http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/536.html
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アベノミクスは劇的な仕掛けで人々の心理に働きかける工夫(主要メディアの提灯記事が基本)がプラスされただけで、それまで採られてきた金融・財政政策と質的な違いがあるわけではない。
「第3の矢」と言われる成長戦略にいたっては、ここ十数年言われてきたことの繰り返しでしかない。
現在に至る円安を条件としたグローバル企業の業績アップ・最近は低迷だが株価上昇による消費増加は、アベノミクスとは無関係であり、野田政権が昨年8月まで継続していても同じ推移を見せたはずである。
なぜなら、この間の日本の経済指標の変化は、財政出動を別にすれば、円安を根源的な原因としており、その円レートが12年(一昨年)秋から円安に転じたのは、アベノミクスではなく、欧州中央銀行がユーロ圏の国債を無条件に買い上げると宣言しユーロ銀行危機が大きく遠のいたことに起因しているからである。
(黒田日銀の自前の本格的金融緩和策が始まったのは、昨年の4月からである。むろん、金融緩和策を拡大するとした安倍氏の政権が成立する見通しがあったことが、“円売りの安心感”を醸成したことは否定しない)
物価(CPI)上昇も、円安による輸入物価(エネルギー資源やパソコン・スマホなど)の上昇が中心であり、所得が増えない状況での物価上昇は、国民生活や中小企業の経営を圧迫している。
勘違いされているようだが、アベノミクスは、金融政策や経済政策というより、「国債サイクル管理」政策であり、それを前提に財政出動(日本経済維持政策)を支える政策である。
膨大な赤字により毎年40兆円を超える借金を積み上げてきたのも、高齢化に起因しているのではなく、国内外で曲がりなりにも稼いでいるグローバル企業がそのお金を循環させないからであり、当然のように銀行からの借り入れも増やさないからである。
そのような経済金融状況のため、政府は、ダレの政権であれ、日本経済の底が抜けるのを防ぐため赤字財政支出を増やし、資金運用難で苦しむ銀行から国債というかたちでカネを借りてあげるしかない状況に追い込まれている。
4月からの実施が決まった消費税増税も、財政危機に対応し社会保障の持続性を図るというのは建前で、ひとさまが納税したお金でグローバル企業の経営基盤強化を図り国際競争力をアップさせる姑息な政策でしかない。(そのような効用を全否定はしないが、現状の考え方が続く限り、株主に還元されたり、対外投資に活用されることで終わってしまうだろう)
転載した記事に「英国のエコノミストのトム・オーリック氏は、「日本の増給を抑制している重要な要素は、本国の急速な高齢化だ。消費者が減少に向かう国で、所得増を試みるのは困難だ」」という内容があるが、グローバル経済においてはそのような見立ては誤りである。
国内の消費者が減少しようとも、新興国がめざましい消費力増大を遂げている世界を相手にビジネスをしており、国内外での生産バランスを考えながら国内の供給力(競争力=設備投資)を増強していけば、給与を増加させることもできる。
給与の増加で、国内の消費の質を向上させれば、内外でいい循環が実現できる。
日本でここ15年以上も給与所得が増えなかった原因は、高齢化ではなく、供給力の強化が行われなかったことである。
設備投資はそれ自体がインフレ要因であり「信用」増加要因だから、GDPを増加させる牽引力である。
供給力=競争力の強化とは、基本的に設備投資(資本蓄積)である。
バブル崩壊の影響もあるが、97年の消費税増税をトリガーとしたデフレ不況が、設備投資ではなく、賃金切り下げによる競争力強化を企業に強いるようになったからである。おかしな表現をすれば、“タダの設備投資”(=賃金切り下げ)で競争力を維持しようとしてきたことが、デフレの長期化をもたらしたのである。
自由主義経済の日本において政府ができることは限られている。政府は、経済活動の基礎的な条件を整え、国際的な競争条件の改善に努めるくらいしかできない。
経済成長の実現は、経団連加盟社を中心としたグローバル企業を筆頭とした企業(供給主体)の役割である。
かれらが利益を追求することは当然だが、利益獲得の長期的持続性を支える経済論理をきちんと理解しなければ、日本経済の再興は難しいのである。
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日本人の給与が減少、アベノミクスは前途多難=米誌
2014年02月08日13:30
日本の給与は低下を続けている。安倍晋三首相は過去1年以上に渡り、日本の経済状況の改善に全力を尽くしてきたが、その効果は微々たるものとなっている。アベノミクスは今後の難航が予想される。米ビジネスウィーク誌の2月6日の記事を引用し、環球網が伝えた。
過去15年間で、日本の給与水準は15%減少した。日本が発表した直近のデータによると、2013年12月の基本給(ボーナス、残業代を除く)は前年同月比0.2%減となり、平均24万1525円まで下げた。これは19ヶ月連続の減少で、この16年間で最低水準となった。
日本経済を救うため、安倍首相は二つの目標を打ち出した。まずは物価上昇による消費促進、そして各企業への増給の呼びかけだ。円安がトヨタなどの企業の輸出と収益を改善しており、安倍首相は大企業に富を分かち合うよう説得を開始している。安倍首相はネット上で、「長年失われている」企業の収益力と給与の関係を取り戻すことで、初めて日本をデフレの悪夢から救うことができると指摘した。
しかしながら、ローソンを含む一部の企業が積極的に社員の増給を始めているが、多くの企業はこの措置の効果を疑問視している。各社は増給が、新たな物価上昇と同じ水準に達するかを読みきれずにいる。
英国のエコノミストのトム・オーリック氏は、「日本の増給を抑制している重要な要素は、本国の急速な高齢化だ。消費者が減少に向かう国で、所得増を試みるのは困難だ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月8日
http://j.people.com.cn/94476/8530286.html
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