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イオン、見えない子会社ダイエー再建の道筋〜広がるセブンとの差、異業態との競争激化…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140211-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 2月11日(火)4時15分配信
イオンの子会社となったダイエーは、2014年2月期連結決算の業績予想を下方修正した。本業の儲けを示す営業損益を当初予想の10億円の黒字から60億円の赤字(前期は26億円の赤字)へ70億円引き下げた。営業赤字は2期連続である。売上高に当たる営業収益は当初予想の8180億円を据え置いたが、最終損益は公表していない。
13年3〜11月期の連結決算の営業収益は前年同期比2%減の6078億円、営業損益は79億円の赤字、最終損益も191億円の赤字だった。天候不順の影響で利益率の高い秋冬物の衣料品の売れ行きが悪く、値下げを余儀なくされて利幅が縮小した。
ダイエー不振の理由は、本業のスーパーの不振にほかならない。創業者である中内功氏が1999年に会長を退いてから、今年で15年。この間、社長は現在の村井正平氏(イオン出身)を含めて7人に及ぶ。平均在任期間は2年少しということになる。抜本的な対策が取れないまま、トップが次々と入れ替わった。
ダイエーは中内時代にコンビニエンスストアのローソンを三菱商事に売却。04年にホテル、ドーム球場など福岡の3点セットとプロ野球球団・ダイエーホークスを手放した。さらに08年にはOMCカードを三井住友銀行に売却したことで、借金は減ったが利益の柱であったOMCカードを失い、ダイエーに残ったのは不振のスーパー事業だけとなり、以降、ダイエーの赤字は常態化した。この間、スポンサーとなった丸紅の傘下でリストラを進めたが、成果は上がらなかった。
そして、流通大手のイオンは13年8月、株式の公開買い付けでダイエー株式を44%まで買い増し、9月から連結対象企業に組み込み、ダイエー再建を主導してきた。
●イオンの収益を圧迫するダイエーの赤字
イオンの13年3〜11月期決算では、子会社化したダイエーの赤字が重くのしかかり、最終利益は前年同期比46.8%減の199億円とほぼ半減した。売上高に当たる営業収益は同11.8%増の4兆6211億円と3年連続で過去最高を更新したが、営業利益は同4.1%減の948億円と減益だった。
原因は本業のスーパーが伸び悩んだため。GMS(総合スーパー)の営業利益は65億円(前年同期比横ばい)、SM(食品スーパー)は37億円(同67%減)と振るわなかった。
GMS部門では子会社としたダイエーや、衣料品が不振だったイオン九州の営業損失が響いた。SMはコンビニやドラッグストアなどとの競争が激化したのに加え、12年4月にJ.フロントリテイリングから買収したイオンマーケット(旧ピーコックストア)の不振が業績の足を引っ張った。ディベロッパー事業と総合金融業は過去最高の営業利益となったが、スーパーの販売不振をカバーしきれなかった。
14年2月期の連結業績は、営業収益が同5.5%増の6兆円、営業利益が2000〜2100億円(4.9〜10.2%増)、最終利益は750億円と横ばいを見込んでいる。
●鮮明になるセブン&アイとの明暗
ライバルのセブン&アイ・ホールディングスは、傘下のコンビニのセブン-イレブン・ジャパンが絶好調。3〜11月期の最終利益は32.0%増の1280億円。利益が半減したイオンとの格差は6.4倍に広がった。セブン&アイは通期の最終利益を1700億円と予想しており、イオン(750億円)に大きく差をつける。コンビニが主力のセブンと、スーパーが主力のイオンの収益力の差は一段と鮮明になった。
都内の大手百貨店はアベノミクス効果に沸いたが、スーパー業界は蚊帳の外だ。日本チェーンストア協会が1月21日に発表した大手スーパーなど58社の13年の売上高は、既存店ベースで前年比0.7%減だった。13年もマイナス成長で、1997年から17年連続で前年割れとなった。
この間、イオンはプライベートブランド(PB)の拡大、M&Aによるスケールメリットを追求してきた。ピーコックストアに続き、ダイエーを子会社にした。「首都圏食品スーパー連合構想」を掲げ首都圏での営業力の強化に努めたが、コンビニの大量出店に加え、ドラッグストアが食品の取り扱いを拡大したこともあって逆風が吹きつけている。
ダイエーは低価格PB「トップバリュ」の導入やイオンとの共同仕入れで業績の改善を図りたいとしている。「トップバリュ」の品目数は13年2月期は3500品目(年商180億円)だったが、14年2月期末には5000品目に増える。だが、イオンが期待するほど「トップバリュ」が伸びているわけではない。グループ全体で今期1兆円を計画していた「トップバリュ」は昨年11月までで5463億円にとどまり、1兆円の達成は厳しいとみられている。
イオンにとっては、これ以上ダイエーの赤字が続くことは許されない。最終赤字はイオンの連結決算に直接影響を及ぼすからだ。果たしてイオンはダイエーをどうやって再建させるのか。今後の動向に注目が集まっている。
編集部
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