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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N0JSMC6JTSFR01.html
2月6日(ブルームバーグ):
新興国不安を背景に進んだ円高・ウォン安が反転する可能性が出てきている。テクニカル指標は相場過熱の兆しを示唆しており、経常収支など日韓のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)格差から、いずれ円安・ウォン高基調に戻るとみるアナリストが多い。
円は年初来、対ウォンで約6%上昇。これは31通貨中最大の上昇率で、4日には一時1円=10.771ウォンと昨年11月14日以来の高値を付けた。米国の量的緩和縮小や中国経済への不安などが新興国市場からの資金流出に拍車を掛け、円に資金を逃避させる動きが加速したことが背景にある。相場の勢いを判断するRSI(相対力指数、14日間ベース)は週初に、円がウォンに対して一時2012年5月以降で最も「買われ過ぎ」の状態になったことを示した。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のストラテジスト、クーン・ゴー氏(シンガポール在勤)は、「日本は2%の物価目標達成に向け強力な金融緩和を続けているため、円には下押し圧力がかかり続ける」一方、「韓国のファンダメンタルズはかなりしっかりしている」と指摘。「円はここ1週間、リスクオフ環境の恩恵を受けたが、円・ウォン相場という観点で考えると円安に戻ると予想している」と言う。
韓国では昨年、海外とのモノやサービスの取引を示す経常収支 が過去最大の707億ドルの黒字となった。これに対し、日本の経常収支 は昨年11月に2カ月連続の赤字となり、赤字額は過去最大の5928億円を記録。12月分は10日に発表されるが、1−11月の経常黒字額の累計は約3兆9500億円(約390億ドル)にとどまっており、通年で韓国を下回る公算が大きい。12年の経常黒字額は4兆8237億円と前年に比べ半減し、過去最小だった。
円安・ウォン高予想
ブルームバーグの為替予測調査によると、円は今年12月末に9.545ウォンまで下落する見通し。これはリーマンショックが起きる前の08年8月以来の円安・ウォン高水準となる。
JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、円は「最適な資金調達通貨」であり、インフレ率およびインフレ期待の上昇を受けた実質金利の低下、貿易収支に反映される国際収支の悪化といった「従来の円のファンダメンタルズの弱さは依然ある」と指摘。「グローバル経済が回復基調をたどり、投資家のリスクテーク志向が強いという円安ビューの前提は特に変わっていないので、中長期的な円安との見方は対ウォンでも変わっていない」としている。
甘利明経済再生相は先月14日の閣議後会見で、昨年11月の経常収支が赤字となったことについて「貿易立国の原点が若干揺らいでおり、これからも注意が必要だ」と述べた。
日本の13年の貿易収支 (通関ベース)は赤字額が前年から65%増加し、過去最大の11兆4745億円に達した。赤字は暦年ベースでは比較可能な1979年以降で初めてとなる3年連続。
買われ過ぎ
ブルームバーグ・データによると、円・ウォン相場のRSIは3日に73.3まで上昇し、一般的に買われ過ぎの目安となる70を超えた。6日時点では63前後。同じく相場の過熱感を表すストキャスティクスでは今週、「買われ過ぎ」の領域で基本となる「%K」ラインがその移動平均線である「%D」ラインを下抜け、「売りシグナル」が点灯した。
IG証券の石川順一マーケットアナリストは、円・ウォン相場は昨年6月の高値から引いた抵抗線や一目均衡表の「雲」などを上抜け、円買い圧力の強さを示しているが、「直近の上昇のスピードも速く、そろそろ過熱感が出てきてもおかしくない」と指摘。節目の11ウォン近くに位置し、長期トレンドを示す200日移動平均線を突破できなければ「反落する可能性はある」とし、その場合は年初からサポートとして機能してきた21日移動平均線を試し、そこを下抜ければ年末年始に付けた08年9月以来の安値水準の10ウォンを目指す展開になると分析する。
日本時間6日午前の円・ウォン相場は10.61ウォン前後。ブルームバーグ・データによると、200日線は足元10.91ウォン前後、21日線は10.39ウォン前後に位置している。
昨年は19%の円安
ブルームバーグのエコノミスト調査によると、韓国銀行(中央銀行)は今年10−12月期に政策金利を過去最低の2.5%から引き上げると予想されている。韓国中銀は今年の成長率が3.8%と、10年以来の高水準に達すると予測。一方、4月の消費増税による景気下押しリスクも警戒される日本では、日銀による追加緩和観測がくすぶっている。
日銀の大規模金融緩和などを背景に円は昨年、対ドルで18%下落と34年ぶりの大幅安を記録。対ウォンでも19%円安が進んだ。
韓国の玄旿錫企画財政相は今週、米国の量的緩和縮小や新興国の変動がもたらす可能性のある影響に備えて、金融市場の監視を強化すると表明。必要な場合には市場を安定させるため、「素早く行動する」とし、市場の監視を強化すると述べた。
ブルームバーグ・JPモルガンアジア通貨指数 は年初から0.6%下落。MSCI新興市場指数 は8%安となっている。また、昨年56%高と41年ぶりの上昇率を記録した日経平均株価 は年初から13%下落し、主要株価指数で最大の値下がりとなっている。
JPモルガンの棚瀬氏は、「日本の貿易赤字が拡大する中で、対韓国の貿易収支 は依然黒字であるため、ウォンに対する円安が日本の対韓輸出にとってサポーティブという構造は変わっていない」と指摘。円の対ウォン相場と日本株は「相変わらず相関が強いので、円が対ウォンで反落するのであれば、日経平均の反発につながる」とみている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 Mariko Ishikawa mishikawa9@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net
更新日時: 2014/02/06 11:05 JST
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