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米経済の見方と株式市場の大幅下落
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52551019.html
2014年02月04日 在野のアナリスト
世界同時株安の様相で、日経平均は14000円割れを試す水準まで来ました。米国のISM製造業景気指数の悪化で、米経済への見通しが変わった、とされますが、その説明に『寒波』とだけしか伝えられていません。しかし、昨年も何度か強烈な寒波に米東部は見舞われていますが、これほどの落ちこみはなかった。荷物の配送に滞った、という事情が第一、とは到底考えられません。
実は昨年末から米国内で囁かれているのは、シェールガスの採掘コストの問題です。以前は岩盤を砕き、水を流し込んでガスを溶け込ませ、その水を吸い上げる形でガスをとりだしていました。しかしそれでは深層地すべりを起こす、また地下水にまじったガスを含む水により、近くの井戸に被害がでるようになりました。そこで、今では掘りながら凝固させる溶液を流し、採掘するのが一般的になっています。しかしこの工法では、1箇所から採掘できる量が限られ、今のガス価格では採算が見合わないのではないか?
つまり設備投資分を回収する前に、採掘が終了してしまうのでは?
そんな疑問から、新規プラントの建設を手控えていることが影響しているのです。
つまりリーマンショック以来、米経済を支えてきたシェールガス革命と金融緩和、という二本柱が崩れてきた。ガス価格が高騰すれば、国内回帰をすすめてきた米産業界も一旦、計画を見直さざるを得ない。そして産業界が、新規の工場建設などの動きを弱めれば、移ってくる住民もおらず、住宅建設もとめざるを得ない。そうした負の連鎖が直撃し、米経済への見方に変化がでているのです。
さらに、強烈な市場の下げによる逆資産効果が、今後の消費にどう影響するか? そうした面も意識しなければならない。今はまだ債先買い、株先売りの調整ですが、FRBのテーパリングにより、大量の債券の買い手だったプレイヤーがいない。今はまだ100億$ずつの削減で、消えたわけではありませんが、すでに各国も外貨準備を積み上げる状況ではない。米国債の買い手が、世界全体で見当たらなくなっているのです。ここで、ふたたびFRBが危機対応としてテーパリングを見送るなら、米国はFRBと心中する覚悟を決めた、ということなのでしょう。
日本には日本固有の事情があって、今回大きな下落になっています。日中は先物が14000割れになりましたが、ナイトはやや盛り返しているようです。少しスピードがつき過ぎているので、一旦は調整するかもしれませんが、下落率が10%以上となり、12000円台につっこんでもおかしくない、今はそんな勢いで、海外勢の手仕舞いがすすんでいます。国内勢の追証の問題など、実は大した問題ではなく、海外勢の高水準のポジションが、一気に転じればこうなってしまうのです。
安倍ノミクスの化けの皮、というと言い過ぎかもしれませんが、日本経済に本気で期待できるなら、こんな下落にはなっていないでしょう。世界が怯えているのは、逆資産効果により、すべての市場が下落すること。その下支えにすら、安倍ノミクスはなっていません。残念ながら、ポジション調整はまだ終わっておらず、その大きさが下値の水準をはかる目安、ということしか、今は語れないのでしょうね。
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