http://www.asyura2.com/14/hasan85/msg/528.html
Tweet |
69ヶ月間の「好景気」が続いても日本人は貧困に落ちていく
http://www.bllackz.com/2014/02/69.html
2014年2月7日 Darkness - ダークネス
ソニーがもはや電機大手として競争力を失い、かつて主力だった部門であるテレビやPC事業を分社化、売却せざるを得ない状況に陥っている。
社債はジャンク級に格下げされ、かつてのカリスマ的なブランドは完全に凋落してしまっている。
重要なのは、2014年度までにまたもや5000人をリストラするということである。ソニーは2012年にも1万人近くをリストラしているが、今回は「追加リストラ」となる。
ソニーに限らず、日本企業はもはや無駄な人間を抱えきれなくなってしまっている。終身雇用など言っていたら、企業そのものの存続ができなくなってしまう。
シャープも、パナソニックも、リストラを繰り返して、最近になってやっと財務的に健全になりつつある。
ここで重要なのは、企業はコスト高になっている「人間」を切り捨てて、やっと利益が出せるという事実が明らかになっているということだ。逆に言えば、非情なリストラができない企業は、グローバル化の中で生き残れない。
■企業は株主のものであるのは議論の余地はない
企業の目的は従業員の人生の面倒を見ることではない。激しい競争の渦巻く世界で競争に打ち勝って、利益を出すことである。従業員よりも、利益が重要なのである。
当たり前のことだが、利益が出せないのであれば企業は存続できない。利益があってこそ、従業員が雇える。
利益を出せないどころか、赤字を積み上げる状況になってしまえば、追い詰められた企業は、遅かれ早かれ従業員を切り捨てなければならなくなる。
それができない経営者は株主から無能だと見なされて、経営者自身がクビを切られることになる。
日本では企業は従業員のものか、株主のものかという馬鹿げた論争があった。企業は株主から金を出してもらって運営されているのだから、企業は明確に株主のものだ。
その株主は、常に利益を出すことを求めている。経営者はそれに応えるのが重要な使命であり、そのためには従業員の人生がどうなろうとリストラせざるを得なくなる。
終身雇用時代には、「窓際族」や「社内失業」というものがあった。それは企業が余裕があった頃の仕組みであり、追い詰められた企業にはそんなものは許されない。
日本企業が大量の人員をリストラして放出しているのは、結局のところ、日本企業がすでに余裕を失っているという証拠でもある。
今回のソニーのリストラも、リストラの対象になっているのは、40歳以上で、勤続10年以上の社員である。利益を出せない不採算事業の管理職や中堅社員を「窓際族」や「社内失業」で雇っておく余裕がなくなっていることが分かる。
■従業員は家族ではなく、単に歯車のひとつ
終身雇用の時代は、日本企業と従業員は一心同体でもあった。従業員は一生その会社に面倒を見てもらうことになるので、自分の会社は「うちの会社」でもあった。
しかし、もはや企業は従業員を社員として雇うのではなく、単なる業務をこなす労働者として位置づけている。
そのために、従業員は、要らなくなったらいつでも使い捨てできる派遣労働者として雇う。だから、従業員にとっては、もう「うちの会社」ではない。
企業と従業員は分離された。もう日本企業と日本人は一心同体ではない。
もちろん、経営者は最初からそんなつもりで雇っているわけではない。従業員を大切にしなければ企業が成り立たないことくらいは誰でも知っている。
しかし、それでも業績が悪化すれば従業員をリストラせざるを得ず、客観的に見れば従業員を使い捨てしているのも同然だ。
そしてグローバル化した世界では、企業が安い労働者を捜して途上国に雇用が移転していく。賃金の高い労働者は雇われないので、いったんリストラされた日本人の従業員は、もう高給での仕事を探してもどこにもない。
もし仕事が欲しければ、安い給料で働かなければならなくなっていく。リストラされた従業員の給料が次の職場で上がる見込みはない。
だから、日本人の給料はリストラによって600万円が400万円に、400万円が300万円に、そして300万円が200万円に、最後には100万円台にまで落ちていくのである。
若年層も高齢者も女性も、まとめて貧困に落ちているのはよく知られている。
しかし、リストラの標的になっているのが40代の管理職や中堅社員であるということは、もはや働き盛りの40代もリストラによって貧困に落ちる可能性がある。
■働いても働いても豊かになれない社会
容易に解雇できない正社員を抱えて凋落してしまった日本企業は、今後もし景気が格段に良くなったとしても、警戒して正社員を増やす動きを見せるとは思えない。
不景気になればいつでも切れるように、非正規労働者をどんどん増やして、むしろ社員を極限まで切り捨てる動きに出る。
だから、景気が良くなったとしても、大多数の従業員は何の恩恵もない。ただ低賃金で働かされるがままになっていく。日本企業と株主は恩恵を受けても、従業員には好景気のおこぼれは回ってこないのである。
これから日本で生み出されるのは、膨大な数のワーキング・プアの群れである。働いても働いても豊かになれない社会の仕組みが定着して、格差がどんどん広がっていく。
景気が良くなれば、またワーキング・プアの給料も上がってみんな豊かになると考える人もいるかもしれない。しかし、好景気が来ても労働者には関係ない。
2000年代は多くの日本人にとって「格差が広がった時代」であると記憶している。若者がワーキング・プアから抜け出せなくなった社会がこの時期に到来した。
しかし、実は2002年2月から2007年10月までは、69ヶ月間の「好景気」だったのである。
この好景気は「いざなみ景気」と呼ばれているが、一般人には何ら恩恵をもたらさなかった。しかし、企業は儲かっていたので、内部留保が進み、それが株価の上昇につながった。
日本企業と日本人が分離し、日本人は景気に関わらずワーキング・プアとなってしまう。はっきり言えば、これから給料はもっと下がっていく。
それを覚悟した上で、人生設計をしなければならない「苦難の時代」になってしまったのだ。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。