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首都圏「値上がりする町」ランキング
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140205-00011827-president-bus_all
プレジデント 2月5日(水)8時45分配信
せっかく住宅を買うなら、資産価値が上がる町を選びたいもの。過去10年のデータと、今後の都市開発計画から、「これから値上がりする町」を予想する。
■都心部の価値は上がる一方
首都圏で値上がりする、値下がりしにくい町のランキング上位を占めている町は、「都心」「再開発エリア」「ブランド力のある地域」に大別できる。
都心は東京でいえば千代田区、港区、中央区、新宿区、渋谷区など。埼玉県ではさいたま市浦和区、大宮区、神奈川県では横浜市中区などが挙がっているが、千葉県だけは千葉市ではなく、お屋敷街としてブランド力のある市川市が上位にきている。
ブランド力という意味では、より都心の港区を抑えて3位に入った文京区や、都心からはやや距離のある国立市が好例だ。
このうち、東京の都心部では現状で価値が高いだけでなく、今後も再開発、新線計画などがあり、価値がさらに上がることはあっても、下がることはまずなさそうだ。
たとえば、渋谷区では東急東横線地下化の後、東急グループやJR東日本などが2027年度までに駅跡地や周辺に大型複合ビル5棟を建設する予定がある。10年もすれば渋谷駅周辺はまったく違う町になっているはずなのだ。この変化は当然価格に反映され、隣接する目黒区に及ぶ可能性も高い。
また、JRから公式な発表はないものの、山手線の品川、田町間に新設される新駅は港区内。駅新設に伴い、広大な品川車両基地のかなりの部分が不要になり、そのうち15ヘクタールほどが大規模都市開発に充てられる計画とのこと。新駅・開発の完成は20年度中とかなり先ではあるが、実現すると既存の品川港南口の再開発全体の2倍近い広さの新しい町が生まれることになる。
港区ではこれ以外にも虎ノ門〜新橋間に建設中の環状二号線プロジェクトや浜松町、神谷町から赤坂、六本木にかけてのエリアで複数の再開発計画が進行しており、今後も人口、事業所の集積は続く。
東京カンテイ・中山登志朗氏は言う。
「都心ではそれ以外にも、浜松町の貿易センタービルの建て替えが決まったところです。モノレールをJRが買収し、いずれは東京駅と羽田をつなぐモノレールが実現するかもしれません。また、新東京駅を地下につくって成田、羽田をつなぐ計画もあります。今後は郊外に向けて延びるというより、都心内部で集積性を高める方向での利便性向上が図られていくはずです」
再開発エリアで上位に名を連ねるのが、湾岸でタワーマンションの急増が目立つ東京都江東区と、大規模な再開発で人気が高まった武蔵小杉を擁する神奈川県川崎市中原区だ。
では今後、これらの町に続き、値上がりが期待できそうなのはどこか。最もホットな地域として挙げられるのは、13年3月16日に相互乗り入れを開始した東急東横線と東京メトロ副都心線につながるエリアである。具体的には東武東上線、西武池袋線沿線。もちろん、東急東横線沿線の目黒区や、副都心線沿線の新宿区でも価値の向上は見込めるが、この2区はすでに上位に入っており、そもそもの価格が高い。今後、上昇の余地があるといえば、東武東上線、西武池袋線が妥当だろう。
■東急東横線がさらに延伸
具体的な自治体としては、西武池袋線が通る東京都豊島区、練馬区、西東京市、東久留米市、清瀬市、東村山市から埼玉県所沢市、入間市、飯能市など。都心通勤を考えると所沢市あたりまでだろうか。
豊島区は新築マンションの分譲価格がすでに坪単価200万円以上になっているが、今後も池袋駅周辺で区役所移転、その周辺でのタワーマンション建設や、道路、公園などの整備計画が目白押しとなっており、今後も価値は上昇しそうだ。
西武池袋線沿線では石神井公園、大泉学園、ひばりヶ丘その他、沿線の駅周辺の再開発、建て替えなどが行われており、価値が上昇する可能性もある。
交通の利便性アップにより、値上がりが期待できるエリア
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東武東上線沿線では東京都板橋区、埼玉県和光市、朝霞市、新座市、志木市、富士見市、ふじみ野市、川越市、鶴ヶ島市などがあるが、こちらは川越市あたりまでだろう。なかでも上位30位には漏れたが、リセールバリューが91.3%と高く、複数路線が利用できる朝霞市、文教地区のイメージのある志木市などが有利と思われる。
東急東横線では、さらに19年4月に相鉄線との相互乗り入れの予定もある。これはJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近と東急東横線日吉駅間に連絡線を新設、相鉄線西谷駅とJR東海道貨物線横浜羽沢駅付近間に連絡線を新設することで、相鉄線と東急線が相互直通運転を行うというもの。横浜市西部および神奈川県央部と東京都心部とが直結されることになり、横浜市保土ヶ谷区、旭区、瀬谷区から海老名市にかけての相鉄線沿線エリアの利便性は大いに向上する。
これ以外に交通利便性アップが期待できるエリアとしては、「高崎線・常磐線などの東京駅、さらにはそれ以遠の新橋、品川などへの延伸により、首都圏の東部と西部がつながります。これで恩恵を受けそうな地域としては千葉県柏市、松戸市、さいたま市大宮区とそれ以遠の上尾市などが想定できます」(中山氏)。
首都圏でもう一つ気になるのは首都圏の東側、いわゆる下町エリアだ。東京都墨田区や台東区などは上位に入っており、東京スカイツリーも予想以上の人を集めている。その波及効果はどこまで出ているのだろう。
「現在のところ賃料にはさほどの動きは見られません。商業地としての活性化が今後のポイントになりますが、物販店やホテルなどの店舗の賃料は多少上がっているものの、指標となるオフィスの賃料にまでは波及効果は見られていないのです」
とはいえ、スカイツリーをきっかけに観光資源としての下町が再認識され、町が活性化していけばそこに仕事が生まれ、人が集まる。十分に変化の余地はあるはずだ。実際、それを見込んで、スカイツリーの建設が始まった頃からマンション分譲は増加している。
「これまで、いわゆる下町エリアでの市場は中小のデベロッパーが中心で、しかも単身者向きのワンルームが大半を占めていました。城東、城北地域は地方から首都圏に流入してきた人が、賃料の安さと都心への足回りのよさで、最初に居住することが多い地域です。そのため、市場自体が賃貸中心になっていました。しかし、スカイツリー以降、大手デベロッパーによる住宅開発が進行し、なかには坪250万円と都心並みの価格を付ける物件も登場しています」
これまでよりもグレードの高い物件が供給されていくことで、賃料、住宅価格の東西格差は少しずつ是正されていくのだろう。
これらの動きに呼応するように、下町エリアでは再開発の動きも加速している。スカイツリーのお隣、曳舟駅(墨田区)では開業以前に再開発が行われ、町並みが大きく変わったし、葛飾区では新小岩駅、立石駅周辺で、江戸川区では小岩駅周辺で、荒川区では三河島駅周辺でそれぞれ再開発が予定されている。また、京成押上線、東武伊勢崎線の高架化工事も行われており、渋滞解消とともに新しい空間が生まれようとしている。
ちなみに前述の新東京駅構想は都営地下鉄浅草線の押上駅〜泉岳寺駅間の約11キロに新たなバイパス地下鉄を建設、地下に新東京駅をつくるというものだが、実はここに京成押上線の高架化も影響する。成田へ向かう京成線の高速化には高架化が非常に意味をもつからで、交通網の改善は全体を底上げする効果もあることがよくわかる。
こうした開発が積み重なっていけば、「いずれ新たな都心近くの分譲地として、湾岸とともに市場を牽引していく存在になるでしょう」(中山氏)。
■スカイツリーが下町を変える
ところで、スカイツリーといえば東武鉄道である。この沿線の動きはどうなのだろう。
「東武鉄道は押上にオフィス街をつくり、そこに東武鉄道を使って通勤する人を生み、その人たちのために住宅地をつくって売りたいと考えているはずです。東急は同じことを田園都市構想で行い、数十年かけてそのイメージを定着させてきました。東武がそれを狙っているのだとしたら、成否は今後30年間、町づくりをがんばり続けられるかどうか。町のイメージを変えるのは時間のかかる、大変な作業です」
現在、東急沿線に価値の高い町が多いことを考えると、町選びではそこに深く関わる電鉄会社の地域振興策もポイントになってくるといえるわけだ。
最後に、今後の東京の価値上昇を考えるうえで欠かせないものを一つ。東京オリンピックである。20年開催を目指して現在、招致活動が続けられており、これが実現すれば大きな転換になる可能性がある。
「人口減少で首都圏も自然増(地域内の、出生による人口増加)は減っているものの、都市圏では社会増(地域内の、転入による人口増加)が続いており、その傾向は今後も持続するはずです。その数的な変化に加え、オリンピックで町並みその他に質的な変化が起これば、首都圏にはまだ発展の余地があるのではと見ています」
結論が出るのはこれまたまだ先だが、首都圏のバリューアップに期待をかけて見守りたい。
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中山登志朗
東京カンテイ市場調査部上席主任研究員。現在、不動産市況全般の調査・分析を担当している。市況レポート「Kantei eye」編集長。金融機関やデベロッパーに幅広い人脈を持ち、講演などで活躍している。
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住まいと街の解説者 中川寛子=文 PANA=写真
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