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融資 中小にも広がる 資金需要強く
銀行、6カ月連続増 信金は4年ぶり水準
銀行や信用金庫の中小企業向け融資が反転する兆しが出てきた。2007年から減り続けてきた銀行の貸し出しが6カ月連続で前年比プラスとなったほか、信金も不動産や医療分野への融資を増やしている。ただ中小企業の資金需要は運転資金が中心との見方も強く、増加基調が続くか不透明感もある。
日銀によると、13年12月末の中小向け貸出残高は173兆円と前年同月比1.8%増えた。6カ月連続のプラスはリーマン・ショック前の07年以来だ。信金の貸出残高も昨年12月に0.8%増と、09年10月以来の高い伸びを記録した。
国内銀行の法人融資は約270兆円で、中小向けが6割超を占める。法人融資全体は大企業向けがけん引する形で12年半ばにプラスに転じており、回復の裾野が中小企業まで広がってきた。
景気回復を背景に、中小企業の資金需要は着実に増えている。日銀が年末年始にかけて50金融機関に聞いたところ、14%が「資金需要がやや増えた」と答えた。売り上げの増加や設備投資の拡大が主な理由だ。
木材卸の物林(東京・江東)は昨年12月、商工組合中央金庫から運転資金として4億円を調達した。東北地方で木造住宅の需要が伸びるなど建材販売が拡大し、資金需要が増えると判断。昨年秋に電子債権を担保に3億円を借り入れたばかりだが、金融機関から有利な条件での融資提案が増えており、追加借り入れに踏み切った。
産地直送野菜の販売などを手がけるファームドゥ(前橋市)は無借金経営を続けてきたが、太陽光発電などへの投資のため、13年夏から月10億円以上のペースで借り入れを増やしている。岩井雅之社長は「銀行は採算が見込める案件に積極的に貸してくれるようになった」と話す。
銀行も企業から前向きな資金需要を引き出そうと躍起だ。三井住友銀行は起業間もないベンチャー約20社の将来性を見込んで3月末までに合計10億円貸し出す。三菱東京UFJ銀行は国際協力銀行と組み、中小企業の海外進出支援を強化する。タイで工場を移転・増強した金属パイプ加工のカイセ工業(東京都町田市)向けなど18件に56億円を貸し出した。
もっとも持続性には不安も残る。日本商工会議所などの調査では中小企業の景況感は1991年以来の高い水準にあるが、公共事業の増加や消費増税前の駆け込み需要など一時的な要因に支えられた面も大きい。信金の貸出先では不動産、医療・福祉などが増えているのに対し、製造業は軒並みマイナスだった。
第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「4月の消費増税が懸念材料。価格決定権が弱い中小企業は大企業に比べて増税のしわ寄せが及びやすい」と指摘。中小企業融資の増加基調が春以降も続くかは、設備投資需要の本格化にかかっているとみている。
[日経新聞2月6日朝刊P.1]
- 中小企業融資 2000年のピークより2割減 あっしら 2014/2/06 22:42:11
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