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なぜインフレの本質を誤解してしまうのか?「円安→物価上昇→生活苦」は、一面的な見方(東洋経済)
http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/559.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 2 月 10 日 08:30:00: igsppGRN/E9PQ
 

なぜインフレの本質を誤解してしまうのか?「円安→物価上昇→生活苦」は、一面的な見方
http://toyokeizai.net/articles/-/30222
2014年02月10日 村上 尚己 :マネックス証券 チーフ・エコノミスト 東洋経済


 2013年のアベノミクス発動で、日本経済は1990年代半ばから続いた20年弱に及ぶデフレから抜け出す第一歩を踏み出した、と筆者は考えている。すなわち、アベノミクスの第一の矢である金融政策(日本銀行がほかの多くの国と同様にインフレ目標〈2%〉を掲げ、その実現のために金融緩和を強化したこと)が、「歴史的な経済政策の大転換となった」と認識しているからだ。

■ それでも根強い「インフレ転換懐疑論」

 実際に、2012年11月を大底に、日本経済は個人消費を中心に回復。失業率や有効求人倍率も改善、日本経済全体に景気回復が及んでいる。行き過ぎた円高も解消され、企業業績も2014年3月期で見れば、前年度から約30%以上もの増益になる見込みだ。景気回復とともに、デフレ懸念が和らぎ、インフレ率もほぼ15年ぶりに水面下から浮上しつつある。

 日本経済を映す鏡である金融市場も景色が一変した。年初から世界的同時株安で日本株も下落してはいるが、2013年の日経平均株価は、堂々、戦後4番目となる上昇率。アベノミクス発動前までは、主要先進国の中で、リーマンショック後に唯一下落基調をたどっていた日本の株式市場は、先行する米欧市場と肩を並べる程度まで上昇した。経済政策として脱デフレを掲げたことで、「日本経済は今後も一方的に衰弱が続く」のではという、市場参加者の強い悲観論が和らいだ。アベノミクスで、金融政策の大転換が実現しなかったらと思うと今でもゾッとする。

 アベノミクス2年目の2014年を迎え、ほぼ1カ月半が経過した。当初は懐疑的だったかもしれないが、「アベノミクスが目指す脱デフレが進むと、同時に経済復活も成し遂げられる」という期待を持つ人が増えたのではないか。ただ、「アベノミクス2年目」を迎えたからか、過去1年の劇的な変化という現実を受け止められないのか、あるいは想定外だからだろうか、なおも約20年ぶりの「インフレへの転換」に懐疑的な見方は根強い。

■ 2014年は実質賃金が目減りするかもしれないが…

 たとえば、「インフレ」が進むと、日本人の多くが貧乏になると訴える人がいる。その根拠は、簡単にいえば、「インフレ」になれば、買い物をするときの負担が増える。その際、賃金が増えていない、あるいは増えたとしても微々たるものなので、実質賃金(名目賃金から物価上昇率を差し引いたもの)が下がり、家計の生活が苦しくなる、ということだ。 

 確かに、2014年は消費増税もあって、家計の実質賃金は低下する可能性が高い。「インフレを目指すアベノミクス政策は、人々の生活は貧しくなるので持続可能ではない」と言いたいのは、心情的には理解できる。ただし、この考えは、「インフレという経済現象」に対する根本的な誤解に基づいている。

以前のコラムでも述べたが、インフレとは、モノだけではなく、サービスを含めた消費活動全般の価格上昇である。外食、旅行、フィットネスクラブなどの、従業員の人件費が直結するサービスを含め、安定的に価格上昇が実現するのが、インフレという現象である。インフレ率をプラスで安定させることが、日本銀行を含め、世界中の中央銀行が目指していることである。 「インフレ=貧しくなる」、という思い込みをする方々は、アベノミクスの発動で大幅な円安(円高修正にすぎないのだが)が起きたことの負の面だけしか見ていないので、なかなか理解できないのではないか。確かに、円安による「輸入インフレ」で、ガソリンなどの必需品の価格上昇はいち早く起きる。これも実は一部の品目の価格上昇なのだが、これを「インフレ」、あるいはもう少し厳しい言い方で「コストプッシュ型インフレ」と称し、「コスト増加」の側面のみを強調する。円安で「インフレ」が起きているだけなので、「円安が大きく進まないと2%のインフレが実現しない」という予想すら聞かれる。

■ グローバル化で、賃金は本当に上がらないのか? 

 実際には、アベノミクスで起きた円高修正は、インフレをもたらす要因のひとつにすぎない。行き過ぎた円高が修正される過程で、冒頭で説明したとおり、幅広く景気の回復が起こり、モノやサービス、労働市場における供給超過(需要余剰)が和らぐ。アベノミクス発動をきっかけに始まった、そうした経済全体の変化が脱デフレの根幹にある。脱デフレと経済活動の活発化は、同時に起こる。インフレとは、経済全般の視点でみなければいけない。

 にもかかわらず、「賃金が上がらない」「円安で必需品の価格が上昇する」という、ミクロの視点で経済事象を説明すると、当初は多くの生活者の感覚に合致することもあり、わかりやすいということなのかもしれない。残念ながら、もし、そうであるならば、今、日本で起きている「歴史的な変化の重要性」が、いつまでも理解できないだろう。

 サービスを含めた物価全般(一般物価)が上昇すると、名目賃金もそれと連動して上昇するのだ。というのも、消費や設備投資が増えて、経済の需給が引き締まる経済状態になるから、インフレ率が上昇する。そうした経済状況が続けば、労働市場では人手不足になる。モノやサービス同様に、労働市場において、「需要>供給」となれば、賃金にも上昇圧力がかかる。

 インフレになっても貧乏になると考えてしまう方は、モノやサービスなどの価格全般が上昇しても、「グローバル化」などを理由に、賃金が上がらない状態が永続すると思い込んでいるのかもしれない。

 実際に起きることは以下のことだ。つまり、身の回りのモノの値段のほうが素早く上昇する一方で、賃金が動くペースはさほど早くない(遅効性がある)。個々の市場によって、インフレが定着するまでに時間の差があるので、景気回復の初期段階とも言える、2014年くらいまでは、そうした状況が続くのかもしれないのだ。

 ただ、こうした状況は永続しない。インフレが定着し、経済成長率が高まることで、労働市場の需給も改善する。そうすると、労働市場で余っていた人が雇用され、失業率が低下し、人手不足になる。実際に、名目賃金は景気変動の変化による物価上昇に見合う格好で、上昇していく。上の図をみれば、1990年代半ばからデフレが始まり(消費価格指数が低下)、それと同じタイミングで賃金も下がっていることがわかる。

 逆に言えば、インフレが起きているときは、同時に経済成長が高く、名目賃金も上昇している。そしてこのときは、実質賃金も上昇している。今後、脱デフレに伴い日本経済が復活し、賃金は、名目ベースでも実質ベースでも増え始めるだろう。そのプロセスが、アベノミクスでようやく始まったのである。

 経済全般の客観的なデータを踏まえず、「インフレの本質」を誤解したまま、「輸入インフレ」などの側面だけを見ているとすれば、今起きている時代の大きな変化についていけない。


 

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コメント
 
01. おみや 2014年2月10日 09:19:54 : 5avMm4ZgNSSko : dkYb5WZNqo
スターグフレーションの始まりという状態だってある。
給料低下にインフレの状態である。

国の経済政策失敗によって起こる。

安陪晋三に指導能力があるはづもない。

金持ちコア層の支持と、話を聞くことしかしていないからだ。

彼ら、彼女らは過去の人と言わざる追えない。

破滅までまっしぐらのやつらである。


02. 2014年2月10日 10:23:46 : DpPvqn37fm
01<賛同!

03. 14542 2014年2月10日 11:22:18 : EOvLWxao1f1gY : ES3qxuFBXM
ただ、こうした状況は永続しない。インフレが定着し、経済成長率が高まることで、労働市場の需給も改善する。そうすると、労働市場で余っていた人が雇用され、失業率が低下し、人手不足になる

本当に馬鹿だ。
誰が外人労働者を受け入れようとしているのだろう?
アベノミクスの首魁じゃないのか?
そうなったら、供給が多くて賃金が減り、物価の上昇だけ受ける。
グローバリズムによる弊害も、そもそも自民が外国に工場を作るのを支援したから。。ODAしたから。
その最大供与国の中国の台頭を脅威だって!!
誰が供与したんだか!
自民だろう。。カスが!

04. 2014年2月10日 12:40:25 : nNPddbW4SY

ネットウヨクの最大の競争相手が安倍によってにもたらされる。

もう日本語の怪しい人も相当混じっているからね(笑)


05. 2014年2月10日 13:15:52 : c2ZLdD2o3Q
証券会社の社員の嘘八百を信じて儲けた人はいない

06. 2014年2月10日 16:36:11 : 1geRdsjJSg
大体、国民すべての利害が一致することなどあるか?
金融界の利益ではあっても庶民の利益にはほど遠い。

07. 2014年2月10日 17:12:26 : ArLVW38Mhw
「インフレとは、モノだけではなく、サービスを含めた消費活動全般の価格上昇である。外食、旅行、フィットネスクラブなどの、従業員の人件費が直結するサービスを含め、安定的に価格上昇が実現するのが、インフレという現象である。」

「インフレ」という概念の「本質」を誤解(混同)しているのは他でもない、筆者自身である。抑も「インフレ(ーション)」なる語は通貨供給量の膨張を指す用語であったが、後にその結果としての物価の上昇までをも指すようになったものである。現在ではもっぱら後者の意で用いられる事が多い。ここに大いなる混乱の種が潜んでいるのである。単純に物価上昇をインフレの本質であると解することは、政策的インフレ(中銀の通貨乱造・紙幣乱刷)による通貨価値の下落が果す重要な役割を無視する事に等しい。全ての価格は商品の需給関係によって決まるが、これは商品そのものへの消費者の価値判断が大きく関与することをも意味している(農作物の不作など自然環境の変化が関与する場合は別)。しかし、通貨価値を毀損することは、消費者の価値判断とは全く無関係に、機械的に価格をつり上げることに等しい。前者による物価変動は、商品の有用性(商品価値)に直結する指標であるが、後者は単に消費者の購買力を(通貨発行)権力の濫用によって奪い去った結果に過ぎない。前者は企業の淘汰を迫る一方、商品開発における競争や発明を促し、活発かつ効率的な経済活動へ導く。後者は資産価格をつり上げて富裕層や既得権益を保護優遇する一方、組織の腐敗低迷や社会経済構造全体の歪みを助長する。換言すれば、前者は経済の新陳代謝を促し自己免疫機能を活発化することに等しく、後者は経済を薬漬けにし内部の老化を促進させることに擬せられる。

「インフレが定着し、経済成長率が高まることで、労働市場の需給も改善する。そうすると、労働市場で余っていた人が雇用され、失業率が低下し、人手不足になる。」

景気低迷(調整)期に、政策的に(無理矢理)需要を刺激し、人手不足を起こし、それによって雇用を増加させると何が起こるか。よくよく考えるべきである。少なくとも、今起こっているのは正社員の削減と非正規雇用の増加である。これは一人当たりの賃金を低下させる要因になる。また、企業にとって雇用の増加はコスト増でもある。無闇に引き上げれば、ただでさえ通貨安でコストプッシュされている所へ、更なるコスト増となり、経営が圧迫されることになる。

結論として、政策的(機械的)インフレでは労働市場の需給を歪めることにしかならない。景気低迷期はそれまでの歪みを調整する期間であり、資産を防衛し、投資を控え、過剰な負債を清算し、消費も控えなければならない期間である。従って、つり上がった価格も当然下がらなければならない。繰返しになるが、労働者の給与も企業にとっては人件費という名のコストであるから、これも当然削減の対象になる。これらは経済の歪みを矯正する機能を果たし、健全な持続的発展の経済構造への回帰にとって不可欠の過程である。この過程に、刺激と称して政策的インフレで介入することによって、市場による必要な価格調整や不採算事業の整理(リストラ)などが阻害されることになる。これを俗に、「問題の先送り」や「その場しのぎ」という。

この臭い物に蓋的根性(人間の弱さ)を助長して、経済(及び社会)構造上の問題解決を遅らせるだけでなく、更に悪化させるのが、即ち「インフレ(通貨膨張政策)」の本質的効能である。


08. 2014年2月10日 21:33:19 : fzHSnrEfa2
詭弁である。ごまかしである。まやかしである。

物価が上がり収入が減る。これは消費者にとってありがたいことではない。
安倍持ち上げもいいかげんにしなければいけない。消費税像でさらに落ち込むは必至。


09. 2014年2月10日 23:40:55 : 9ow8Y9o2dg
nJF6kGWndY がいないな。
こういうネタには真っ先に飛びつくと思ったのに。

10. 2014年2月11日 00:12:20 : nJF6kGWndY

長期的には価格(実質賃金も)は生産性と需給で決まるという

当たり前の話だからな

村上の指摘通り、実質賃金が上昇する企業も当然でてくるが、そうでない企業も当然ある


11. 2014年2月11日 07:37:35 : BDDFeQHT6I
先に需要(購買力)が増えて供給が不足すると物の値段が上がる、これが良いインフレ、価格が上がれば増産意欲が高まり供給が増加する循環になる。
通貨が下がり原材料費が高騰して物価が上がるのは商品価格だけ見ればインフレと同じだが、需要が喚起される要素が無いので持続性が無く悪いインフレ、この状態が続くと消費が大きく減退してスタグフレーションに突入する。
このまま円安が続くと4月以降は悲劇的な状況になるだろう。

12. 2014年2月11日 11:25:23 : QICbmvqLMs
あるブログにありました。
インフレで、通貨供給量を増やすのは、貨幣価値
の水増し、増税効果があり、国民から国行政機関へ
の所得移転となるそうです。
貨幣の基本を、わかりやすくまとめておいてくれないか。

13. 2014年2月11日 11:27:34 : EeZRCCkmRI
>>03
中国へのODAは醜い
これから、環境対策支援という名で援助が始まるみたいですよ。
ネトウヨが言うような安倍総理が対中強硬だなんて疑問だ。



14. 2014年2月11日 11:35:26 : EeZRCCkmRI
>>11

スタグフレーション その予感ですな。


15. 2014年2月12日 00:14:48 : lUxzQdG0ho
インフレにすれば景気はよくなるの?
「米が良く取れた年は与作がよく転んでた」「んだば与作を皆で転がせば米がよく取れるんではあるめぇか」??与作は良い迷惑だ・・ひょっとして与作って国民のことじゃないよね。

16. 2014年2月12日 23:01:32 : B354HlQsvE
>サービスを含めた物価全般(一般物価)が上昇すると、名目賃金もそれと連動して上昇するのだ。というのも、消費や設備投資が増えて、経済の需給が引き締まる経済状態になるから、インフレ率が上昇する。

素人が考えても、ものが高くなって消費が増えるなどあり得ないと思うのだが、ここでは妙な理屈を捏ねておられる。さっぱりわからない。

物が売れなくてどうやったら賃金が上昇するのだろうか?


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