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[ウォール街ラウンドアップ]マネーの奔流と新興国
「新興国の動揺は大きなリスクでない」とフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は発言。アトランタ連銀のロックハート総裁も緩和策の縮小は続くと述べた。揺るがない米連邦準備理事会(FRB)を前に5日の新興国市場は不安定な動きを続け米株価も下げた。
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FRBの言い回しで世界の市場が揺れる昨今からすると何とも大胆に映るのが1980年前後の金融政策だ。インフレ抑制を狙って4年足らずで短期金利を5%弱から20%近くに誘導した。
当時は米大手銀がオイルマネーを原資に中南米に巨額の融資をしていた。利払いは行き詰まり、82年にメキシコなどで債務危機が起きた。
その後、90年代半ば以降にもメキシコなどで危機が再燃したが、その伏線となったのもFRBの金融引き締め。利上げ幅は約3%と80年代よりは小さかったが、危機はタイを皮切りにアジア各国などにも広がった。
大きな要因は資本規制の緩和だ。成長を急ぐ各国が一気に防波堤を下げた結果、マネーの流入が加速しバブルが発生。資金が引くと安全網の不備もあり経済が崩れた。
翻って今日の米政策金利はゼロのまま。新興国の経済も以前より格段に盤石だ。なのに緩和策をゆっくり縮小する構えを見せたとたん混乱が広がったのは、なぜか。
押し寄せる波の水量と勢いが増したのは無視できない。FRBの緩和策で世界に出回るドルの量を示す「ワールドドル」は金融危機前の2兆ドル台から7兆ドル超に急増した。
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一方、国際決済銀行(BIS)が昨秋まとめた報告書によれば世界の外為市場の取引額は直近で一日あたり5兆ドル強。2001年の4倍強だ。
増加が目立つのはヘッジファンドや機関投資家。取引の中身もデリバティブが約13倍に拡大。過去とは取引の速度も市場への影響も桁違いに高まったといえる。さらにごく少なかったメキシコ、中国、トルコ通貨の取引が上位に浮上。新興国はマネーの奔流に格段にさらされやすくなった。
過去の危機を貿易や金融面から分析した経済モデルに基づき「今回の混乱の影響は限られる」とみる専門家も多い。だが市場の構造変化を前に、過去の経験則は通じるのか。吟味が必要だ。
(ニューヨーク=西村博之)
[日経新聞2月6日夕刊P.3]
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