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http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140205/ecn1402050723003-n1.htm
2014.02.05 森岡英樹の金融スクープ
金融庁の畑中龍太郎長官が1月の地銀・第二地銀トップとの会合で、「非常に多くの地銀(第二地銀)が黄色信号。聖域を設けず取り組んでほしい」と再編を促す異例の発言をしたことが金融界に波紋を広げている。
金融庁はこの畑中発言と前後して「金融機関の将来にわたる収益構造の分析について」と題する資料も配布しており、出席した頭取らは「どの銀行が再編候補か一目瞭然」と戦々恐々としている。
この資料は、横軸に現在の収益力(各行の中小企業向け貸出利回りから預金利回り・信用コスト率・預貸業務に関する経費率を控除したもの)、縦軸に2025年3月末時点の地元市場規模(人口動態から推計した増減率)を取ったマトリックス表で、地銀・第二地銀105行がどの位置にあるのかが、点で示されている。
さすがに個別の銀行名は伏せられているが、公表資料から分析しただけで、どの銀行がどこに位置するのかは自ずと分かる仕組みになっている。
ある金融庁の幹部は、この表について次のように語る。
「地元での競争力は高いけれども、地元市場の将来性が厳しいような銀行は、隣県等の他のマーケットへの進出を行う強い動機付けになるかもしれない。他方、地元での競争力は高くはないけれど地元市場の将来性が悪くない銀行であれば、中長期的な視点に立って、地元に腰を据えたビジネスモデルに取り組んでいくという戦略も考えられる。ただし、こうした地域には、隣県からライバル行が進出してくる可能性もあり、それを踏まえた経営戦略は必要になってくる」
人口減少に伴い地方経済が縮小する中、地域金融機関の生き残りは容易ではない。「市場規模に比して地域金融機関の数が多い。いわゆるオーバーバンキング状態にある地域があり、再編は不可避」というのが金融庁の認識だ。
この畑中長官の再編要請に呼応するように、1月28日には、北海道銀行▽七十七銀行▽千葉銀行▽八十二銀行▽静岡銀行▽京都銀行▽広島銀行▽伊予銀行▽福岡銀行の有力地銀9行が「地域再生・活性化ネットワークに関する協定書」を締結した。地域の再編の核となるとみられる地銀連合の誕生と言っていい。
一方、こうした金融庁の再編要請の影に投資ファンドの存在を嗅ぎ取る向きもある。そもそも地銀再編は安倍晋三政権が目指す成長戦略「産業の新陳代謝策」の一環で、昨年5月に公表された自民党・日本再生本部の「中間提言」の中でも、「地域金融機関の広域での提携・再編等を通じた県境を越える広域的な営業活動による企業・産業のサポートなどが不可欠である」と明言されていた。
この提言の背景には、地域金融機関の再編が活発化すれば、M&A(企業の合併・買収)の助言や出資等で大きなビジネスチャンスが生まれる投資ファンドの働き掛けがあったとみられている。
アベノミクスの経済効果を全国津々浦々に伝播させるためには、地域経済の活性化は不可欠。それには地域金融機関の再編を通じた金融面のテコ入れも避けて通れないということだろう。
金融庁は地域金融機関のビジネスモデルの持続性について「必要に応じて経営陣と議論する」と語り掛けている。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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