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2014年02月05日
急落したNY株式と日経平均をどう考える?
本日(2月4日)の日経平均は610円安の14008円となりました。
最大の理由は前日(2月3日)のNY株式が326ドル安の15372ドル(終値、以下同じ)となったことです。円高と並んでNY株安は日経平均に最もダメージを与えるため、このNY株式急落の理由をよく考えてみる必要があります。
NY株式の急落は、1月22日のアルゼンチン・ペソの急落をきっかけに新興国通貨が幅広く急落したことで、米国をはじめとする世界全体の景気先行きに対する不透明感が出てきたためといわれています。
昨年12月18日と本年1月29日のFOMCで、月間100億ドルずつ量的緩和を縮小したこともきっかけといわれていますが、そもそもFRBは少なくとも米国経済にマイナスとならないことを「十分に確認して」踏み切っていたはずです。
また昨年5〜6月に当時のバーナンキ議長が量的緩和縮小を示唆したため、インド・ルピーをはじめとする新興国通貨が急落し、また中国の金融市場にまで動揺が広がり、結局は予定されていた昨年9月に縮小を見送っていました。
しかし今回はその辺りも「十分に安全を確認して」踏み切っていたはずです。
事実、NY株式は昨年12月31日(量的緩和縮小が発表された後です)に史上最高値の16576ドルとなり、アルゼンチン・ペソが急落を始めた1月22日でも16373ドルでした。つまりそこから10日ほどで1001ドル(6.1%)も急落したのです。
いくらなんでも新興国通貨が急落してすぐに(ここ10日ほどの間で)、米国をはじめとした世界全体の景気見通しが急変したとも考えにくく、また昨年12月18日の量的緩和縮小の悪影響が1か月半も経過してから急に現れたとも考えにくいような気がします。
要するに昨年後半から本年1月中旬までは、米国経済もNY株式も楽観視され過ぎており、量的緩和縮小の影響もそれに伴う「ある程度の」新興国経済の動揺も「明らかに過小評価」されていたことになりそうです。
それではそれほど楽観視せず、新興国経済の動揺などを「ある程度」織り込んだNY株式の水準とは、どのあたりなのでしょう。
昨年5〜6月に量的緩和縮小が予想され、中国をはじめとする新興国経済に動揺が走っていたときのNY株式の安値は、6月24日の14659ドルです。昨日(2月3日)が15372ドルなので「かなり織り込んだ水準」といえなくはありません。
さてここからは日経平均についてです。
日経平均は、水準はともかくとして上下の方向はNY株式に連動しています。日経平均の直近高値は昨年12月30日の16291円で、昨年6月の安値は12445円(13日)でした。本日(2月4日)は14008円なので、「まだちょっと微妙な水準」のような気がします。
もう1つ日経平均に大きな影響を与える円相場ですが、直近の円安は昨年12月31日(NY時間)の1ドル=105.40円で、昨年6月の円高は1ドル=94.07円(14日)でした。つまりこれも日経平均にきれいに連動しています。
昨年6月の時点と比べると本日は101円台前半なので、まだかなり円安(つまり日経平均にとっては好材料)ではあります。
しかしそうはいっても日経平均の今後は、好調な企業決算や、逆に消費増税の景気に対する悪影響や、日銀の追加量的緩和なども考慮するべきではないのか?といわれそうですが、実はあまり関係がなさそうな気がします。
日経平均は一昨年末に安倍政権が発足して以来ずっと、アベノミクス(要するに期待感だけですが)と日銀の「異次元」量的緩和と円安、それにNY株高に反応して上昇を続けており、「本当にアベノミクスで景気がよくなっているのか?」「本当に円安は日本経済にプラスなのか?」「本当に日銀の異次元・量的緩和に弊害はないのか?」などは、一切考慮も懸念もされていません。
これからも当面(たぶん本年6月頃まで、つまり消費増税が実施されてしばらくたつまで)、考慮も懸念もされないような気がします。
つまり当面の日経平均は、NY株式が下げ止まれば回復するはずです。さらにここに日銀の追加量的緩和が(期待だけでも)加われば、プラス材料となるはずです。
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