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安倍ノミクスで日本売り
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52562601.html
2014年02月14日 在野のアナリスト
安倍首相による「憲法解釈は私が責任をもつ」発言。波紋がひろがっています。それは当然で、例えば左系の政党が政権をにぎったとき、自衛隊は違憲だから解散、といって組織を失ってしまえば、建て直しにかなりの時間を要します。つまりその時々の首相が勝手に変える、という訳にはいかないものなのです。しかもこの件が特異なのは、安倍政権になって初めて、失言を失言として報じられる、ということでもあります。これまでも失言はありましたが、それは半ば無視されてきた。人間のくず、もそうですが、安倍氏の周りには失言癖のある人物ばかりであり、今後そうした失言に集中攻撃を浴び、政権が弱体化するその端緒になりそうな気配です。
きっかけは経済面です。今日も、大した理由もなく日経平均は急落です。今日の動きは明らかに2月SQ値を下回り、一気に先物系が売りたてた、といった感じですが、買い支える向きも少なかった。最近、海外勢は安倍氏がNY証取で行った講演の「Buy my Abenomics」をもじって「Bye-Bye Abenomics」とし、日本からの撤退を推奨する向きもあるようです。1月は1兆円ほど売り越しになりましたが、昨年の15兆円をイーブンにもどすだけで、後14兆円あります。さらに、今年に入って国内勢が買い越していますが、ここを追証まで追いこめば、更に下が叩けます。先物系が下を狙って動きやすい、そんな相場つきであることが今日の下落にもつながっています。
今はもう3本の矢どころか、1本の矢も飛んでいない状況です。矢は自らエンジンを積んでいないため、放っておいても落ちます。しかもこの矢、真上に射たため、それが刺し貫くのは射た本人です。いつまでもそこに立ち止まっていれば、串刺しになるのは自ずと安倍氏本人になるのです。今、批判が噴出したのは、安倍氏の放った矢の向きが変わった、ということです。
しかも、日本では円安によるJカーブ効果はおきない、と指摘され始めました。日本は他の先進国も辿ったように、サービス業中心の経済体系に移行しつつあったのですから、むしろ当然です。しかも円安で、国内ではエネルギー調達コストが上がってしまった。これは米国と逆、製造業が海外に逃げる要因ともなります。これは原発再稼動でどうにかなる問題ではなく、むしろ将来の高負担を甘受するなら原発でもよいのでしょうが、それは日本の将来を危うくするだけです。結果的に、エネルギーを内製できる策もなく、円安に頼ったのが安倍ノミクスの失敗です。
気になるのが、米国では右肩上がりだった農地価格が、昨年末から下落が始まっている。以前から指摘していますが、米国の資産効果が切れ始めている。いずれ住宅価格にも波及するでしょう。投資、投機目的の買いではいずれ迎える終焉です。そしてそれが、日本株にも及んでいる。実に単純な構図で、日本が売り対象に入ってしまう。それも安倍ノミクス効果なのです。
未だに、来期も増益基調だとしてPERで割安、と述べる人もいますが、来期の減益要因が山積する中で、PERを軸に説明しても大して意味はありません。問題は需給であり、それは確実に今年、日本売りなのです。これは法人税減税でも変わらない。一瞬は好感しても、そもそも法人税を納めている企業の方が少ないのですから、3割ぐらいの企業にだけ恩恵があっても、相場全体の下支え要因にすらなりません。つまり今、安倍政権で語られていること、そのすべてが期待感を抱かせないのです。少なくとも、憲法解釈だけでなく、経済にも責任をもって欲しいところですが、相場が上がっているときは散々、口をだしてきた安倍政権の経済閣僚も、最近は市場の動きを無視し始めました。その責任感のなさが、安倍ノミクスに失望させる点でもあるのでしょうね。
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