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雑感。春闘と補正予算
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2014年02月06日 在野のアナリスト
ソニーがパソコン事業の売却を決めました。日本のパソコンメーカーは、独自ソフトや使い勝手などを売り文句にしていますが、同一価格帯なら訴求力もありますが、桁が違うので海外のデザインや機能を謳うメーカーとは戦えません。またWindows8以降はカスタマイズ、つまり自らアプリを択んで仕上げるタイプが主流になるので、いずれにしろ体質は転換が必要でした。
そんな中、富士通がだした答えはGRANNOTE、60歳以上の活動的な大人向けだそうですが、迷走ぶりを端的に示しています。お金もある、購買意欲もある、そんな層を狙い撃ちしてもパイを食い合うだけです。むしろ無くても十分、という考えていた層を掘り起こしてこそ、一つの流れがつくれます。NEC、ソニーと撤退が相次ぎますが、日本企業は大丈夫か? と不安になります。
春闘もはじまりましたが、トヨタ労組はベア4000円の要求です。ただここに来て円高、株安になっており、経営者としても好循環どころか、悪循環に陥る懸念もあって、要求通りに妥結するかは微妙です。問題は、消費税増税による一般世帯の負担は5000円、と試算されており、これでは円安による物価高を加えると、家計は赤字に陥ってしまいます。要求時点でこれですから、一時金を含めても、来年度は『質素倹約』が家庭の合言葉になるのかもしれません。
5.5兆円規模の補正予算も成立しましたが、公共工事1.1兆円、震災復興1.9兆円と、人材不足により入札不調が多発しているこれらに多く充当されており、これでは景気対策にもなりはしません。低所得者へのバラマキも6500億円、一般会計でムダとされた事業が復活している、という話もあります。さらに、予算審議もこれから始まりますが、消費税増税の分捕り合戦で、予算規模が膨らんでいる。安倍政権の景気対策はまったく機能しないにも関わらず、歳出ばかりが増える、という形が定着しそうです。こうした見方も今の株安にはつながっているのです。
日本企業は株高になって資本が増えても、すぐに借り入れを増やして設備投資に回す、という考えはない。なのですぐに破綻懸念に直結することはないのですが、逆に景気回復の足は鈍らせる。だからこそ安倍政権の、短距離でダッシュするような流動性供給やバラマキでは、好循環は生まれません。FRBのテーパリングでも示された、引き締め局面には大きな負の効果が現れるため、長期でみて企業は賃上げにも後ろ向きだった。しかしここに来て政府からの賃上げ圧力に屈し、そうしようとする動きは、まるで終わりの始まりのように見えてなりません。
Jカーブ効果とも言われますが、円安により時間をおいて輸出が回復する際に説明されますが、実はそのモデルケースには海外の景気変動を含んでいません。これだけの、海外における不安定要因がある中で、好循環などが実際に実現するのか? むしろ無矛盾律に陥っていると感じてなりません。今の景気をよい、とだけ判断し、企業もその波に乗って賃上げにまい進すると、その後の戦略において大きな差も生まれるでしょう。今の政府や企業経営者の的外れな議論をみるにつけ、この国に対する不安は益々増えてしまう、ということは確実なのでしょうね。
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