http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/591.html
Tweet |
アベノミクス、構造改革が難航
2014年02月11日13:32
安倍晋三首相はこのほど、アベノミクスの3本目の矢である構造改革をPRした。安倍首相の言葉を借りるならば、これは「一連の政策を通じ、民間投資を促し、生産効率の向上により、日本の長期的かつ持続的な回復を促す」ことを指す。しかし構造改革は利益団体からの強い反発を受けており、構造改革の硬い氷は現在も打破されていない。人民日報が伝えた。
◆見栄えの良い改革
財務省が2月10日に発表したデータによると、2013年12月末現在、日本の「国の借金」は1017兆円に達し記録を更新した。経常収支は3兆3000億円に留まり、データの存在する1985年以来で最低水準となった。これにより日本経済の構造改革の重要な部分、財政再建能力が再び焦点になっている。
安倍内閣は昨年6月より一連の経済復興の成長戦略を進め、長年に渡り日本の発展を妨げてきた体制の壁を打破しようとしている。その主な内容は次の通りだ。
(1)税収源を拡大し、財政再建を拡大する。今年4月より消費税率が現行の5%から8%に引き上げられる。2015年までに、財政赤字がGDPに占める比率を2010年の半分にし、2020年には財政黒字を実現する。
(2)農業の活力を強化し、商品輸出を拡大する。安倍内閣は農業・農村部の所得10年倍増計画を打ち出した。今年より40数年間に渡るコメ生産調整を取り消し、減反を強制せず、農家に対する補助金を徐々に減額していく。
(3)投資・ビジネス環境を改善し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉に加わり、アジア太平洋の高度経済成長の勢いを借りる。国家戦略特区を設置し、一部地区で法律・税制の改革の試験を実施する。
(4)労働市場を改革し、女性の雇用を促進し、2020年までに管理層に占める女性の比率を30%にする。
しかし一部の政策は見栄えが良いが、実行に移すのは難しい。例えば女性社員の育児休暇を最長で3年間とし、女性の仕事と家庭の両立を促すとしているが、東京大田区の自動車部品加工企業の関係者は、「中小企業の当社は、女性社員に3年間の育児休暇を取らせ、職場復帰させる経済力がない」と語った。日本企業の男性中心的な「スーツ文化」は、短期間内には変えられない。
◆社会・経済の「長患い」、改革の障壁に
日本経済の構造改革は、社会・経済の「長患い」に関連してくる。安倍首相本人も「力強いドリルにより、既得権益の硬い岩を壊したい」と重ねて強調し、改革推進の決意を示しているが、日本経済の構造改革は現在も実質的な進展を実現していない。
農業改革を例とすると、安倍首相はTPP交渉により、国内の農産物が補助金により高価格を維持する体制を打破しようとしている。しかし農業団体の抗議を受け、最終的には一部農産物の輸入関税をTPP交渉加入の条件とし、米国の全面的なゼロ関税の要求に背き、交渉を遅らせた。
2012年末の衆議院選挙において、自民党の多くの議員はTPP反対を公約として当選した。自民党に所属する国会議員のうち過半数が、党内の反TPP議連に加入している。
日本経済の構造改革は、安倍首相に始まったものではない。この10年間に渡り、小泉純一郎氏から野田佳彦氏に至る歴代政権は、それぞれの改革計画を推進したが、効果は微々たるものであった。日本という先進国では、利益構造の固定化により、いかなる改革にも「一本の神経が全身を震わせる」という系統的なリスクが存在する。
ゴールドマン・サックスは年間経済予測報告書の中で、日本経済が社会保障支出および財政再建の問題を解決するためには、安定的かつ持続可能な経済成長が必要だと指摘した。この問題は長期的に存在する高齢化、産業空洞化、革新力の不足といった構造的な問題と密接に関連しており、政府がこれらの面で抜本的な対策を講じることは難しい。
世界3位の経済国である日本の構造改革がひとたび失敗すれば、世界経済の巨大なリスクになる。アベノミクスの3本目の矢は当初から疑問視されていた。日本政府は今年6月に新たな成長戦略を打ち出すが、消費増税により起こりうる景気低迷で、アベノミクスは今年下半期に大きな課題に直面するだろう。
中国社会科学院日本研究所所長助理、首席研究員の張季風氏は、「日本経済の構造改革は過去1年間で実質的に進展しなかった。デフレ脱却のため、日本政府は大胆な金融政策とフレキシブルな財政政策を講じた。前者は超量的緩和策を特徴とし、後者は日本政府の巨額の投資によって示された。これはケインズ主義の使い古されたやり方だ。この2つの政策は短期間内に一定の効果を得るが、構造改革に対する促進力は大きくない。この一年間で株価上昇、消費拡大、円安による輸出拡大が実現されたが、これは短期的な効果にすぎない。データを分析すると、日本の物価上昇が目標に遠く及ばず、プラスを維持している経済成長率も低下の流れを示している。表面的な内容だけで根本的な中身のない政策が、日本経済の構造的な問題に触れていないことが分かる」と分析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月11日
http://j.people.com.cn/94476/8532710.html
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。