り込まれてきた。日本経済やマクロ政策に対する海外勢の期待感を取り戻すハードルは、相当、高くなっている。 米国株式市場は続伸、主要3指数はそろって2週連続の上昇 2014年 02月 15日 08:30 JST [ニューヨーク 14日 ロイター] - 14日の米国株式市場は続伸し、主要株価3指数はそろって2週連続の上昇となった。相場はほぼ全面高の展開となった。
ナスッダクは2000年以来の高値で終了したほか、S&P総合500の10業種のうち、通信株.SPLRCLを除く9業種がプラス圏で終えた。景気敏感株とされるエネルギー株.SPNYは1.5%高と、最も上げが目立った。 同日発表された1月の輸出物価は0.2%上昇し、変わらずとしていた市場予想を上回った。上昇は3カ月連続。世界経済の需要動向や米製造業の先行きを見通す上で、明るい兆候を提供した。 一方、1月の鉱工業生産指数は前月比0.3%低下した。異例の寒波の影響で製造業が0.8%と2009年5月以来の大幅な下げとなったことが響いた。 だが米景気の減速ではなく寒波による影響との見方から、市場はこのところの弱い指標も材料視していない。 スタンダード・ライフ・インベストメンツの米株部門責任者ジェフ・モリス氏は「天候は状況を都合の良いように解釈する言い訳になりやすいが、全米の約半分の地域が寒波による影響を実際に受けており、それだけで弱い指標を懸念しない十分な理由になり得る」と指摘した。 異例の冷え込みにもかかわらず、2月の米ミシガン大消費者信頼感指数は81.2と、前月から横ばいの水準を維持した。 ダウ工業株30種.DJIは126.80ドル(0.79%)高の1万6154.39ドル。 ナスダック総合指数.IXICは3.36ポイント(0.08%)高の4244.03。 S&P総合500種.SPXは8.80ポイント(0.48%)高の1838.63。 週間ではダウ、S&Pがともに2.3%上昇、ナスダックは2.9%値を上げた。主要3株価指数はそろって2週連続の上昇となった。 紳士服販売のジョス・エー・バンク・クロージャーズ(JOSB.O)は0.4%上昇。同社はアウトドアウエア専門のエディー・バウアーを8億2500万ドルでプライベート・エクイティ(PE)のゴールデン・ゲート・キャピタルから取得すると明らかにした。 ジョス・エー・バンクに買収提案していたメンズ・ウエアハウス(MW.N)は5.3%急落した。 保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N)は1.2%下落。同社は前日、予想を上回る第4・四半期決算を発表するとともに、増配、および自社株買いの拡大を明らかにしていた。 ニューヨーク証券取引所では全体の約64%、ナスダックでは50%の銘柄がプラス圏で取引を終えた。 BATSグローバル・マーケッツのデータによると、ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約51億株だった。 (カッコ内は前営業日比) ダウ工業株30種(ドル).DJI 終値 16154.39(+126.80) 前営業日終値 16027.59(+63.65) ナスダック総合.IXIC 終値 4244.03(+3.36) 前営業日終値 4240.67(+39.38) S&P総合500種.SPX 終値 1838.63(+8.80) 前営業日終値 1829.83(+10.57)
来週のG20は市場の混乱が焦点、日本は内需拡大を=米政府高官 2014年 02月 15日 09:29 JST [ワシントン 14日 ロイター] -米政府高官は14日、オーストラリアのシドニーで22─23日に行われる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議について、最近の金融市場の混乱に焦点が当てられるとの見方を示した。記者団に述べた。 また日本は内需拡大による景気刺激を行うべきとする米政府の立場をあらためて強調した。大規模な金融緩和は、円安により輸出を促進するための手段として用いられるべきでないとの姿勢を示唆したとみられる。 欧州に対しては、融資の低迷が経済成長を阻害しているとして銀行システムの強化に一段と積極的に取り組むよう求める。 同高官は「(銀行に対する)厳格な資産査定とストレステスト(健全性審査)はユーロ圏の銀行部門の信頼回復の中心となる」と述べた。 さらにドイツなど欧州の経常黒字国は経済に占める内需の割合が非常に小さく、世界経済を圧迫する要因になっているとのあらためて指摘した。 ユーロ/ドルが3週間ぶり高値、予想上回る欧州成長率受け=NY市場 2014年 02月 15日 08:43 JST [ニューヨーク 14日 ロイター] - ドル/円 終値 101.79/84 始値 101.79/83 前営業日終値 102.15/17 ユーロ/ドル 終値 1.3692/95 始値 1.3704/07 前営業日終値 1.3679/81 14日終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロ圏域内総生産(GDP)が予想を上回ったことで、ユーロが対ドルで約3週間ぶりの高値をつけた。 ドルは対円でも下落し0.28%安の101.87円。 ドル/スイスフランは0.2%安の0.8918フラン。 ユーロ/ドルは一時1.3715ドルまで上昇し、終盤は1.3699ドルとなった。 ユーロ圏の第4・四半期GDPが前期比0.3%増と予想を上回る一方で、1月の米鉱工業生産指数は4年半ぶりの大幅な落ち込みを記録した。 ユーロ圏GDPを受けて欧州中央銀行(ECB)が3月の理事会で利下げに踏み切るとの観測は後退するとみられる。 ラボバンクの主任為替ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「成長率が堅調な結果となれば、デフレの可能性が低下し(ECBの)ドラギ総裁が行動を起こす公算も小さくなると市場は受け止める」と述べた。 同氏は「少なくとも数カ月間」ドラギ総裁はインフレの動向を見守るとの見方を示し、3月の理事会では政策変更はないと予想した。 主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時80.065まで下落し年初来最低水準をつけた。終盤は0.16%下落の80.199。 ポンドは対ドルで4日続伸し0.5%高の1.6739ドル。対ドルでの上昇を受けて主要通貨に対して約5年ぶりの高値をつけた。 前日下落した豪ドル/米ドルは反発し0.6%高の0.9033米ドル。中国の消費者物価指数が2.5%上昇し予想とおおむね一致する結果となったことが支援した。 中国はオーストラリアの主要な輸出市場のため、中国経済に対する市場の見方が豪ドル相場に反映される傾向がある。 2月14日の海外株式・債券・為替・商品市場
(ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。 ◎NY外為:ドル下落、米製造業の生産指数が大幅低下 ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。1月の米鉱工業生産で製造業の生産指数が予想外に低下し、2009年5月以来の大幅なマイナスとなったことが背景。 ユーロは対ドルで続伸した。ユーロ圏の2013年第4四半期(10−12月)の域内総生産(GDP)成長率が市場予想を上回ったことが手掛かり。 ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブローク氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、「今週の米経済指標は全般に低調で、ユーロ圏の指標はそこそこ堅調だったため、ドルは劣勢な状態で今週を終えている」と指摘。「ドルの軟調バイアスは来週も続く可能性があると見込んでいる」と述べた。 ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は前日比0.3%低下して1017.47。一時は1016.98と、昨年12月18日以来の低水準となった。週間では0.6%下げた。 ドルは対円で0.4%安の1ドル=101円80銭。週間では0.5%下落。ドルは対ユーロでこの日は0.1%安の1ユーロ=1.3693ドル。一時は1.3715ドルと、先月27日以来の安値水準をつけた。円は対ユーロで0.3%高の1ユーロ=139円39銭。 「厳しい天候」 米国では大雪の影響で過去3日間に航空便の欠航が相次いだほか、大規模な停電が発生した。米経済統計の実数値とエコノミスト予想の差違を示すシティグループ経済サプライズ指数 は前日に10週間ぶりの低水準に下げた。 キャピタル・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は顧客向けリポートで「今後発表される昨年12月と1月の経済指標で著しい悪化が見られれば、厳しい天候が主因だったと当社では予測する」と指摘。「通常の天候に戻れば、それがいつであろうと、著しい改善が見られるだろう」と述べた。 米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した1月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)によると、全体の75%を占める製造業 の生産指数は前月比0.8%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%上昇だった。1月の全体の鉱工業生産指数は0.3%低下し、昨年4月以来の大幅なマイナスとなった。 2月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は81.2と、前月から横ばいだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は80.2への低下だった。 円は高い 円相場は日本株が下落する中で上昇した。TOPIXは14日に1.3%、日経平均株価は1.5%それぞれ下落した。 ユーロは対ドルで週間ベースでも続伸。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した10−12月の域内総生産 (GDP)速報値は前期比0.3%増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は0.2%の成長率だった。 原題:Dollar Drops as Factory Production Slips on Weather; PoundGains(抜粋) ◎米国株:続伸、S&P500が最高値接近−好決算や景気楽観で 米株式相場は続伸。S&P500種 株価指数は最高値にあと10ポイント未満となった。予想を上回る企業決算に加え、景気への信頼感が継続していることが買いを誘った。 オクシデンタル・ペトロリアムは上昇。企業分割計画の最終的な措置の一環としてカリフォルニア州の事業を分離すると明らかにした。業績が予想を上回ったクリフス・ナチュラル・リソーシズとキャンベル・スープも上昇。一方、紳士服小売りチェーンのメンズ・ウェアハウスは大幅安。同社が買収提案していた同業のジョス・A・バンク・クロージャーズは「エディー・バウアー」ブランドの買収を提案した。 S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1838.63で終了。週間では2.3%高と今年に入って最大の上げとなった。ダウ工業株30種平均は126.80ドル(0.8%)上昇し16154.39ドルで終えた。 バンヤン・パートナーズのチーフ市場ストラテジスト、ロバート・パブリク氏(ニューヨーク在勤)は「市場参加者はなお景気が良い方向に向かっていると考えて、押し目買いを狙っている。彼らは下げはまだ新鮮な動きと認識し、好機と捉えている」と述べた。 S&P500種は3日に付けた3カ月ぶり安値から5.6%戻している。量的緩和の縮小が続いても経済成長は力強さを維持するとの見方が背景にある。終値ベースでの最高値は1月15日に付けた1848.38。その後は中国の景気減速兆候や新興市場通貨の混乱を嫌気して5.8%下げていた。ダウ 平均は昨年12月31日に付けた最高値を2.5%下回っている。 経済指標 1月の米鉱工業生産は製造業の生産指数が予想外に低下し、2009年5月以来の大幅なマイナスとなった。製造業の生産指数は前月比0.8%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%上昇だった。 2月の米消費者マインド指数は市場予想を上回った。米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は81.2と、前月から横ばいだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は80.2への低下だった。 RWベアードのチーフ投資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は「どこでもひどい天候となっており、データの大半が非常にゆがめられている可能性がある。天候要因が落ち着き、データを見極める上で3月と4月の数字を見るまで、金融当局は様子見の姿勢を取るだろう。景気がどの程度良いかあるいは悪いかをめぐり、見通しが晴れ始めるだろう」と述べた。 決算 予想を上回る決算も今週の買い材料となった。S&P500種の構成銘柄ではこの日、7社が決算を発表した。ブルームバーグがまとめたデータによると、これまでに決算を発表した400社のうち75%で利益がアナリスト予想を上回った。売上高が予想を上回ったのは64%。 ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、S&P500種構成銘柄の第4四半期決算では増益率が8.4%、増収率が2.9%となっている。 オクシデンタルは3.8%高。クリフスは5.8%、キャンベルは5%それぞれ上げた。 メンズ・ウェアハウスは5.3%下落した。ジョス・A・バンクは0.4%高。 原題:S&P 500 Nears Record on Corporate Earnings, Optimism inEconomy(抜粋) ◎米国債:10年債は約2週ぶり高利回り、緩和縮小継続の観測 米国債相場は下落。このところ軟調な経済指標について金融当局は景気回復の腰折れではなく悪天候の影響と判断し、債券購入プログラムの縮小を推し進めるとの見方が市場で広がっている。 朝方発表された1月の米鉱工業生産指数では、製造業の生産指数が2009年5月以来の大幅なマイナスとなった。また消費者信頼感の指数は横ばいだった。こうした経済指標を受け、米国債はもみ合う展開となった。前日発表の指標では小売売上高が減少し、新規失業保険申請件数は増加した。ダラス連銀のフィッシャー総裁はこの日、厳しい寒波の影響で米経済の成長は減速しているものの、金融当局は段階的に債券購入を縮小させる戦略を続けるべきだとの認識を示した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は今週の議会証言で、経済の「見通しが著しく変化した場合」のみ、政策当局は債券購入の縮小ペースを減速させると説明した。 ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッド・コード氏(ニューヨーク在勤)「金融当局は債券購入の縮小計画を変更しない。イエレン議長がはっきり表明した」とした上で、「現在の経済情勢を説明するのは難しい。天候の影響が大きいためだ」と続けた。 ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.74%。一時2.78%と、1月29日以来の高水準を付けた。週間では6bp上げ、2週連続の上昇となった。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格はこの日3/32下げて100 2/32。 5年債利回りは2bp上昇し1.53%。 金融当局の認識 フィッシャー総裁は債券購入の縮小について、「経済に極めて深刻な脅威をもたらすような事態」が発生しない限り、今後の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合ごとに債券購入を縮小させる政策を支持する考えを示した。 総裁はブルームバーグラジオのインタビューで、「縮小の継続方針を変更すべきだと考えてはいない」とし、「金融当局とて自然の影響を相殺することはできない。経済は正しい方向に進んでいる」と述べた。 イエレンFRB議長は11日の下院金融委員会での議会証言で、バーナンキ前議長が主導した政策を継続し、「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる考えを表明した。 経済指標 2月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は81.2と、前月から横ばいだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は80.2への低下だった。 FRBが14日発表した1月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)によると、全体の75%を占める製造業の生産指数は前月比0.8%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%上昇だった。前月は0.3%上昇(速報値0.4%上昇)に下方修正された。1月の全体の鉱工業生産指数は0.3%低下した。 前日は1月の小売売上高が前月比0.4%減となったほか、先週の新規失業保険申請件数は増加した。 キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「3月か4月の統計が出ればもっと見通しがきくようになる」と述べた。 原題:Treasuries Fall on Speculation Fed Won’t Stop TaperingPurchases(抜粋) ◎NY金:8日続伸、週間では昨年8月以来の大幅高−逃避需要 ニューヨーク金先物相場は8日続伸。週間ベースでは昨年8月以来の大幅上昇となった。米経済の回復ペースが失速しつつあるとの懸念を背景に、安全逃避資産としての金買いが膨らんだ。1月の米鉱工業生産は製造業の生産指数が予想外に低下し、2009年5月以来の大幅なマイナスとなった。 STAウェルス(ヒューストン)のランス・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「金は下落トレンドが途切れており、一定の買いが入ることが予想される」と指摘。「米経済は健全でないことが徐々に明らかになりつつあるため、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長を中心とする当局は緩和策を解除しないだろう」と述べた。 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4月限は前日比1.4%高の1オンス=1318.60ドル。週間では4.4%高と、昨年8月16日終了週以来の大幅上昇。 原題:Gold Posts Biggest Weekly Rally Since August on HavenDemand(抜粋) ◎NY原油:100ドル超を維持−消費者信頼感指数が予想上回る ニューヨーク原油相場はバレル当たり100ドル超で終了。終値で100ドルを超えるのは今週4回目。朝方発表された2月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は81.2と、前月から横ばい。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値80.2を上回った。 ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「経済関連のニュースはそれほど悪くはない」とし、「100ドル付近にかなり力強いサポートがある。クッシングの在庫は大きく減った」と述べた。 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日比5セント安の1バレル=100.30ドルで終了。週間では0.4%上昇となった。 原題:WTI Oil Holds Above $100 as U.S. Consumer ConfidenceStrengthens(抜粋) ◎欧州株:上昇、ユーロ圏GDP統計を好感−週間でもプラス 14日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は週間ベースで年初来最大の上げとなった。ユーロ圏経済成長率が予想を上回る伸びだったことが好感された。米経済指標で鉱工業生産指数が予想を下回ったものの、消費者マインド指数が予想に反して横ばいとなったことも注目された。 ドイツの鉄鋼会社ティッセンクルップ は昨年5月以来の大幅高。第1四半期利益がアナリスト予想を上回った。銀生産大手の英フレスニーヨが素材株の上げを主導した。一方、スイスのエレベーターメーカー、シンドラー・ホールディングは1%下げた。 ストックス欧州600指数 は前日比0.6%高の333.32で引けた。前週末比では2.5%上昇し、昨年12月20日終了週以来の大きな上げとなった。 ロベスコSAM(チューリヒ)のポートフォリオマネジャー、カイ・ファシンガー氏は「米鉱工業生産が予想を下回ったものの、投資家らは落ち着いている」とし、「今のところ根本的なセンチメントはまだ前向きだ。さらに、欧州のマクロ経済に関するこの日のニュースも良かったため、クッションとしての役割を多少果たした」と述べた。 欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した昨年10−12月(第4四半期)の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増と、伸び率は7−9月(第3四半期)の0.1%を上回った。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.2%だった。 14日の西欧市場では18カ国中17カ国で主要株価指数が上昇。仏CAC40指数は0.6%、独DAX指数は0.7%それぞれ上げた。 イタリアのFTSE・MIB指数 は1.6%高と、2011年7月以来の高水準に達した。レッタ首相の辞任で、最大のライバルだったレンツィ民主党党首率いる新政権が成立する道筋が開けた。 原題:Europe Stocks Advance on U.S. Confidence, Euro-Area GrowthData(抜粋) ◎欧州債:イタリア債利回り、8年ぶり低水準に接近−首相が辞任 14日の欧州債市場ではイタリア国債が上昇し、10年債利回りは2006年以来の低水準に接近した。レッタ首相の辞表提出を受け、改革が再び動き出すとの見方が強まった。 イタリア10年債は続伸。この日の発表によれば、同国経済は昨年10−12月(第4四半期)に前期比ベースで約2年ぶりのプラス成長を遂げた。同国議会の最大勢力である民主党のレンツィ書記長(党首)は13日、選挙を避けたい考えを示している。スペインとポルトガルの国債も上昇。一方で、ドイツ国債は値下がりした。 KBCバンクの調査アナリスト、マティアス・ファンデルユフト氏(ブリュッセル在勤)は、イタリア「大統領がレンツィ氏に組閣を要請するだろうとの期待は大きい」とし、「切望されている改革をレンツィ氏なら恐らく実施できると市場が信頼を寄せているのは明らかだ。少なくとも短期的には好材料だ。ただし、これで国債利回りが一段低下するかどうかは別の話だ」と語った。 ロンドン時間午後4時30分現在、イタリア10年債 利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.68%。12日には3.66%と、06年2月以降の最低を記録。同国債(表面利率4.5%、2024年3月償還)価格はこの日、0.235上げ107.10。 イタリア国家統計局が発表した10−12月期国内総生産(GDP )は前期比0.1%増。7−9月(第3四半期)は横ばいだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。 ドイツ10年債利回りは前日比2bp上昇し1.69%。フランスの10年債利回りも2bp上げ2.28%、同年限のベルギー国債 利回りは1bp上昇の2.44%となった。 英国債相場は下落。10年債利回りは1bp上昇の2.80%。前週末比では9bp上昇した。同国債(表面利率2.25%、2013年9月償還)価格は0.06下げ95.43となった。 原題:Italian Bond Yields Fall Toward Eight-Year Low as LettaResigns(抜粋)Pound Rises for Fourth Day as Construction Adds to Growth Signs(抜粋) 記事についての記者への問い合わせ先:ニューヨーク 西前 明子 +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 更新日時: 2014/02/15 07:42 JST |