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本日2月7日は、債務限度引き上げ期限である。しかし米財務省は投資信託の据え置きなどの「臨時措置」により、2月末まで延期することが可能である。
それまでに議会は財務省が支払いを可能にするため債務限度引き上げ法案を通過しなくてはならないが、 相変わらず共和党は譲渡の条件を提起するチャンスを狙い、茶番劇を繰り返している。
連邦政府が借金する全ての金額について議会が限度を定めることを債務上限と呼んでいる。これは米国の法律に定められた議会の義務である。オバマ大統領は、昨年10月政府閉鎖と債務不履行の危機に直面した際、議会がすでに出費したものに対してその請求書の支払いをするための交渉はしないと宣言し、議会の義務である債務限度引き上げに条件をつけない「クリーン法案」を通過させるよう請願した。
オバマ氏は今回も同じで姿勢であるが、共和党は期限ぎりぎりになってもクリーン法案に投票する意志はない。財務長官のジャック.ルー氏は、手元の残金および連邦政府の歳入の一部を利用して、支払いを続けることは可能であるが、現金が不足するのは時間の問題であり、3月にその支払いが出来ない場合、債務不履行に陥る危険性があることを警告している。
しかし、共和党は債務限度を引き上げることに同意する代わりに、何らかの報酬を得ることを繰り返し主張している。以前提起したキーストーン.パイプランの支持またはオバマケアの廃止条件は下院共和党の十分な支持が得られないとして、昨日この条件を破棄した。
昨年、ライアン.モォリー両氏による超党派の予算交渉で、退役軍人の退職年金は今後10年間で60億ドル削減された。下院議長のジョン.ベイナー氏は今日、共和党が債務限度引き上げを容認する新たな条件として、退役軍人の退職年金削減の終了を提案した。
しかし、退役軍人の退職年金削減を停止する法案は、退役軍人上院委員会の委員長バーニー・サンダース氏が既に提起している。複数の共和党は、結局クリーン法案を通過させるしか方法はないため最初からそうすべきであると主張しているが、ベイナー氏はまだ諦める様子はない。
共和党の戦略は、債務限度引き上げの機会を利用して連邦政府の何らかのプログラムを除去又は削減することが狙いであるからだ。しかし、オバマ氏や民主党は、理不尽な要求には応じないため、議会は期限どおりクリーン法案を通過することが不可能な状況である。
どうして共和党はこのような茶番劇を繰り返すのか?これは、オバマ氏の就任後に始まった妨害行為の一つである。初の黒人大統領の誕生に猛烈な抵抗を示した極右派ティーパーティは2008年の大統領選挙の予備選の頃台頭し、2009年1月にオバマ氏が就任した1ヶ月後にその全容を顕した。ティーパーティ運動に支持され、2010年から議会に出没した極右派の議員らは、長年築いてきた正統な保守派を脅かし、議会の秩序を崩壊し分裂させた。
ティーパーティは、税金と助成金に反対しているため、税金が国民の福祉に利用されることを徹底して嫌っている。従って、彼らは共和党の背後で、助成金が利用されるオバマケアの撤廃運動を推進したが失敗に終った。
莫大な選挙資金を利用し、政治に多大な影響力を及ぼすことを目指すコーク兄弟が背後にいるティーパーティに、少なくとも複数の共和党リーダーは何らかの影響を受けていると言われている。民主党のリーダー達は一般的に、ベイナー氏はティーパーティのロービー活動家を恐れていると指摘している。
予算交渉、債務限度引き上げ、法案制定など、あらゆる局面でオバマ氏の前に立ちはだかる行為は、前大統領 G.W.ブッシュの時代以前には見られなかった現象である。ガーディアンの調査によると、債務限度引き上げは1944年から 94回引き上げられ、下げられたのはわずか10回だけである。
94回のうち、共和党の大統領は債務限度を54回引き上げ、民主党は40回である。最も多い大統領は18回引き上げたレーガンである。G.W.ブッシュは7回引き上げ、オバマ氏はこれまで6回引き上げている。歴史上、数回、債務引き上げに他の条件が提起された記録はあるが、オバマ氏の就任期に集中して毎回繰り返されているという事態は前代未聞である。
オバマ氏と民主党は、債務限度引き上げに交渉はしないと宣言している。いずれにしても、他の常識的な共和党議員が債務不履行を望んでいるはずがないため、今月末までに、民主党側と共通の基盤を見いださない限り、クリーン法案を通過させる以外に方法はない。
おそらくオバマ氏が大統領である限り、民主党が再度下院議会をコントロールしない限り、共和党は茶番劇を続けると思われる。2009年以来、腐敗した金権政治に裏付けされた権力闘争は益々顕著になっている。
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